社員の失敗を“褒める”「大失敗賞」を導入する、太陽パーツ株式会社の革新的な社風に迫る

東京ウォーカー(全国版)

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第1回の受賞者は取締役に!?そのほか「縁の下の力持ち賞」「挨拶優秀賞」も

そんな大失敗賞は、現在5月と11月の年2回開催しているが、受賞者は数々の功績を残している。初代受賞者の例は、賞金で「鯨のネクタイピン」を購入したそうで、理由を聞くと「鯨が1回潜って再び上がってくるように、一度だけの受賞で終わりたくない」と決意を示した。その後、中国に新工場を立ち上げ、取締役に就任したという。

初代受賞者の取締役・篠川秀樹さん【提供=太陽パーツ】


「弊社ではチャレンジャーが出世していきます。なかには4回受賞した社員もいますよ」と城岡さん。その一方で「縁の下の力持ち賞」や「挨拶優秀賞」といったユニークな賞も。

「大失敗賞を受賞するのは、営業担当であることが多いです。ただ、そればかりでは組織が成り立たないので、毎朝元気よくあいさつしてくれる人や誰よりも早く出社してシャッターを上げてくれる人、階段の花を生けてくれる人に向けた『縁の下の力持ち賞』や『挨拶優秀賞』を設けております。大きく目立つわけではないですが、しっかりと会社に貢献してくれている人も大事にしていきたいんです」

また、これらを受賞するため、社員はある種のゲーム感覚で取り組んでいるとのことで、会社全体の士気向上に大きく寄与しているそうだ。

「睡眠時間と就労時間、いずれも8時間を費やすとすると、人生のうち3分の1は職場で過ごすことになります。そのため、いかに楽しめる職場をつくるかが我々経営者の使命なのです。その仕掛けとして、こうした賞があるわけですね」

「同じ仕事でも楽しんで取り組めば成果は倍に、逆に嫌々だと半減してしまいますからね」と語る城岡さん【撮影=大塚翔平】


社風に引かれて入社する人も!太陽パーツが掲げる目標とは

現在では部署内でも賞を設け、報酬を出すシステムがあるようで、全社員が日々何かに向けてチャレンジしている。そして、大失敗賞がスタートして25年の月日が流れた今、城岡さんは太陽パーツの今後をどのように見ているのだろうか。

「大失敗賞を通じて、チャレンジできる社風が浸透してきました。これによって会社の繁栄、ひいては社員の幸せにつながっていくと考えています。経営自体は現社長に引き継ぎましたが、根本的な考えは変わっていませんので、これからも大失敗賞をはじめ、社員たちのモチベーションが上がる仕組みを整えていってほしいですね」

さらに今では、チャレンジできる社風に引かれ入社する人も多くいるそうで、大失敗賞の存在が、太陽パーツのブランディングになっている【撮影=大塚翔平】


失敗をチャンスと捉え、チャレンジし続けることで、それらが当たり前になっていく。これは会社だけでなく、いち個人としても大変参考になる教訓だろう。私も今一度、失敗することを肯定して、次につなげていくことを意識したい。

この記事のひときわ #やくにたつ
・失敗を恐れるのではなく、ノウハウが貯まる機会と捉える
・社風づくりは1日にしてならず
・社員全員が主役になれるように、さまざまな賞を導入
・会社の繁栄は、全社員の幸せにつながる

取材・文=西脇章太(にげば企画)、撮影=大塚翔平

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