お金もいつかは「デジタル化」。急速に進む「お金」の変化のなかで知っておくべきこと
東京ウォーカー(全国版)
時代の変化のスピードが加速度的に上がっている——。「今という時代」を指してよく使われる表現だ。変化が急速に進んでいるということでいえば、「お金」も例外ではない。今、どのようなお金の変化が進んでいるのか、それを知ることにどのような意味があるのか——。日本最大級の個人向け金融教育事業を運営する、ABCash Technologies創業者である児玉隆洋さんに聞いた。

各国が実用化を急ぐ「中央銀行デジタル通貨」
長く現金社会だった日本でも、コロナ禍をひとつのきっかけとしてキャッシュレス化が大きく進みました。ただ、今はお金をめぐってさらなる変化が急速に進んでいることをご存じですか?
その変化のキーワードが、「お金のデジタル化」です。現在のデジタルのお金には、「暗号資産」「ステーブルコイン」「CBDC」という大きく3つのカテゴリーがあります。
それらのなかでも、すべての人に関係し、誰もが無視できないのが「CBDC」でしょう。CBDCとは「Central Bank Digital Currency」の頭文字をとったもので、日本語では「中央銀行デジタル通貨」と訳されます。
各国の中央銀行が発行するデジタルのお金であり、つまりはその国の正式な通貨というわけです。日本であれば日本の中央銀行である日本銀行が発行し、現時点では「デジタル円」と呼ばれています。
「そんなもの、実用化されるのはまだ先でしょう?」と思う人もいるかもしれません。でも、実はすでに多くの国がこのCDBCの実用化を急ピッチで進めているのです。もっとも進んでいるといわれる中国では「デジタル人民元」の発行をすでにスタートしていますし、アメリカもバイデン政権が「デジタルドル」の導入を国家戦略の重要施策としています。
そして、日本も含めた他の国も例外ではありません。日本でも、すでに日銀によるデジタル円の実証実験がはじまっているのです。

「デジタル円」を使う時代がすぐそこまできている
CDBCの実用化を各国が急いでいる理由は、その導入によって大きなメリットがもたらされるからです。ひとつは、コストの削減。通貨をデジタルにすることで、物理的に紙幣や硬貨をつくったり運送したりするコストを大きく減らすことができます。
そして、最大のメリットが、不正防止です。CDBCはデジタル通貨のために「いつどこで誰が利用したのか」という履歴を残すことができます。匿名性の高い現金とはちがい、利用者の足跡を追うことができますから、マネーロンダリングや脱税を防ぐ効果が期待できるのです。
では、このCDBCの実用化がはじまるとどのようなことが起こるでしょうか。ビットコインなど先に挙げた暗号資産の場合なら、保有者は一部の人に限られています。みなさんのなかにも「聞いたことはあるけれど、暗号資産ってよくわからない」という人もいるでしょう。
一般に浸透しているとはいえませんから、たとえば飲食店で「支払いはビットコインで」といったとしても、ほとんどの場合は「うちは対応していないんですよ」と断られてしまいます。
しかし、デジタル円は、日銀が発行する正式な通貨です。そのため、デジタル円の実用化がはじまれば、今、紙幣や硬貨を使っているような感覚で、日本中のどこでもデジタル円での決済が可能となります。
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