人手不足の今が大チャンス。年収100万円アップを実現する「転職」のポイント

尊敬する人たちの共通点から「やりたいこと」を探す

ただ儲かる業界というだけでなく、そのなかでも「自分のやりたいこと」をやれたなら、それだけ大きな幸せを手にすることができるでしょう。私が就活やキャリア形成のセミナー講師も務めている立場として、多くの人から転職に関する相談を受けるなかで、「自分のやりたいことが見つからない」と悩んでいる人も多い。

そういう人には、やりたいことに直接フォーカスするのとは別の方法を試すことをおすすめします。その方法とは、「自分が尊敬する人たちの共通点を見つける」というもの。まだ若い人であっても、社内外問わず、あるいは直接の知人かどうか問わず、「こんなビジネスパーソンになりたい」と思わせられるような、尊敬する人が何人かいるはずです。

みなさんは、その人たちのどこを尊敬しているのでしょう？もしかしたら、これまでじっくりと考えたことはなく、「なんとなくすごいと思う」程度だったかもしれませんが、一度、その人たちの尊敬できるポイントを具体的に言語化してみてください。そこに共通点が見つかったら、それこそがみなさんの「なりたい姿」であり、「やりたいこと」である可能性は高いでしょう。

そうして、転職したい業界やそこでやりたいことなどが見つかり、具体的な転職先の候補が見つかったら、人脈をたどって実際にその会社で働いている人に徹底的にヒアリングをしてみるのです。転職エージェントにすすめられるがまま転職してしまっては、それこそ新卒だったときの私ではありませんが、自分の理想と実際の業務内容とのギャップにまた苦しむことにもなりかねません。

特に、収入や待遇面については十分に確認しておくことが重要です。高収入をうたっていても、休日出勤や多くの残業をこなしたうえでの金額だということもあり得るからです。かつてであれば、収入や待遇面について詳しく聞くことははばかられたかもしれませんが、人手不足の今は違います。これまでに培ったスキルや経験をもとに自分をできるだけ高く売ることを考えてほしいと思います。

この記事のひときわ #やくにたつ
・個人の能力どうこうよりも「どの業界や職種の仕事に就くか？」が重要<br />・尊敬する人たちの共通点から自分の「やりたいこと」を探す

構成＝岩川悟(合同会社スリップストリーム)、取材・文＝清家茂樹、撮影＝藤巻祐介