ビジネスのヒントは苦境の中にあり!2期連続の赤字を黒字回復したカクヤスはコロナ禍をどう切り抜けたのか?
東京ウォーカー(全国版)
新しい挑戦と、アフターコロナの展望

ーー近年は九州にも進出されていますね。
【佐藤順一】物流は1から作っていくとものすごい時間とお金がかかるんですよ。それで2020年、九州の博多にある一番大きなダンガミという酒屋さんと二番目のサンノーという酒屋さんを買収して子会社としました。そして2023年10月に子会社だったダンガミ・サンノー株式会社を株式会社カクヤスに吸収合併させ、現在はカクヤスの九州支社として活動しています。今後九州支社を中心に「家庭用」の販売を強化していこうと思います。仕入れ交渉や人材の活用などの点からカクヤスと一体化させた方が、よりシナジーが見込めると判断しての吸収合併です。

ーー銀座のクラブ向けにもサービスを展開されていますが、こちらのほうはいかがなんでしょうか?
【佐藤順一】めちゃくちゃ売れていますね。このアイデアは、たまたま銀座のクラブのオーナーとのランチ中に、「社長これからどうすんの?」って聞くと「店へ行く」って昼間に言うんですよ。それでなぜか尋ねると「お店にあるロマネ・コンティなど高級ワインが盗まれていないかチェックしに行く」と。しかも在庫が各店に800~1000万円分くらいあると言っていて。それで「それ、ウチが在庫を管理したらうれしい?」って聞くと首を縦に振ったので、銀座に16坪くらいのワインセラーを作って、取引のある高級クラブを回って、ワインリストを全部もらってきて、届けるようにしたんです。ただお客様をお待たせできるのが、MAX10分だったので、1カ所ではできないと判断して、現在は2カ所に増やして銀座の中でもエリアを限定したサービスとして展開しています。すると、ここでもお客様が変わっていくんですよ。これまで、前の晩に高級ワインを頼んでお店に置いていたのが、その日どころかお客さんが来店してから注文するようになったんです。つまりまた、ほかの酒屋さんが対応できなくなるんですよね。しかも、飲食店としては在庫を抱えるリスクが減るからありがたいんですよ。だからこのワインセラービジネスは、びっくりする売り上げになりました。ウチの拠点別でみるとワインセラーは常に売り上げ上位にいます。収益力は非常に高いですね。

ーー苦しかったコロナ禍。ピンチを切り抜けられた勝因は?
【佐藤順一】これまでピンチは3回ありましたね。1回目はバブル崩壊で不良債権を抱えたとき、2回目は100数十店舗も出店してすべて赤字になったとき。そして3回目は今回のコロナ。それが、なんとなく3つとも乗り切れちゃったのは、やっぱり守りに入らず攻めていたからでしょうね。赤字を抱えていたとき、銀行の担当者に「業務用の大きな配送センターなんて10個もいらないのでは?半分ぐらいにしたら?」と言われましたが、「半分にしたら、戻ったとき運べないでしょう。絶対嫌だ!」と、突っぱねました(笑)。コロナ禍でも、20数億の第三者割当増資を実行したんですよ。これがあったので、コロナの2年目に攻めることができたんですね。何もしていなかったら今頃どうなっていたやら。今までだいぶ苦労した分、これから回復局面に入ってきます。先行投資したサテライトは今後も貢献してくれることでしょう。

2023年5月に発表された前期(2023年3月期)の決算では、2期連続の赤字を覆し、黒字回復も果たしたカクヤス。今後の展開からも目が離せない。
この記事のひときわ
#やくにたつ
・迷う前にとにかくやってみる
・失敗しても、失敗のなかから小さな成功を見つけ出す
・失敗したら止めればいい。うまくいったら、成功した理由を数字で検証する
・自社の都合を優先せず、客の立場に立ってサービスをリリース。まずは客を獲得できなければ何も生まれない
・自社の強みを知り、自社にしかできないサービスを展開する
取材・文=北村康行/撮影=オオノマコト
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