パックン流「節約筋」の鍛え方。攻める手法(稼ぐ)だけでなく、守る手法(節約)を身につけよ
東京ウォーカー(全国版)
なるべく多くのお金を残すにはどうすればいいか——。もちろんたくさん稼ぐというのもひとつの手だが、それ以上に「節約こそが肝心」というのは、お笑い芸人のパックンことパトリック・ハーランさん。『Newsモーニングサテライト』(テレビ東京)に出演するなど、経済にも明るいパックンが、節約に対するこだわりを語る。

少年時代の経験が培った、「お金を守りたい」という意識
「節約こそがいちばん確実な儲け方」――。これが、お金に対する僕の基本的な考え方です。この思考が身についた要因としては、子どものころの環境が大きかったように思います。
7歳のときに両親が離婚してから、僕は母子家庭で育ちました。母は苦しい家計を支えるために、一生懸命に働くのはもちろん、「節約家」としていい手本を見せてくれました。一方の僕も、少しでも家計の足しにと、10歳から新聞配達をはじめたのです。いわゆるベーパーボーイというやつです。
みなさんのなかにも、子どものころにアメリカの映画などでペーパーボーイの姿を観て、「格好いい」なんて思った人もいるかもしれませんね。実は、僕自身もそう憧れていました。
ところが、現実は過酷……。最初は毎朝5時半に起きて、新聞を巻いて袋に詰めて自転車のハンドルにかけて、雨の日も雪の日もコロラドの急な山道を走って配達しなければなりません。自動車免許を取って配達数を増やしてからは、3時半に起きていました。前夜にダンスパーティーがあっても、当日に試験やスポーツの州大会が控えていてもです。
そんな苦労をして手に入れたお金だからこそ、「簡単には使わないぞ」「節約しよう」という意識が働くようになったことは間違いありません。映画を観に行っても、簡単にポップコーンや飲み物を買おうとはしませんでした。飲み物が必要なら、家から水筒に入れて持っていけばいい。「せっかく手に入れた自分のお金を守りたい」という気持ちが湧いてきたのです。
アメリカでは、かつての僕のようにアルバイトをしている子どもがたくさんいます。また、アルバイトをしていなくても、お小遣い制ではなく、家のお手伝いをした分のお金をもらえるお手伝い制を採用している家庭も多いのです。そのため、多くのアメリカ人が、「自分で稼ぐ実感」というものを子どものころから持つのだと思います。

慣れてしまえば、ストレスなく節約を続けられる
それらアメリカで日常にある状況は、学校での教育ではなくても、いわゆるマネー教育の一端と見ることもできるかもしれません。お金を稼ぐことももちろん大切ですが、それ以上に「無駄な出費を減らすことが大切だ」ということに自ら気づくことができるからです。
「稼ぐ」を、お金を残すための「攻める」手法だとすると、「節約」は「守る」手法です。それらが両輪となってお金を残してくれます。ところが、多くの人はどうしてもよりたくさん稼ぐ、攻めるほうばかりに目が向きがちです。でも、どんなに高収入であっても、稼いだ分だけ使ってしまえばなにも残りません。まさに、「節約こそがいちばん確実な儲け方」というわけです。
そして、そんなふうに節約によってお金を残していくためには、「節約筋」を鍛えることが大切だと考えています。この節約筋を鍛えるには、とにかく場数を踏むしかありません。でも、場数さえ踏んで慣れてしまえば、大した苦労やストレスを感じることなく節約を続けられるようになります。
節約以外のことでも同じでしょう。場数を踏んだフォトグラファーなら、写真に興味を持ったばかりのころと比較すればいい写真をなんなく撮影することができます。つまり、「シャッター筋」が鍛えられているのです。みなさんだって、それぞれの仕事や趣味など場数を踏んだことであれば、ノンストレスでこなせるでしょう?
日本に来て僕が最初に住んだのは福井でした。上京してからもまだお笑い芸人としてそれほど稼げていないころ、第2のふるさとである福井に行くときには、夜行バスを使っていました。もちろん、節約のためです。今だと乗り心地が快適なバスも増えているようですが、夜行バスを敬遠する人も多いですよね。
でも、慣れてしまえばなんてことはありません。前日にちょっと夜ふかしをしておけば、乗車した瞬間にあっという間に眠ることができます。目が覚めたら目的地に着いているのですから、体感的には新幹線を使うより速いくらいですよ(笑)。
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