情報の扱いが投資の成否を左右する。勝てる投資家の情報遮断術
東京ウォーカー(全国版)
投資には情報収集が欠かせない――。多くの専門家が異口同音にそう主張する。しかし、これまで1600人以上の個人投資家に投資指導を行ってきた遠藤洋さんは、意外にも「情報に触れない」ことも大切だという。その言葉の真意を聞いた。

インターネット上にあふれている不要な情報
投資において情報収集が重要だという意見には私も賛同します。ただし、それはあくまでも「必要な情報」を得る場合に限ります。私はそれ以上に、「不要な情報」に触れないことが大切だと考えています。
インターネットが浸透した今、不要な情報は「時間泥棒」です。投資に限ったことではありませんが、なにかを調べようとスマホやPCを見ていたはずなのに、いつの間にかまったく関係ないことをやっていたという経験はありませんか?私も、気がついたらネコの動画を延々と観ていたということがあります(笑)。
なぜそのようなことが起きるかといえば、インターネット上にあるコンテンツのほとんどが、広告ビジネスを主体としているからです。たくさんの広告のプロたちが集まって私たちを誘惑し、クリックやタップをさせようとしています。その結果、必要としていた情報ではなく不要な情報ばかりに触れることになり、そればかりか限られた時間まで奪われてしまうのです。
インターネットの登場以前なら、情報はリアルの世界で手に入れるしかありませんでした。だからこそ、「情報は足で稼ぐ」なんて言葉も生まれたのです。でも、今はそんな時代ではありません。よほど意識しておかなければ、次々と湧いてくる不要な情報に触れ続けることになります。
先の例のような、調べようとしていたこととはまったく違う情報に触れてしまうことのほかにも、気をつけたいことがあります。それは、必要としていることに関する情報でも、中身がない、それどころか完全に嘘の情報もネット上にあふれているということです。インターネットを介した投資詐欺など、その最たるものでしょう。

情報を「事実」と「意見」に分けてとらえる
そのような、不要で危険な情報に踊らされないためにも、インターネットで情報を収集するときには、「事実」と「意見」をはっきりと分けてとらえることが肝要です。
SNSやネット掲示板は、個人が匿名で気軽に情報発信できる場です。もちろんそこにはいい面もありますが、一方でまったく無益な嘘の情報もあふれています。私の感覚としては、インターネット上の情報の9割以上が不要なものです。玉石混交の「石」がとにかく多いのです。
こんな状況においては、事実と意見を分けてとらえることが有効になります。なぜなら、有益な情報といえるものの多くは、事実だからです。
たとえば、ある企業が自社のサイトで公開している売上などの数字に、他社との業務提携、新商品やサービスのリリースといったことが含まれるIR情報は事実です。これらは投資における判断をするにあたって、必要で有益な情報です。
一方の不要な情報は、誰かが「自分の立場」から発した意見ということが多いものです。意見には、発信者の主観や利害が絡んでいます。たとえば、ある会社に投資している人なら「この会社は素晴らしい」というでしょうし、空売りをしている人だったら「こんな会社の株なんて早く売ったほうがいい」というでしょう。
人によって真逆になることもある意見に振りまわされてしまっては、時間がいくらあっても足りません。
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