「資産運用=投資」ではない。資産運用本来の目的は、「人生のお金のでこぼこをなだらかにする」こと
東京ウォーカー(全国版)
みなさんは「資産運用」ができているだろうか。資産運用と聞くと、「運用」という言葉があることからも投資というイメージを持つ人が多数派だと思われるが、メディア出演も多いファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんは、「資産運用=投資ではない」と語る。では、本来の資産運用とはどういうものか。その必要性と併せて解説してもらった。

資産運用とは、「資産をどう配置するのかと考える行為全体」
「資産運用」という言葉については、人それぞれで解釈が異なるものですが、私としては「自分が持っている資産をどういうかたちで配置するのかと考える行為全体」を資産運用であると定義づけています。
ひとことで資産といってもかたちはさまざまです。預貯金ということもありますし、株式とか投資信託といった金融商品も紛れもない資産です。それらの資産を適切なかたちで配置する行為こそが、資産運用なのです。
2024年から新NISAがスタートして投資の注目度が増していることも影響してか、「資産運用=投資」と認識している人も多いようですが、私の考えにあてはめるなら、投資は資産の一部、あるいは資産運用の手段のひとつに過ぎません。
そして、今の日本ではこの資産運用の重要性が高まっています。1990年代前半以降の30年ほどはデフレが続いていました。デフレの時代においては、「現金が最強の投資対象」ともいわれます。
ただ現金を銀行にずっと預けておくだけで、たとえ利息はほとんどつかなかったとしても物価が下がっていくのですから、現金の資産価値は相対的に上がります。そのため、デフレが進行する前と比べると、同じ金額で買えるものの品数が増えるのです。しかも、投資のように損失を被るリスクを犯すこともありません。

物価高騰が続くが、インフレ対策だけに偏るのも問題
ところが、みなさんもすでに実感していると思いますが、今は完全なインフレの状況に入ってきました。現金を銀行に預けておくだけでは、今度は逆に資産価値が相対的に下がっていくのです。
そうすると、インフレ率以上の割合で資産を増やせるよう、たとえば投資をはじめるといったことが必要になってきます。「預貯金一辺倒」をやめて資産の配置をこれまでと変えていくことを考えなければならず、そのために資産運用の重要性が高まっているというわけです。
たしかに、物価の変動を確実に予測することは誰にもできませんから、将来的にまたデフレの時代が訪れることもあるかもしれません。しかし、経済が正常な状態であれば、緩やかにインフレが続くのが自然なことです。なぜなら、正常な経済状況のもとで、より便利なサービスや商品が開発されれば、そうして生まれた付加価値が物価に転嫁されるからです。
ですから、ある程度のインフレ対策は必要であると考えなければなりません。とはいえ、インフレ対策に偏り過ぎるのもまたまずいわけです。先ほど解説したように、デフレになったときのために力を発揮してくれる預貯金も持っておく必要があるからです。
つまり、インフレになろうがデフレになろうがどのような状況にも対応できるように、そして、大きな損をしないように資産運用の知識を身につけて実践することが大切なのです。
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