K-POPの観察者と当事者による対談!古家正亨×高田健太のディープすぎるK-POPトーク「日本人メンバーが求められるレベルが上がっている」【前編】

東京ウォーカー(全国版)

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それぞれの立ち位置を見つけていく過程を見ていると、本当に涙が出ます


 撮影=ヤナセタマミ/ヘア&メーク=NAO(高田)、荻堂優花(Artesano・古家)

――最近、K-POP界で活躍する日本人メンバーが増えています。お二人は、この現状をどのように見ていますか?

健太:僕が2017年にデビューするまでは本当にまだまだ少なくて、注目を浴びることも多かったんですよね。でも、ちょうどコロナ禍だった2020年には、日本人だけで1年間に約20人がデビューしたと聞いて驚きました。第2・3世代(※2019年頃まで)にデビューした日本人を全員合わせても10~15人らしいので、これは本当に戦国時代になったなと。逆に言えば、フラットにはなってると思います。僕がデビューした頃の外国人メンバーは、よく言えばチヤホヤされる枠、悪く言えばできない仕事もあったりして区別される枠。でも今はそこがフラットになって、外国人とか関係なくできるお仕事も増えてるだろうし、そういった意味でも戦国時代だなってすごく思います。

古家:最近見てて思うのが、日本人メンバーでも韓国語がもうネイティブレベルですよね。それはつまり、外国人メンバーであっても、あくまでK-POPのアイドルグループを構成する要員の一人としか見られなくなったということで、それだけ求められてるレベルも上がっていると思うんです。パフォーマンスにしても、以前だったら韓国語が苦手な日本人は歌のパートが少なめで、その分ダンスの見せ場が多いみたいなこともあったけど、今はもうちゃんと歌えて当然、踊れて当然、トークも韓国語でちゃんとできて当たり前みたいな。健太くんが「戦国時代」と表現していたけど、できて当たり前になってるというのはすごく大変なことだろうなと思います。ただ、やはり「外国人だから」というのも未だにいたるところで感じますね。

健太:これは本当に話しづらい部分でもありますけど、音楽と国の問題は分けて考えたいという人はすごくたくさんいて、ただそれってやっぱり理想論にはなっちゃうと思うんです。日韓関係が悪化した2019年には、そういった情勢的な理由で、僕も決まっていたレギュラーがキャンセルになるということがありました。その当時ってタクシーで日本語を喋っただけで悪口を言われたり、コンビニに行ったら「NO JAPAN」のステッカーが貼ってあったり、すごく肩身が狭くなった状態で「僕たちがここにいていいのか」みたいな環境だったんです。でも今は逆に日本ブームで、多くの韓国人が日本食や日本の文化、J-POPが好きっていう日本に対して好意的な状況において、日本人K-POPアイドルとして活動することはもはや特別視されないというのをすごく感じます。

古家:あと、僕がMCなどの仕事をしていて不思議だったのが、K-POPグループに外国人メンバーを入れるそもそもの目的っていうのは、外国での活動を見据えた一つの方法論だったわけじゃないですか。例えばタイに行ってタイ語で話せるメンバーがいることによって活動しやすくなるわけで、日本市場なんて特にそうですよね。だけど、第3世代ぐらいからその風向きがすごく変わったような気がしていて、日本活動においても、逆に日本人メンバーが積極的に喋らなかったりするんです。多分、各芸能事務所の戦略だと思うんですけど、そうなってくると日本人メンバーは「自分がどういう立ち位置にいるべきなのか」を、表には出さないけど悩んでいたんじゃないのかなと思います。

健太:僕も、立ち位置に悩んだことはありました。僕がきっかけでK-POP好きになったというファンの方もたくさんいらっしゃって、本当にありがたいことなんですけど、でも推しは僕じゃないってことが多くて。それがすごく悲しかったし、こんな頑張ってるのに…と悩んだりもしました。でも、僕をきっかけにグループを知ってもらうことで結果的には自分のためにもなると思えた時に、それがすごくプラスに動いて。KENTA・SANGGYUNでは日本人と韓国人しかいないから、僕がサンギュンを生かす立場になろうと考えるようになってからは、MCのやり方も変わりました。基本は僕が喋るけど、面白いところや可愛いところは全部サンギュンに振る。僕は全体のMCとして印象に残るだけでいい思ったら気持ちもすごく楽になったし、結果的にそれがいい方向に転んだので良かったなと思っています。

古家:こういう苦労もあるんですよね。

健太:でもこれって1対1だからできることであって、グループの人数が増えて5対1とか6対1になると、ただ単に日本人がMCをやってるという見え方になっちゃう。違うグループの子たちは、また違う大変さがあると思いますね。

古家:きっと日本人メンバーのみんなは、それぞれの立ち位置をデビューと同時には見つけられてないんだと思います。その立ち位置というものを、それぞれが置かれている状況の中で見つけていく過程を見ていると、本当に涙が出ますね。ただでさえ外国人として韓国に行って苦労しているのに、更に苦労しなきゃいけないわけですから。そういうことを、最近つくづく感じています。

(後半に続く)

※高田健太の「高」は「はしごだか」が正式表記

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