シカ、タヌキ、サル、ウサギ…“動物注意”の標識は地域によって絵柄が違う!マニアが教える道路標識の楽しみ方

東京ウォーカー(全国版)

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標識の「裏」にも地域性がある

さらにマニアックな視点で踏み込んだ記事もある。マニアでなければまず気にも留めない「標識の裏側」だ。

道路標識マニアさんによると、「交通標識は、設置された時期や都道府県によって素材や構造が異なっています。標識の『裏側』のリブと呼ばれる構造物にもその特徴が現れています」。リブとは、薄い標識の裏側にある、棒状の補強材のこと。水平に取り付けられ、支柱と標識をつなぎ固定する。基本的には「高リブ」「平リブ」「三点止Rリブ」の3パターンあるという。

標識の裏の基本3パターン。左から「高リブ」「平リブ」「三点止Rリブ」画像提供=道路標識マニア

標識の裏。それぞれ支柱に取り付けられた状態画像提供=道路標識マニア


子どものころから標識の裏側をチェックするのを趣味にしていたという道路標識マニアさん。「最近になって、構造の違いを47都道府県別の地図にしてみて、分布に特徴があることも発見しました」

各都道府県公安委員会が設置する標準サイズの規制標識、指示標識の裏側のリブの仕様を見ると、たとえば東京を始めとする関東周辺は「三点止Rリブ」、それ以外は「平リブ」が主流。その傾向を踏まえ、道路標識マニアさんはなんと全国の標識の裏、リブのパターンの分布図を作成した。

「標識の裏」のパターン分布図画像提供=道路標識マニア


道路標識マニアさんの興味を何よりかき立てるのは、都道府県ごとの設置方法、内容、特徴などの違いだ。「たとえば、『★合図』という道路標示は岡山県にしかなかったり、(都市伝説を元に)“宇宙人が女児誘拐”と呼ばれる『歩行者専用』の標識の図柄も兵庫、大阪あたりでは図柄が異なっていたりと、調べれば調べるほど奥が深いことがわかりました。今では、設置されている標識の写真を見ると、どこの都道府県なのかがある程度絞り込めるようになったんです」

「実際に見に行ってきた」という読者も

こんなに多くの情報をどのように収集しているのかと聞くと、「インターネット上で標識を集めて掲載している人や、ブログなどで何気なく情報をあげてくれている人の情報、およびSNS上で情報を報告していただいている全国に散らばる有志の皆様の情報網などです。聞く人がいない(人に聞いてもわからない)写真は、映っている情報から場所を特定する必要がありますが、その照合に一番苦労します」

読者からの反響については、「『自分も実際に見に行ってみたい』『見に行ってきた』という反応をいただくこともあります。私の記事の影響で行動されていることについては、感謝ですね。また、読者の中には日本全国を飛び回る趣味・仕事の方も結構いて、おもしろい道路標識・道路標示の場所を丁寧に報告いただく場合もあります。だいぶ助けられています」

最初に紹介した動物注意標識マップについては、「全国には現在の(プロット数)2400カ所のおそらく倍くらいはあると思われるので、できるだけ多く増やしていきたい」とのこと。今後もさらに蓄積されていくであろう、道路標識のユニークな楽しみ方に注目したい。

取材・文=折笠隆

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