「#好きにやってよし!」5年ぶりのフルリニューアル。日本上陸66周年を迎えた「ファンタ」のぶれないこだわりとは
東京ウォーカー(全国版)
実は健康を意識した商品も。ただ、一番大事にしたいことは楽しむこと
フレーバー炭酸市場におけるフルーツ炭酸飲料は約4割を占める重要セグメントだという。しかし一方で、年平均成長率・購入頻度は、対2020年比でともにマイナスで、これには健康志向の高まりが大きく影響しているのだという。他社では機能性表示食品の炭酸飲料や0カロリーを売りにした商品を販売しているところもあるが、ファンタではそういった健康志向に合わせた商品を開発しないのだろうか?

「実は、5月に発売した『ファンタ ミステリーレトロ』は0キロカロリーなんです」と意外な答えが。パッケージをよく見ると、確かに「0kcal」と小さく表記されている。カロリーゼロであることをアピールせずに販売したのはなぜだろうか?
「『#What The Fanta』シリーズの魅力は飲んだときに『なんの味だろう?』とみんなで話し合えるワクワク感にあり、これはこの商品でしか体験できないことです。このワクワク感はファンタらしさにもつながっているわけですが、そうしたファンタらしさを前面にしつつも、カロリーが気になる方にも楽しんでもらえるようにということで、この設計になりました。炭酸飲料を飲むときって気分をあげたい、爽快感がほしいというときだと思うんですね。消費者の方のそうした気持ちにしっかり応えるということを優先したいと考えています。目一杯楽しんでもらって、おまけにカロリーゼロです、という形ですね」
確かに「健康的だけどおいしい」と「おいしくて健康的」では消費者の受け止め方は異なりそうだ。中西さんによれば、今後も0キロカロリーのフレーバーを出す可能性はあるが「あくまでもファンタとしての楽しさを一番にしたい」ということ。
「フルリニューアル記念で、期間限定でグレープとオレンジのパッケージは擦ると香りがするラベルを採用しました。リニューアルにあたってファンタらしさはどこにあるんだろうとブレストを行ったんですが、味わいだけではなく、飲む前から楽しんでもらえたらいいなという着眼点から、このラベルのアイデアに行きつきました。擦ってフルーツの香りがふわっとしたところに、栓を開けたらさらにフルーツの香りがしたらいいんじゃないかと。7月新発売のヨーグルラッシュも細かなオレンジフレーバーのゼリーを入れて、ヨーグルトの白とオレンジが混ぜる楽しさを演出しています。加えて、モンスターストライク、通称モンストとのコラボも行っており、モンストの人気キャラクターの描き下ろしイラストがデザインされたパッケージになっています」


ファンタらしい楽しさというのは、2024年のブランドメッセージである「#好きにやってよし!」にも込められている。


「タイパという言葉が示すように、ティーンも含めて日頃からしなければいけないことに追われています。『こうしなきゃ』を気にせずに、自分らしく自分のしたいことを楽しんでほしい。ファンタがそんな人たちの背中を“ちょん”っと後押しできたらという想いを込めています。キャンペーンのビジュアルも、『おいしいから飲んで!』とファンタを全面に押し付けるものではなく、日常の楽しさにファンタが寄り添っている、そんな存在でありたいという想いを表現しています」
フルリニューアルで難しかったことを中西さんに聞くと「安全な香り付きラベルの開発や味決めなど技術的な難しさはありましたけど、結論としては楽しくやりました」とのこと。ファンタを作り出す人々の楽しむ心が、ファンタらしさを支え、ナンバーワンブランドたらしめているのだろう。
取材・文=西連寺くらら
撮影=三佐和隆士
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