今シーズン国内最長「10時間耐久レース」をARN Ferrari 488 GT3が制す
横浜ウォーカー
2017年9月3日、富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)にてスーパー耐久2017年シーズンの第5戦「富士スーパテック10時間耐久レース」が行われ、「ARNFerrari 488 GT3」(永井宏明/佐々木孝太/銘苅翼 組)がポール・トゥ・ウィンを飾った。2位に「D'Station Porsche」(星野敏/荒聖治/近藤翼 組)、3位にタレントの近藤真彦監督率いる「スリーボンド 日産自動車大学校 GT-R」(藤井誠暢/内田優大/平峰一貴 組)が入った。
スーパーカーからコンパクトカーまで7カテゴリーが混走する自動車レース
スーパー耐久とは、市販車を改造した車両によって行われるツーリングカーレースで、改造範囲が狭いのが特徴。また、自動車メーカー系チームが参戦することはまれで、プライベーターチームが数多く参戦し、参戦する車両も、スポーツカーからコンパクトカーまでバラエティ豊か。中には既に販売終了した車や、ディーゼル車も含まれる。しかもそれらが同じ時間に混走するため、ドライバーには抜くテクニックだけでなく、抜かれるテクニックも要求される。
参加するドライバーもさまざまだ。アマチュアのみならず、スーパーGTで活躍する現役ドライバーや、一線から退いたプロドライバーも含まれる。注目は、今季から参戦したドライバー全員が女性という「LOVE DRIVE RACING」。
総監督は、2012年に日本人初そして世界女性初となる耐久レースの最高峰「WEC世界耐久選手権」にフル参戦したことのあるプロドライバー井原慶子だ。
このような、ほかのレースとは異なる多様性が思わぬドラマを生むことから、スーパー耐久シリーズは近年注目を集めているカテゴリーとなっている。
過ごしやすい陽気の下、朝8時に火蓋が切られた
合計58台がエントリーした今季最長となる10時間の耐久レース。気温21度と過ごしやすい晴天の中、朝8時に熱戦の火蓋が切られた。ポールポジションからスタートした「ARN Ferrari 488 GT3」は、第1スティントで佐々木孝太がトップを快走。しかししばらくすると、「HubAuto Ferrari 488 GT3」に首位を明け渡すと、さらに「D’station Porsche」にも先行を許してしまう。
「D’station Porsche」が首位に躍り出たレース開始3時間後、メインストレート上でオイルが出たため、セーフティカーが導入される。レース再開後も「D’station Porsche」はペースよく周回を重ねるものの、後ろからは「ARN Ferrari 488 GT3」が着実に差を詰めはじめ、レース開始5時間後に逆転。
「ARN Ferrari 488 GT3」はその後、完璧な走りで首位を守りきり、335周を駆け抜けてトップチェッカーを受けた。前戦のオートポリスに続き2連勝。チャンピオンシップ争いに王手をかけた。
注目のLOVE DRIVE RACINGは、開始1時間後にマシンが接触。ピットでフロントバンパーの交換などの作業が余儀なくされるものの、その後堅実な走りをみせて、13位でフィニッシュ。第3戦の鈴鹿に続き2度めの完走を果たした。
イベント盛りだくさん!楽しみ方もいろいろの10時間レース
メインスタンド裏では、ステージイベントが行われたほか、出展社ブースが多数並び、にぎわいをみせていた。特に参戦各社のレースクイーンによるイベントでは、カメラが多く並び、大西洋であった。自動車関連の出展ブースでは、会場限定特価で販売されるものもあり、車好きのファンの注目を惹いていた。
富士スピードウェイでは、10月13日(金)~15日(日)にトヨタとポルシェが熱いバトルを繰り広げている「FIA世界耐久選手権」の第7戦「富士6時間耐久レース」ほか、11月26日(日)にはニッサン・モータースポーツ・インターナショナルのファン感謝祭「NISMO FESTIVAL」の開催が予定されている。
また、スーパー耐久シリーズは、10月14日(土)・15日(日)の2日間、岡山県「岡山国際サーキット」で最終戦が行われる予定だ。そして来年6月上旬には富士スピードウェイにて、我が国では10年ぶり、富士スピードウェイでの開催は50年ぶり!となる「24時間耐久レース」の開催も計画中だ。涼しくなるこれからの季節、富士スピードウェイはもちろんのこと、ほかのサーキットに足を運んで「モータースポーツ」を肌で感じてみてはいかがだろう。【横浜ウォーカー】
横浜ウォーカー編集部
この記事の画像一覧(全15枚)
キーワード
テーマWalker
テーマ別特集をチェック