一時は販売中止も?松屋の夏の風物詩メニュー「うまトマハンバーグ」が毎年大人気のワケ

東京ウォーカー(全国版)

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大手牛丼チェーン「松屋」から夏に期間限定で発売されている「うまトマハンバーグ」をご存知だろうか。にんにくの旨みとトマトの酸味が絶妙に絡み合う、厳しい暑さが続くこの時期にぴったりのスタミナメニューだ。

2024年も7月30日から販売が始まったうまトマハンバーグは、松屋の夏の風物詩として根強い人気を誇っており、SNSでは「通年で販売してほしい」との声が多く寄せられている。また、人気YouTuberが動画でうまトマハンバーグを取り上げると、数日で100万回再生を超えるなど毎年大きな話題となっているが、その理由とは一体?

今回は、株式会社松屋フーズホールディングス(以下、松屋フーズ)の熊谷雄樹さんに、うまトマハンバーグの人気の理由について話を聞いた。

うまトマハンバーグの人気の秘密に迫る


女性客獲得のため、2002年8月から「うまトマハンバーグ」の販売を開始

2000年ごろ、松屋フーズでは里芋(※過去にうまトマハンバーグの材料として使用されていた)が余ってしまうという問題が発生していた。そこで食材を無駄にせず、おいしい料理を提供することを目指して開発されたのが「うまトマハンバーグ」だ。そして、2002年8月26日に初めて販売が開始された。

「このころ男性のお客さまが多かったため、最初は女性のお客さまにも楽しんでいただくメニューとして開発が進んでいたそうです。また、夏にスタミナをつけていただきたいという想いからにんにくを使用し、初夏の野菜であるトマトをベースにしたソースを開発して販売したところ、お客さまから好評を得ました。あと、原材料を再利用するという点で、2002年当時は『SDGs』という言葉は広まっていませんでしたが、今振り返ると、そうした取り組みの一環だったのかもしれません」

いまでは夏の恒例メニューとなり、SNS上では「通年で販売してほしい」という声が多く寄せられている。期間限定販売を続ける理由について、熊谷さんは「“期間限定”という特別感を出すことで、毎年恒例のメニューとして話題にしていただきたいという狙いがあります」と語った。

「味も毎年全く同じではなく、お問い合わせフォームやSNSのお声を参考にしながら、ご飯に合う原料を選び、少しずつ変化させています。また、調理する職人と経営陣の10名ほどで試食を重ねて開発していて、開発期間は短くて4カ月、長いと半年以上かけています」

女性客獲得のために開発したが、現在のうまトマハンバーグの主な消費者層は30〜50代男性だそうで、仕事帰りの食事として利用されることが多いという


一時は販売中止も?うまトマハンバーグが大ヒットしたワケ

もともと夏に食べてもらうことを想定して開発されたうまトマハンバーグだったが、2019年まではほかの季節にも販売されていたことも。2002年の販売開始からさまざまな試行錯誤があったそうだが、現在の“夏限定メニュー”に至った経緯とは?

「これまでは秋に販売したり、冬には『うまトマチキン』として販売したこともあります。それに、いまでは多くのお客さまにご愛顧いただいているうまトマハンバーグですが、実は販売していなかった年もあって、2018年10月に販売した際は、前年に人気だったため急遽復活したメニューでした」

【写真】2024年のうまトマハンバーグはトマトの風味をより強調し、酸味を増しているそうだ


2019年以降、松屋の夏の風物詩メニューとして定着していったうまトマハンバーグ。この短期間で広く普及した背景には、松屋フーズの味へのこだわりや販売戦略はもちろんのこと、SNSでの盛り上がりも関係しているという。熊谷さんは「SNS上で話題にしてくださる方が多く、それで今のように認知されるようになったのだと思います」と話した。

売り上げは定番メニューの20%超、そして人気YouTuberが毎年話題に

前述のとおり、ここ数年は夏になると、SNS上では「通年で販売してください」「今年も食べました!」といったうまトマハンバーグに関する投稿が多く見られる。その数は松屋の定番メニューの約10倍にものぼるというが、ここまで大きな話題になる理由とは?

「多くの方が投稿してくださっていますが、なかでもYouTuberの『バキ童チャンネル【ぐんぴぃ】』さんがいつも話題にしてくださるので、それが毎年SNSでバズる要因のひとつとなっています。本当にありがたいですね」

また、新メニューは定番商品と比べて約10%多く売り上げる傾向にあるが、うまトマハンバーグは20%以上の売り上げを記録するとのこと。「正直、弊社の予想を超える売れ行きのため供給が追いつかず、店舗によっては早々に売り切れてしまうこともあります」と熊谷さん。最後は、そんな大人気メニューのこれからについて聞いてみた。

「にんにくとトマトソースをベースに、お客さまのご意見を参考にしながら開発を続けていきます。もし今回の味がご好評いただければ、2025年も同じ味でご提供する可能性もあります。いずれにせよ、ご飯との相性がよく、何度でも食べたくなるようなさわやかな味に仕上げていく所存ですので、今後もうまトマハンバーグを楽しみにしていてください」

筆者は、2024年のうまトマハンバーグを食べて強い魚介の風味を感じた。熊谷さんによれば、今年は魚介の種類を変更したとのこと


定番メニューの安心感も魅力的だが、季節感を楽しめる期間限定のメニューもまた格別。まだまだ続く猛暑を乗り切るために、うまトマハンバーグを食べてスタミナをつけてみてはいかがだろうか。

取材・文=西脇章太(にげば企画)

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