<福岡観光ガイド>デザイン性にも注目!歴史&建築的価値の高い「北九州市旧古河鉱業若松ビル」

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1919(大正8)年に完成したレンガ造りの2階建て建造物「北九州市旧古河鉱業若松ビル」(北九州市若松区)。「北九州市建築文化賞」や、国内有数の建築物に与えられる「BELCA賞」の受賞をはじめ、近代化産業遺産、国登録有形文化財に認定された歴史・建築的価値の高い建物だ。

明治、大正モダンを色濃く残す建物が多数あったが、現在残っているのは旧古河鉱業若松ビルをはじめ数棟のみ


細部にまでこだわった建築様式が見どころ


特徴は、ビル正面でひと際目を引く3階まで伸びた円形の塔屋部分。レンガと石造りの部分が織りなすコントラストが見事で、塔屋最上部の明かり取りの窓もアクセントになっている。

【写真を見る】塔屋部分に施されたルネッサンス様式の装飾。内部は耐震工事などがなされているが、外観はほぼ当時のまま


建物全体で見ることができる壁面を彩る幾何学文様、細部に施されたルネッサンス様式の装飾も、ぜひ注目してほしい。そして、この建物がもの言わず教えてくれるのは若松、ひいては北九州市の近代化の歴史。

木製の階段がノスタルジックな空間を演出。その雰囲気の良さから結婚式の前撮りなどに使われることも多い


明治から昭和初期にかけて隆盛した筑豊炭田により、石炭の積み出し港として栄えた若松。日本有数の石炭集積地となったこともあり、全国各地から石炭関連の会社、海運会社の支社や営業所が出店した。「旧古河鉱業若松ビル」もその一つで、当時どれだけ会社がこの地に建てる支社や営業所に力を入れていたかが、その意匠を凝らした造りからも伺える。

市民一丸となって脱した解体の危機


1944(昭和19)年までは石炭の受払業務を行い、その後、他社の事務所として使用されてきたが、1997(平成9)年には入居者がいなくなり、解体の危機に。その危機を脱する原動力になったのが、市民たちの建物保存運動だ。4万6000人超の署名と約7400万円の寄付が集まり、2003(平成15)年に保存改修工事を行い、現在に至っている。

現在は安全のため利用できないが、塔屋の最上階に上る階段も残っている。階段は当時のままの木製というから驚きだ


今はコミュニティホール、若松エリアの観光拠点として活躍する他、1階の「みやげコーナー」で天然酵母仕立てのあんぱん(1個165円〜)を販売するなど、建物の見学以外でも楽しめる施設となっている。

1階「みやげコーナー」で販売する天然酵母仕立てのあんぱん(1個165円〜)。「丸屋」謹製の逸品で、個数が限られているため昼ごろに売り切れることも多い


旧古河鉱業若松ビルや石炭集積地として栄えた若松の歴史を学べる2階の資料室


[北九州市旧古河鉱業若松ビル]福岡県北九州市若松区本町1-11-18 / 093-752-3387 / 9:00〜17:00 / 火曜休み、年末年始

諌山力

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