オリンピックシーズン開幕!注目選手を総ざらい【シニア女子・前編】

東海ウォーカー

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いよいよオリンピックシーズンが開幕した。今週末からは全国を6地域に分けてのブロック大会が始まり、本格的なシーズン到来となる。既に調整試合としてのローカル大会がいくつか開催され、国際大会のチャレンジャーシリーズも始まっている。また次代を担うジュニア選手の登竜門、ジュニアグランプリシリーズでも日本人選手の活躍が聞こえてきており、今季も話題には事欠かないフィギュアスケート界となりそうだ。今回は夏場のイベントでの取材を中心に、まずはシニア女子から注目選手の近況をご紹介したい。

オリンピック代表争いの大本命!三原舞依


フリー演技後の三原舞依。全体的には良い演技だったのだが、最後のジャンプで失敗したことが悔しかったのか、この表情


「幸せなシーズンでした」。昨季の最終戦、国別対抗戦での演技後に自身がそう語ったように、まさにシンデレラストーリーを体現したシーズンだった。病のために長く滑れない時期があったことなど想像もつかない、名実ともに日本のエースへと成長した三原舞依。大目標の平昌オリンピックへと挑む今季、初戦に選んだのは滋賀県立アイスアリーナで開催された“げんさんサマーカップ”だ。今年が6回目の開催となる、まだ歴史の浅い大会だが、プログラムのテスト機会として多数のトップ選手が参加するようになり、今や全国の夏のローカル大会の中でも最大規模の大会となった。

今季のショートプログラムは“リベルタンゴ”。過去に数多の名演技を生み出した、フィギュアスケートでは定番中の定番だ。この新プログラム、既にアイスショーでは演じていたものの、試合ではこのサマーカップが初披露ということでいつになく緊張を覚えた演技だったようだ。

「すごく緊張しましたが、合宿でしっかり滑り込んだことを念頭に置いて、最後まで元気に滑ることが出来ました」。振付師のブノワ・リショーから言われていた、演技終了時の姿勢まで完璧に出来たそうで、力強いガッツポーズが出たほどの出来栄えだったのだが、その点数は68.44。コーチからは「あと2点足りないね」と言われたそうだ。一見、厳しいようにも思えるが、世界のトップと伍するためにはショートプログラムで70点台をマークすることは必須の課題。そこまでを見据えて、あえて投げかけられた期待を込めた言葉だ。振付のブノワ・リショーからも「高得点が出せるプログラムを作ったから」と言われているそうで、本人が今後の課題として挙げる「もっと力強く滑る、ステップの部分をもっと踊り狂うようにする」ことが出来れば70点台も難しい目標ではないだろう。

フリープログラムは“ガブリエルのオーボエ”。振付のデイビッド・ウィルソンからは「天使のように」と表現のアドバイスをされていたという。歌詞があるプログラムで、情景を思い浮かべながら滑ったそうで、「私だけでなく、観客にも情景が思い浮かぶように演じたい」と表現の目標を語ってくれた。この日の演技では最後のサルコウジャンプで転倒。あとひとつでノーミス、というところでの失敗に思わず苦笑いを浮かべるシーンもあったが、シーズン初戦としては十分なパフォーマンスだったと感じる。彼女は20日からのオータム・クラシックに出場する。サマーカップではフリープログラムのコスチュームが間に合わなかったようで、オータム・クラシックでは新コスチュームを見られることだろう。スコアにも注目だ。樋口新葉がロンバルディア杯で217点を出した直後であり、三原舞依にも210点台を期待したいところだ。

プログラムの完成が待たれる大器。坂本花織


坂本花織、フリープログラムの演技。曲は“アメリ”


げんさんサマーカップでのショートプログラムには驚かされた。前週のアジアントロフィーでは“死の舞踏”を演じていた彼女が、“月光”へとプログラムを変更していたのだ。この新プログラムを作ったのはアジアントロフィー前の合宿中だったというが、アジアントロフィーには間に合わず、サマーカップから投入することに決めたそうだ。ただその内容は極めてハード。今季のフリープログラムではジャンプ5本を後半に組み入れており、しかもそのうち4本は連続で跳ぶ構成だ。それを知っている振付のブノワ・リショーが「フリーで4本連続で跳ぶのならショートの3本ぐらい平気だ」と言い出し、そうして作られた新ショートプログラム“月光”ではジャンプ3本を全て後半に組み入れることになったとのこと。加えてジャンプのない前半も、ステップ、つなぎの部分など密度が高く、選手にとっては負担のきついプログラムとなっている。その分、完成した暁には高得点が期待できるのだが、仕上がるにはもう少し時間がかかりそうだ。

今季からシニアに昇格した坂本選手だが、ジュニアとの一番の違いは「エレメンツ間のつなぎの部分の難度が上がったこと」だという。技そのものの難度ではジュニアもシニアも変わりがない、どころかジュニアの方が高難度な技を実施しているケースも多いのだが、それ以外の部分はシニアの方がレベルが高く、その対応に腐心していることがスタミナへの負担となっているようで、まだまだ体力面で自信を持てずにいるようだ。先日行われたチャレンジャーシリーズ、U.S.インターナショナルでも不本意な出来栄えに終わったが、やはりオリンピック候補の一角であることに疑いはない。高難度のプログラムを早期に仕上げ、彼女の持ち味、豪快で力強いジャンプを武器にシーズンを戦い抜いてほしいものだ。

※「シニア女子・中編」へ続く 【東海ウォーカー】

中村康一 (Image works)

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