家屋のシロアリ対策、できている?災害時の倒壊リスクを下げるために「シロアリ探知犬」も活躍中

東京ウォーカー(全国版)

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2025年1月17日で、阪神・淡路大震災から30年が経過。阪神・淡路大震災での死亡原因の約8割は「窒息、圧死」と言われている。そのことを受けて国が2030年までに耐震対策を推奨するなか、重要になってくるのが「シロアリ対策」なのだとか。

そこで、シロアリ対策をはじめとした総合ハウスメンテナンスサービスを提供している株式会社アサンテが、生活者1000人(男性500名、女性500名)を対象に「住まいのシロアリ対策と防災に関する意識調査」を実施。普段あまり気にすることがない、自宅のメンテナンスについて考えてみよう。

家屋の耐震性について親子で話したことがある?

離れて暮らす家族の地震対策への関心について聞くと、半数以上が「お互いを気にかけている」という結果に。特に子どもが親の暮らす家屋の地震対策について気にかけている傾向が強く、子どもの立場として回答した人の60.2パーセントが関心を寄せているそうだ。

しかし、関心は寄せているものの、1年以内に親子間で家屋の耐震性について話したことがある人は、4人に1人(25.2パーセント)にとどまっている。

「家屋の耐震性について親子で話したことがある」という人は25.2パーセント!


家屋の耐震性に関しての調査では、1年以内に親子で話をしていない理由として最も多いのが「話す機会がない」、続いて「特に理由はない」「家屋の耐震性よりも健康が気になる」。話すきっかけとしては「災害に関する報道を見た」「心配だから」の順で多く選択された。

【画像】家屋の耐震性に関して1年以内に親子で話をしていない理由は?


シロアリがもたらす家屋への被害

「家屋(一軒家)がシロアリの被害に遭っていると、大規模な地震の際に倒壊リスクが高くなることを知っている」と回答した人の中でも、適切な対応とされる“5年以内のシロアリ対策”ができていない人は80.7パーセントもいた。

80.7パーセントの人がシロアリ対策をできていない


日本の家屋でシロアリ被害を受けている割合は、なんと約3軒に1軒。この割合を正しく回答できた人は10.5パーセントにとどまる結果に。

シロアリ被害の割合を認識できている人はわずか10.5パーセント


また、耐震性能の高い家屋を建てても、シロアリによる被害に遭っている場合は倒壊リスクが高まるのだとか。阪神・淡路大震災での家屋の全壊率は、シロアリによる被害や腐朽があった建物では93.2パーセントと高く、そうでない建物の約4倍だったと言われている。

シロアリによる被害や腐朽があった家屋の全壊率の調査結果


シロアリは休眠をせず、年間を通じて床下で活動している。目には見えないため、日常的に意識するのは難しいが、定期的に家屋全体に意識を向けて確認することが大切だ。2024年に起きた能登半島地震の被災地でも、ヒビの入った壁や屋根から雨水が染み込み、シロアリによる被害が増えてしまうと危惧されているそう。

アサンテの床下のスペシャリストは、「目に見えない問題は先送りにしがち。定期的な確認が命を守ることにもつながるため、災害への関心が高まる今こそ床下診断をしてください」と注意を促した。

腐朽被害に遭った床下の木材(左)とシロアリ被害に遭った床下の木材(右)


シロアリによる被害は意外なものにも!

シロアリは主に木(セルロース)からできたものであれば、なんでも食べてしまう。床下の柱から室内に侵入し、大切な本やアルバムを食べることに加え、レアなケースだと壁の中の柱を伝って広範囲にわたった巣に電気配線などが巻き込まれて断線してしまうことも。見えないところで被害が進行するからこそ、定期的なメンテナンスが必要だ。

シロアリが食べた本やケーブル


そこで、アサンテが日本で初導入した「シロアリ探知犬」が注目を集めている。「シロアリ探知犬」は人間の100万倍の嗅覚を持ち、人間が動線を確保しにくい状況でも動くことが可能。日本ではまだまだ知られていない職業犬だが、中古物件を売買する際にシロアリがいるかどうかの検査証明が必要なアメリカでは、数百頭が活躍しているそうだ。

嗅ぎ分けの訓練では、6つの器にシロアリや犬のえさ、おやつを入れてふたを閉め、ルーレットのように回転させることで、他のにおいに惑わされずに正しくシロアリのにおいを嗅ぎ分けられるようにしている。また、シロアリ以外にもトコジラミ探知犬2頭を含めた、計4頭の「くんくんズ」が活動している。

ルーレットを使った嗅ぎ分けの訓練の様子


多くの人がなかなか手を出せていないシロアリ対策。地震大国の日本では避けて通れない巨大地震に向けて、自分と家族の命を守るため、重要な防災の一つとして取り組んでみてはいかがだろうか。

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