「安くておいしいが一番」。大阪・九条の人気ベーカリー「PIN・PON・PAN」の心意気に感動!【NMB48・出口結菜の#んーーまい大阪パン旅】

東京ウォーカー(全国版)

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大阪・なんばを拠点に活動する「NMB48」。かわいいだけでなくお笑いもこなす親しみやすいアイドルグループとして、2025年秋で結成15年目を迎え、メンバーたちは作家、モデル、グラビアアイドルなど、あらゆるジャンルの前線で活躍している。

なかでも“グルメ”に特化した活動の幅を広げているのが、6期生のゆいなちゃん(出口結菜)。InstagramやTikTokでは「#ラビグルメ」と称し、関西を中心に、お財布に優しいグルメ情報を自らが編集した動画で発信している。過去にはラジオの冠番組で食レポにも挑戦し、“グルメアイドル”道を邁進中。

2025年3月時点でNMB48からの卒業を発表しており、“グルメタレント”としての一歩を踏み出そうとしている彼女が、大阪のパン店で見つけた“んーーまい!”ひと品を紹介する本連載。今回は、老若男女が信頼を寄せる、九条の「PIN・PON・PAN」(ピン・ポン・パン)の人気の秘密を探る!

九条にある「PIN・PON・PAN」へ!老若男女に愛される、まさに“町のパン屋”


謎の営業時間は“長時間営業”のためだった!

「PIN・PON・PAN」は、実は 「HATSUTATSU 天六店」の取材時 にゆいなちゃんが話題に出していた、「営業時間が不規則で、以前行ったときには閉まっていた」という店。「来てみたかったんですよ~!」と念願の訪問を喜ぶゆいなちゃんを、シェフの皆川裕さんが出迎えてくれた。

【写真】念願のお店にリベンジを果たすゆいなちゃん


まずは、ゆいなちゃんのみならず、多くの人が気になっているであろう営業時間について聞いてみることに。さまざまなレビューサイトで「いつ開いているんだ?」と、たびたび書き込みが行われている。

「基本的に7時~14時、18時~24時です。パン屋には珍しい営業形態だと思いますが、14時~18時は“仕込み休憩”ということで一度閉めさせてもらっています」と皆川さん。どうやら、ゆいなちゃんはこの間に訪れていたようだ。休みについては、「定休日はありませんが、月曜の夜から火曜のお昼までは、メンテナンスで閉めています。火曜の夜から再開しています」とのこと。

シェフの皆川裕さん


営業時間が長いうえに、閉店している時間も“仕込み休憩”という事実に、「いつ休んでいるんですか?」と心配そうに尋ねるゆいなちゃん。「夜は休んでいますよ!」という皆川さんに、「仕込みとかあるんですよね…朝の分はどうしているんですか?」と質問が止まらない。

「閉店は24時で設定していますが、早く閉めることもあります。昨日は3時くらいまで準備して、そこから夜食を食べて4時に寝て、2時間ぐらい睡眠をとったあと、6時に厨房に入りました。お昼は大体13時~14時に目途がつくから、昼食を食べて買い物をして、17時から1時間くらい寝ています」と、なんでもないように答える皆川さん。心配でたまらなくなったゆいなちゃんから、2回目の「いつ休んでるんですか!?」がぶつけられていた。


一番多くパンがそろっているのは、10時ごろだそう。中休み後の18時も、夜の商品が焼き上がっていくのでさまざまな種類が並ぶという。

「いっぺんにいろいろな種類を焼くのではなく順番に焼き上げているので、バリエーションが全種そろうことはないんです」と話す皆川さんに「じゃあ、昼と夜でけっこうメニューが違うんですか?」と質問すると、「朝はハード系や総菜系、サンドイッチなど、朝ご飯に食べるような商品を多く置いています」と答えてくれた。この日の撮影は10時から。「たしかに、朝ご飯っぽい!食べたくなりました」と、ゆいなちゃんもうっとり。

「夜も総菜系は出るけど、働いている人が帰りに翌日の朝ご飯を買うことが多いんですよ。だから、朝に食べられる甘い系の菓子パンやデニッシュなどを置いています」とのこと。ちなみに、パンの種類の数は不明だそうで、「随時40~50種は出ています」と教えてくれた。

ゆいなちゃんの「期間限定の商品はありますか?」という問いには、「寒い時期には甘いチョコレート系を多くするなど、季節ごとに変えています。種類が増えても、それぞれのパンにファンがついているから、どの商品もやめようにもやめられないんです」。

「たしかに、お客さんを見ていると、入ってきた瞬間から買うものが決まっている人が多いですね!」と、ゆいなちゃんも納得した顔で頷いていた。

コンパクトな店内だが、ひっきりなしにお客さんがやってくるほど人気。みんな譲り合って来店していた


材料、味、食感…こだわりを詰めた定番パン

ここからは、皆川さんおすすめのパンをご紹介!

大ぶりのパンが多く、食欲をそそる


「メロンパン」(95円)は、生地の半量にバターを使っているという贅沢仕様。「バターは北海道産、『よつ葉』のものを使っています」と、お手ごろ価格ながら素材にも妥協しない姿勢に脱帽だ。「大きさもしっかりあってすごい!」とゆいなちゃんも驚いていた。

「メロンパン」(95円)。シンプルながらバターの風味豊か


ゆいなちゃんが「気になる~」と言っていた「塩バターパン」(88円)にも、「よつ葉バター」を使用。「生地の中にも入れているし、外側にも塗っています」と皆川さん。

「塩バターパン」(88円)。ころんとしたフォルムについ手が伸びる


「クリームパン」(110円)のクリームも、自家製というこだわりよう。「牛乳から炊いています。『よつ葉』の濃縮乳を使っていてしっかり濃厚ですが、甘さは控えめです」とのこと。

「クリームパン」(110円)。自家製クリームがたっぷり!


驚きの大きさを誇る「クロワッサン」も、88円という安さにびっくり。「明治の、北海道産シートバターをたっぷり織り込んでいます。味はもちろん食感にもこだわっていて、外側はカリッと、中はふわっと。折りは3つ折り3回です」。「27層かな…?」と言っていたゆいなちゃんの予想が的中!うれしそうに頬張って、「中ふわふわ、バターの香りがすごい!」とご満悦の様子。顔より大きい!?サイズ感にも大興奮だった。

「クロワッサン」(88円)。思わず二度見してしまう価格とサイズ

ビッグサイズのクロワッサンに満面の笑み!


「サイの目チーズフランス」(170円)も大迫力。「中にサイの目状のチーズを入れている、ハード系のパンです」。こちらもボリュームたっぷりで、ゴロゴロと詰まったチーズによって満足感の高いひと品になっている。「これも大きい!小麦とバターのいい香りがします。めちゃくちゃおいしい!」と、最高の笑顔を見せるゆいなちゃんだった。

「サイの目チーズフランス」(170円)。チーズがゴロゴロ入っていて満足度高め

こちらも顔ほどのサイズ感。噛み応えのある生地もやみつきに


“売り切ること”が商売の秘訣?

2004年にオープンした同店は、2024年に開店20周年を迎えた。「今年21年目に入りました。『ちょっと大人になったかな、やっと一人前かな』って思っています。業界ではまだまだ新参者ですが(笑)」と話す皆川さん。自分の店を持つまでは、ショッピングセンターなどに入っているパン店などで働いてきたそう。

「そういう(ショッピングセンターに入っている)お店って、リーズナブルに提供しているんですよね」という皆川さんに、「このお店も、どうしてこんなにリーズナブルにできているんですか?」と興味津々のゆいなちゃん。店内には100円を切るパンが多く並び、何度もその安さを確認してしまうようなお得感も魅力となっている。

皆川さんは、「自分が買う立場なら、安くておいしいのが一番。洒落たお店にはまた別のよさがありますが、うちは“町のパン屋”だから、なるべく毎日買いに来ていただきたい、なるべく安く提供したいんです。“町のパン屋”って少なくなってきたと思っていて。今は急に材料が高騰して、みんな四苦八苦している。うちも少し値段を上げさせていただいているけど、正直追いつかないですね」と語る。物価の高騰により、やむを得ず2024年ごろから5~10円の値上げに踏み切ったそう。「それでこの価格なんですか!?」とゆいなちゃんも驚いていた。


続けて、皆川さんはパン店の現状を教えてくれた。「パン屋さんの材料って、油脂やバターなど、輸入ものも多いんですよ。クルミをはじめとしたナッツ類やレーズンは仕入れ値が倍くらいになったんですが、だからって商品価格を倍にするわけにはいかない。お店のほうで努力して、値段を抑えているんです。そういう事情もあって、うちは“売り切ること”が、採算を合わせるための条件になっています」

「ほかのパン屋さんって、売れ残る分も考えて価格を設定していると思うんです。一般的には材料費の4倍くらい、ケーキ屋さんなら5倍くらいで売らないと採算が合わないという、固定観念がある。でも、『回転寿司の材料費は半分くらい』と聞いたことがあって、『(パンでも)同じことができるのでは?』と考えました。実際に、ずっとそのスタイルで経営しています。無理があったら20年もやれてないですよ(笑)。それが“町のパン屋”としてみんなに還元するというか、このお店では地域の方に限定されますが、恩返しになるんじゃないかと。60歳を超えているので、国や学校にたくさんお世話になった感謝を、できるかぎり返していけたらいいなと思っています」


新潟出身、大阪で旧・日本調理師学校に通い、19歳から40年以上パン職人としての道を歩いてきた皆川さん。「20年間あちこちで修業しましたが、変わらず、20代のときの配合でパンを作っています。今は修業期間が短い人も多いですが、そうするとパン作り以外の、商売の面についてわからないこともあると思うんです。私は若いときに販売から入っているので、パンの売り方もみっちり教えてもらって、今こうしてやれています。イズミヤやダイエー、ジャスコで働いてきましたが、ああいうお店は夕方も商品が少なくならないよう、最後まで種類を並べるようにしているんです。それを売り切るために、閉店前に20%引きなどを実施していますよね。そういう販売方法を見てきたから、うちもやっています」と、話題は同店でも人気のセールの話に。

「もちろん日中にある程度は売れるけど、完売させるために、夕方の開店時間18時にはそれまでに売れていない500円相当ぐらいの商品を袋に詰めて250円で売っています。ほとんど材料費のようなものです。そうして売り切ることで、採算が合うんです。廃棄処分はしないよう、いわゆる“SDGs”を昔からやっているんですね(笑)。もちろんその時間に焼きたての商品もあります。ずっと次の商品を作り続けているから、ストップがかけられない。店が狭いから、パンを並べる場所がなくなってしまう。そうなる前にスムーズに売り切るよう、セールをしています」

「ずっと準備で動き回っているんです(笑)。ほとんど夫婦で作っています」という皆川さんの話どおり、取材中も、奥さんは休むことなく手を動かしていた。


毎日買いやすい価格設定ながら、その売り上げから毎月寄付もしているのだとか。「『この街以外にも恩返しをしよう』と思って、50歳くらいから始めました。マンスリーでしているユニセフと日本赤十字社からは、10年表彰をいただきましたね。あしなが(育英会)にも少し。すべてお小遣いの範囲内ですけど…。大きい団体に寄付したら、災害など万が一のときに役に立てるかなと思って」

「あくまでもお小遣いの範囲内で」を強調する皆川さんの献身的な行動に、「すごい…」と感動しきりのゆいなちゃん。10年表彰の表彰状も見せてもらい、「素敵。私もこんな大人になれるようにがんばります」と決意を新たにしたようだった。続けて、「テレビでもユニセフのCMが流れているじゃないですか。それを見て、寄付を始めようと思って」という皆川さんに、「CMを見ることはあっても、それをやるかやらないかってことだと思います。行動に移すことがすごいです!」と熱く感動を伝えていた。


最後はお楽しみのお買い物タイム。「『あんパンのスイートポテト』と『コーンマヨ』は絶対食べたい。『バターロール』が4つで120円!?安すぎる!『みかんあん』も気になります~」と、目移りしながらたっぷり購入した。「あんこ系がいろいろある!」と言うゆいなちゃんに、皆川さんが「ミカンやモモ、梅あんなど、季節に応じて出しています。大阪の企業である茜丸さんのあんこを使っています」と教えてくれた。

終始ニコニコでパンを選んでいた

撮影時は毎回「どれがいいですかね?」と聞いてくれるゆいなちゃん。スタッフは「食べたいやつ全部買っちゃえ!」と返すのみ

種類豊富なあんパンの中でも、ゆいなちゃんチョイスは「スイートポテト」(73円)

大きな「明太子チーズフランス」(170円)は「マネージャーさん用です!」


合計金額の安さにまたまた驚きつつ、「気になっていた営業時間の謎が解けましたよ!」とうれしそうにマネージャーに報告し、スッキリした顔で店を後にしたゆいなちゃん。次はどんなパンやお店との出合いが待っているのだろうか?

かわいらしいデザインのショッパーを持ってるんるんのゆいなちゃん


取材・文=上田芽依
撮影=福羅広幸

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