コーヒーで旅する日本/関西編|日本で出合った衝撃の一杯の記憶を胸に。韓国から海を渡ったコーヒーラバーの挑戦。「Oliver Coffee Roasters」
東京ウォーカー(全国版)
今も記憶に鮮やかな原体験を胸に新たな挑戦へ

店の立地は、商店街、会社、住宅街が入り混じるエリアとあって、客層は幅広い。今まで近隣にロースターがなかったという事情もあり、年配のお客や子ども連れのファミリーも少なくない。「開店してしばらくは、ティラミス目当ての方が多かったですが、今はここを目指して来てくださる人は増えてきました」という金さん。その中には、関西の人気コーヒーショップのスタッフの姿もよく見られ、金さんがこれまでに広げてきた同業のつながりを示している。
開店から1年が過ぎたが、「先々のことは、毎日のように考えている」という金さん。さらなるスキルアップを目指し、2026年には、KCRC(コリアコーヒー ロースティング チャンピオンシップ)への出場も予定している。「やっぱり、抽出より焙煎が好きですね。今は科学的なアプローチで、デジタル管理できますけど、ランブルをはじめ日本の喫茶店や自家焙煎コーヒーの老舗がやってきた、感覚的なやり方も大事だと思っています」と、先人へ敬意を抱きつつ、自身の技術を磨くことに余念がない。今後は豆の卸にも力を入れていきたいという。

「今の焙煎機は1キロだけど、5キロ、10キロと大きくしていきたいと、妻とはよく話しています。先々、大阪のロースターと言えば必ず名の上がる店にしていくことが目標。そのために、もっと仕事のクオリティを上げていかないと。お客さんにはスペシャルティコーヒーを体験してもらって、魅力を伝えたいですが、まずは好きなものを好きなように楽しんでもらえれば」
持ち前の探求心で、今も各地のコーヒー店を訪ね、弛まず研鑽を重ねる金さん。初めて日本に来て以来、東京には延べ10回ほど行っているそうだが、実はカフェ・ド・ランブルには、あえて再訪しないことにしているとか。「今、飲んだら、最初に味わったときと同じ気持ちにならないかもしれないから。当時、感じたショックを、そのまま持ち続けたいので」。これからも続く金さんのチャレンジの原点には、忘れられない体験が鮮やかに刻まれている。

金さんレコメンドのコーヒーショップは「depe coffee shop」
次回、紹介するのは、大阪市旭区の「depe coffee shop」。
「店主・日比さんが、2024年の夏にオープンしたばかりの新しいお店です。GLITCH COFFEEでの修業経験を活かして、フルーティーなコーヒーを主役にした個性がしっかりわかりやすい豆のセレクトで、時にインパクトのある風味に出合えるのも楽しみ。プレゼンがとても上手なので、初めて訪れる方でも安心です。まだ若いですが、お店のカラーを打ち出して、努力を重ねている姿を見て、同業者として応援したい一軒です」(金さん)
【Oliver Coffee Roastersのコーヒーデータ】
●焙煎機/プロバット 1キロ(半熱風式)
●抽出/ハンドドリップ(テイスターズコーヒー)、エスプレッソマシン(ラ・マルゾッコ)
●焙煎度合い/浅~中煎り
●テイクアウト/ あり(650円~)
●豆の販売/シングルオリジン10種。100グラム1400円~
取材・文/田中慶一
撮影/直江泰治
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