オダギリジョー「挑戦的なことができる強さを持っている人だと思う」“映画的”だったある共演者との芝居とは

東京ウォーカー(全国版)

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撮影=三橋優美子

コロナ禍がきっかけで「現実を忘れるぐらいバカバカしい作品を作ってみたいと思った」

――今回「あくまで玉田監督の補佐的な立場を守りつつ、隠し味程度に自分の経験値を注ぎ込めた」とコメントしてらっしゃいましたが、どんなところに一番ご自身の経験値を注ぎ込めたと感じてらっしゃいますか?

【オダギリジョー】自分の監督作品では、編集や音作業、すべて自分がまとめ上げます。実は、仕上げ作業が一番得意とするところなんです。クランクインする前はシナハンやロケハンといった準備を手伝い、インしてからは治を演じること、つまり俳優としての仕事を重要視しつつ、現場で玉田さんが心地よく居られるような雰囲気作りに努めました。

そしてクランクアップ後は編集作業などに参加して、細かい修正のお手伝いをさせていただきました。そんな中でも、僕の経験値を一番注ぎ込めたのは音作業だと思います。劇場の5.1chを最大限に活かした音作りをしているので、なるべく劇場で観ていただきたいですね。

――話は変わりますが、オダギリさんが監督を務めた『ある船頭の話』でインタビューさせていただいた際に、「エンタメに寄せた作品を撮る可能性は?」という質問に対して「自分にはエンターテインメント映画を作る能力はないので、そういったものを得意とする監督が撮られたほうがよいと思います」と答えてらっしゃいました。そのあとドラマ『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』というエンタメ性に溢れた楽しい作品を発表されましたが、何か心境の変化があったのでしょうか?

【オダギリジョー】きっかけはコロナ禍でした。映画やドラマといった娯楽は当時一番に必要ないものとされて、それは自分にとって存在価値を否定されるようなショッキングな出来事だったんです。ただ、不要不急の生活の中、家に閉じこもった日々の中でエンタメ作品はその希望となり得るはずだと感じたんですよね。

以前はエンタメ作品なんて興味がなく、あまり触れてこなかったのですが、“コロナ禍だからこそ現実を忘れるぐらいバカバカしい作品を作ってみたい”と思ったのがきっかけで『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』の制作に至りました。

――最近ご覧になった中で“これはエンタメ作品だな”と感じた映画やドラマがあれば教えていただけますか?

【オダギリジョー】アメリカのアンダーグラウンド・コミックを代表する漫画家でイラストレーターのロバート・クラムのドキュメンタリー映画『クラム』がおもしろかったです。

社会的なメッセージを込めた漫画やイラスト、毒のある政治的な風刺作品を多く描いた人なのですが、映画では「現代人は何のコンセプトもない。あらゆるものが金儲けの道具だ」と発言をする彼の姿も含めて、資本主義の根本と未来を、同時に語っているようで。正にアーティスト!と叫びたくなるエンタメ作品でしたね。

撮影=三橋優美子

映画『夏の砂の上』メイン写真(C) 2025映画『夏の砂の上』製作委員会


取材・文=奥村百恵

◆スタイリスト:西村哲也
◆ヘアメイク:砂原由弥

(C) 2025映画『夏の砂の上』製作委員会

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