日本初開催「レッドブル・クラッシュドアイス」って?

北海道ウォーカー

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編集部に届いた1通のリリース。そこには、屈強な男たちがスケートをする様子の写真が。スティックこそないが、全身の格好はフル装備したアイスホッケー選手そのもの。特設コースの氷の斜面を、我先にと必至の形相で滑り降りている。

「なんじゃコレ!?」

この正体は、「レッドブル・クラッシュドアイス」。アイスホッケー、ダウンヒル・スキー、スノーボードクロスの要素を取り入れた、2000年に誕生したという新しいウィンタースポーツだ。アイスホッケーのプロテクターを装着し、全長約300〜550m、高低差約50〜60mの氷のコースを滑り降りる。1レースは4名ずつで行われ、ヘアピンカーブやバンクコーナー、ジャンプなどの障害物をかわしながらゴールを目指すタイムレースだ。平たく言うと、スノーボードクロスや、今回のバンクーバー冬季五輪から採用されたスキークロスのアイススケート版といったところ。

欧米では徐々に知名度を上げており、この3月にはカナダにて初の世界選手権の開催が決定。その日本予選が2/14に札幌市の真駒内セキスイハイムアイスアリーナで行われるというのだ。

日本予選では、アイスホッケーのリンク内に障害物を設置したコースで実施。一般参加で集まった参加者たちが、右回り、左回りのコースをそれぞれ1回ずつ滑り、どちらかのベストタイムで順位を競う。1位になった男女各1名が、3月の世界選手権への出場権を獲得するのだ。

当日は、昨年カナダの同地で行われた大会に参加し見事予選を突破した実績を持つ、愛知県出身の猿渡亮選手を含めた男性37名、女性6名の挑戦者たちが真駒内の地に集結。「小学校の卒業記念に」と、釧路市から参加した最年少12歳(!)の女の子の姿も。

さて、メディア・レースで実走体験した筆者の感想も含めて、コースの詳細を。写真と併せてご覧いただきたい。

まず号砲とともにアーチの下をスタート。最初に訪れる障害は「ストマック・スライド」。2つのパイロンの間を腹ばいになって滑り抜ける。スピードに乗ったまま進入するので、起き上がる時が非常に難しい。

起き上がったあとに待ち受けるは「トライアングル・ウェッジ」。三角形の、高さ約50cmの障害上を飛び越えるのだが、それが案外高く感じられ、微妙に恐怖心を煽る。

小回りで遠心力のかかるターンを折り返し、再びトライアングル・ウェッジをジャンプした後、その場で1回転する「360°ピボット」を経てようやくゴールとなる。ちなみに、障害物に衝突したり、逆走など違反行為があった場合は失格、ノータイムとなる。

案外簡単に思われるが、これが意外と難しい。というか、キツい! 筆者は念のため、ケガ防止とぶっつけ本番での不測の事態(=へっぴり腰、転倒などの恥ずかしい思い)の回避を目的に、前日にスケート場で秘密特訓(1時間)を敢行したのだが、腰は引けるわ、滑走中に見事に転ぶわで、2本滑走後には足はフラフラ、汗ダクダク。日ごろの運動不足がたたり、ゴールできただけでも御の字。ベストタイムは2本目の31秒だった。

参加者ほとんどがアイスホッケー経験者。いざ本レースが始まると、さすがにみなさん恐ろしいほどのスピードでコースを駆け抜ける。早っ! 筆者のタイムなど比べ物になりません。当たり前ですが。

普段のホッケーの動きにはない腹ばいやジャンプが出場者を苦しめ、サバイバルレースの様相を呈して白熱した日本予選だったが、みな初めての経験を楽しんでいる様子。

結果は、男子は2本目に13秒44のタイムを叩き出し、昨年の本戦経験者、猿渡選手が1本目にマークした13秒54を逆転した北海道大学大学院生の池下淳選手が、女子は、長野県出身で、現在は苫小牧市のアイスホッケーチームに所属する山本純子選手が、2本目の15秒76のタイムでそれぞれ優勝。3月の世界選手権出場の切符を手にした。

日本代表の栄冠に輝いた池下選手はレース後、「まさか自分が優勝できるとは思ってもいなかった。本戦では、スケートでは経験のない斜面があるので怖さも感じるが、昨年猿渡さんが突破した予選を自分も突破できるようにがんばりたい」とコメント。日本人女子選手として初の出場となる山本選手も「VTRで本戦の盛り上がりを見て、自分も絶対出場したいと思っていました。思い切り滑って、決勝まで行ければと思います」と抱負を語った。

世界選手権は3/20(土)、冬季五輪後の余韻冷めぬカナダのケベック・シティで行われる。将来は五輪競技となるかも!? 日本代表2人の活躍を応援しよう! 【北海道ウォーカー/本間 崇】

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