「京都鉄道博物館」で大人の社会見学!歴史ある列車から扇形車庫まで見どころを紹介
東京ウォーカー(全国版)
歴史を感じる扇形車庫
鉄道ジオラマの出口から、展示スペースやトレインビューのレストランを横目に外に出ると、左手に扇形車庫が見えてくる。

扇形車庫とは、車両を省スペースで収容できる、扇を広げた形をした機関車庫。中央にある転車台は機関車の向きを変えたり、効率的に車庫入れを行うための設備として作られた。京都鉄道博物館の前身である梅小路蒸気機関車館は、もともとこの地で使われていた扇形車庫を文化財として保存しており、それが京都鉄道博物館に受け継がれたのだった。使い込まれた転車台や車庫の壁面を眺めていると、歴史の深さを感じずにはいられない。現在は日本最古の鉄筋コンクリート造りの扇形車庫として国の重要文化財に指定されており、動態保存車両8両を含む20両の蒸気機関車が保存・展示されている。

こうなってくると実際に乗ってみたいと思うのが人間の心理だろう。うれしいことに、保存されている蒸気機関車を実際に使った「SLスチーム号」を開館日に運行している。梅小路公園の外周に沿う往復約1キロの線路を、嵯峨野線や京都線と並走する。こちらは公式サイトで、その日の時刻表とSLスチーム号をけん引する車両が確認できる。
現役時代は日本最古級の木造駅舎だった旧二条駅舎
扇形車庫の近くには、博物館の出口として使われている旧二条駅舎がある。1996年に、二条駅から花園駅間を高架にするにあたって、二条駅舎を残せないかという声が挙がり、移築・復元したのがこの建物だ。1904年に建てられ、現役時代は日本最古の木造駅舎といわれており、京都鉄道株式会社の社屋と駅を兼ねていたり、貴賓室があったりと、資料的価値も非常に高い。

現在の旧二条駅舎には、ミュージアムショップと蒸気機関車に関する展示スペースが設けられている。そのなかで気になったのが、お召列車の装飾の展示だ。お召列車とは、皇室用の臨時列車のこと。話を聞くと、扇形車庫には実際に使われていたお召列車が展示されているというではないか。せっかくなので車庫に戻ってお召列車も見せてもらった。昭和初期に登場したC51形239号機で昭和天皇の行幸に利用されたという。金色の菊紋と鳳凰の装飾がほどこされており、独特の雰囲気を醸し出していた。

このように、今回の見学では気づけなかった見どころがまだまだありそうだ。また、全国のJRの線路とつながっている引き込み線を通して本館内で現役車両を特別展示したり、期間限定の企画展を開催したりと、博物館の内容が頻繁に更新されている。子どもではなくとも、何度もリピートしたくなる博物館だった。
施設情報
京都鉄道博物館
住所:京都市下京区観喜寺町
アクセス:JR嵯峨野線「梅小路京都西駅」下車、徒歩約2分
駐車場:なし
営業時間:10時~17時 ※入館は16時30分まで
定休日:毎週水曜日・年末年始(12月30日〜1月1日)ほか ※学休期間は開館
料金:一般1500円、大学生・高校生1300円、中学生・小学生500円、幼児(3歳以上)200円
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取材・文=レックス 二宮大輔
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