コーヒーで旅する日本/九州編|自分で決めたゴールに向けて動いたからこそ。「GARAGE COFFEE」が宮崎に生む新しいコーヒーカルチャー
東京ウォーカー(全国版)
全国的に盛り上がりを見せるコーヒーシーン。飲食店という枠を超え、さまざまなライフスタイルやカルチャーと溶け合っている。なかでも九州・山口はトップクラスのロースターやバリスタが存在し、コーヒーカルチャーの進化が顕著だ。そんな九州・山口で注目のショップを紹介する当連載。店主や店長たちが気になる店へと数珠つなぎで回を重ねていく。

九州編の第122回は宮崎県宮崎市にある「GARAGE COFFEE」。高校卒業後にサラリーマンとして働き、退職後に足を運んだ南米への一人旅が人生の大きな転機となった。最終目的地だったコロンビアで、コーヒー農園に併設する宿に泊まり、生産の源流に触れたのが店主・杉田大地さんのコーヒーの入口。シンプルに「おもしろい世界。もっと知りたい、深めたい」という思いを抱き、その気持ちを今も持ち続けている。「GARAGE COFFEE」が提案する、とことんカジュアルに楽しむコーヒーとは。

Profile|杉田大地(すぎた・だいち)
宮崎県佐土原町出身。高校卒業後、交通インフラ系の企業に就職するも、自身が本当にやりたいことを見つけるために退職し、中南米をバックパッカーで旅する。コーヒーが育まれる環境を目にし、コーヒーに興味を抱く。帰国後、スペシャルティコーヒー専門店に勤務し、最終的に警固(福岡県)のSHIROUZU COFFEE ROASTERでバリスタとしての技術を磨く。2017年に「GARAGE COFFEE」を開業。2024年6月に2店舗目となる「GARAGE COFFEE ROASTERY」をオープン。
思い立ったら実行、しかもスピーディーに

店主の杉田大地さんはもともとサラリーマンで、コーヒーは仕事の合間の休憩に飲む程度。何か一つのことをとことん追求する性格ではないが、興味のアンテナが向けば即行動するフットワークの軽さが杉田さんの強みだ。南米一人旅を終え、帰国した杉田さんは持ち前の行動力をすぐに活かし、コーヒーの世界に足を踏み入れた。最初は関東を中心に店舗を展開し、スペシャルティコーヒーの先駆として全国的に知られる名店へ。

「当時は全くコーヒーの知識がなくて、どんなお店が有名なのかさえ知りませんでした。ただ、働くならスペシャルティコーヒーにこだわっている店がよいとは考えていて、そちらのお店が関東でしたが求人を出していたんです。そのとき、福岡に住んでいたのですが、コーヒー業界で働けるチャンスがあるなら、と思い応募し、関東に移り住みました」と杉田さん。

自身が働いてみたい環境があるから福岡から関東へ。そのエピソードを聞いて、まず行動力に驚かされた。右も左もわからずとも、まずは動いてみる。杉田さんは意識せずにそれを実行し、さまざまなチャンスをつかんでいる印象だ。
関東で働いた期間は長くなかったものの、コーヒーの世界を知り、触れるには最適だったと振り返る。そこから福岡のスペシャルティコーヒーの有名店の門を叩き、さらに知識・技術を磨いた。

環境を変えることをいとわず、フットワーク軽くさまざまなことにチャレンジをする気質の杉田さん。ややもすると、行き当たりばったりとも捉えられがちだが、コーヒーの世界に飛び込んだときから、決めていたことがあったという。
「コーヒーで生きていくなら、必ず自分の店を出そうと最初から考えていました。自分で決めていたのが30歳までに独立・開業することで、それを逆算すると、計画的にスキルアップできる環境で働く必要がありました。僕は1日でも早くエスプレッソマシンでコーヒーを抽出できるようになりたいと思っていて、そのために次に選んだのが、現在、福岡市に店を構えていたSHIROUZU COFFEEでした。もともと個人的によく足を運んでいた店で、ちょうど警固店をオープンするタイミングで求人募集をしていたので、お世話になることに決めました」と杉田さん。

思い立ったら躊躇せずに即行動に移す杉田さんだが、しっかりと5年後、10年後の未来を見据えていたということだ。やはり何をするにしても、一区切りやゴールを設定しておいたほうが頑張れる。杉田さんは自然とそれを実行し、目標達成のためにSHIROUZU COFFEEでバリスタとしての腕を磨いた。
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