こんなの初めて!サウナ室で滝に打たれる!自然に溶け込む「SATOYAMA TERRACE」へ行ってきた
東京ウォーカー(全国版)
千葉県富津市の里山が大きく変化した。グランピングとサウナが楽しめる施設「SATOYAMA TERRACE(サトヤマテラス)」が誕生し、2025年8月8日に日帰りサウナがオープン、8月20日にグランピング宿泊がスタートした。横浜・中華街にある「HARE-TABI SAUNA & INN YOKOHAMA(ハレタビ サウナ)」と同じアミナコレクションが運営し、サウナ王・太田広さんが監修したということで、オープン前から話題になっていた施設。さっそく体験してきた。

緑に囲まれた心地いい自然を体中で味わう

千葉県富津市にある「SATOYAMA TERRACE」は名前の通り、里山を再生させ、守っていくために誕生した。もともと、この土地が持つ水脈と風の通り道を活かし、自然と人が共に息づくようなサウナを目指し完成させた、ここだからこそ、この土地だからこそのサウナ。

メインの施設はグランピング宿泊キャビンとサウナ。グランピングは10棟あり、うち2棟はドッグラン付き。地元食材を使ったBBQや土鍋で炊くご飯などが楽しめ、宿泊者はプラス1100円でチェックイン日の9時~22時、チェックアウト日の9時~12時までサウナも自由に利用できる。サウナは日帰り利用もOKなので、今回は日帰りで体験。事前予約不要で入れる。

敷地内に入ると、広々とした空間とたくさんのととのい椅子が並んでいるのが見える。早くも期待が高まり、ワクワクが止まらない。受付を済ませたら、更衣室へ。ここは男女一緒に利用するサウナなので、水着に着替える。水着は持参かレンタルもでき、タオル(バスタオルとフェイスタオル各1枚)は料金に含まれる。フロントは土足OKだが、更衣室の手前で靴を脱ぐ。屋外エリアでの移動時に履くサンダルは用意されている。




更衣室の手前に靴のロッカーがあり、履いてきた靴はここへ。更衣室はシンプルで、ロッカー、シャワーブース、鏡台がある。うれしいのは水着用の脱水機があること。水着着用のサウナでは帰りの荷物が重くなりがちだが、ここで水分を絞って持ち帰れるのは意外と高ポイント。
サウナ室内に木が生えている!?「山サウナ」


着替えが済んだらいよいよサウナ。サウナ室は少し高台にあるので目の前には里山の風景が広がり、サウナに入る前からとにかくすがすがしい。いい空気をたくさん吸っていると実感できる。この自然を活かしたサウナとはどんなものなのか、「山サウナ」へ。サウナ前の水分補給も忘れずに。ドア横に荷物棚があり、サウナマットが置かれている。棚はサウナハットやタオルなどを置く場所。レンタルタオルはみんな同じものなので、自分のものだとわかるように目印をつける(例えば、ボトルマーカーをタオルの端につける)か、スパバッグなどに入れておくと取り違えせずにすむのでおすすめ。

サウナ室のドアは二重扉。1つ目のドアを開けると床には水が流れていて、自由に使えるフットレストが置かれている。サウナ室内にはマットが敷かれていないのでここで足を冷やして、座るときにはフットレストを使う(使わなくてもいい)。

2つ目のドアを開けるとまず目に入ってくるのは2本の木。樹皮のついた生のケヤキがサウナ室にあるのは、日本ではここだけだそう。土が塗られた壁、窓の外に広がる緑がまぶしい。高低差のあるベンチは、座る場所で細かく高さが異なるカクカクした造りになっていておもしろい。これぞ、山サウナ!

サウナストーブは2台あり、中央ではガラスの中で薪が燃えている。座る場所によって、体感温度もかなり違う。あちこち座ってみて自分の気持ちいい場所を見つけよう。


薪が燃えるのを見ながらじわじわと汗が流れるのを感じる。窓があるからか、室内なのに開放的な雰囲気で爽快。かいている汗までさわやかな気さえしてくる。水着を着ていると、裸でサウナに入るときと比べて熱さの感じ方は違うものの、それでもしっかりと汗が流れてくる。


こちらのサウナはオートロウリュが30分おきに行われる。蒸気が上がると体感温度も上がり、さらに汗をかく。サウナ室を出るタイミングは自分が基準。時計を意識する必要はないので、本来の自分の欲求に従って出ればいい。
気持ちいいの上をいく天然水の冷水浴
サウナ室を出たらすぐ横にあるシャワーで汗を流す。これは水着を着ていても同じだ。しっかり汗を流したら冷水浴へ。


冷水浴は2つあり、1つはこの地にある名水百選にもなっている「滝の不動尊」の水脈である、銘水かけ流しの冷水浴。


地下水ということもあり、肌当たりがなめらかで優しい。天然の温度そのままで、夏でも16~17度と程よい冷たさ。水の違いを全身で感じられるなんて贅沢。

浴槽の上に突き出した木樋を伝って水が流れ落ちる、実際の「滝の不動尊」を模した造りになっている。浴槽は一番深いところで110センチあり、潜りOK。潜る場合は、サウナ後のシャワーでしっかり頭も汗を流して洗っておくのがマナー。流れ落ちてくる水のちょうど真下で、頭の上から水を浴びるのもおすすめ。

ちなみにもう1つの冷水浴は温度調整されていて、夏はキンキンのシングル(ひと桁の温度)に。薬膳効果を考えた野草風呂になっていて、しっかり温まった体をキリッと冷やしてくれる。

この冷水浴は夏場のみ。冬は露天風呂感覚で楽しめる温かいお湯のお風呂になる。外気が冷たくなる時期にこの自然の中でお風呂に入れるのはかなり魅力的。ぜひ、冬にも来なくては、と心に誓う。

開放的な空間で夏場の暑さも手伝い、普段は水風呂が苦手な人も意外と入れてしまうのではないだろうか。とはいえ、無理は禁物。特にシングルは体がびっくりしてしまうので、足元から少しずつかけ水をしながら、ゆっくり試してみよう。どうしても水風呂がダメなら水かぬるめのシャワーで冷ましてもいいが、ここはどうにか銘水の冷水浴にはチャレンジしてほしいところだ。何とも言えない気持ちよさを感じるはず。
山から吹き下ろす風を感じる自然に溶け込む外気浴

冷水浴を満喫したら、ととのい椅子へ。といっても、ととのいスペースが多く、どこに行くか迷うほど。まずは、裏手の山に向かって置かれたチェアへ。今回の施設を作るために整備したそうで、昔は里山として機能していた場所が手つかずになっていたとのこと。それを昔のように復元。そんな緑を見ながら外気浴ができる。

同じエリアに岩が埋め込まれたような場所があり、ここは直接岩の上に座って岩盤浴のように外気浴が楽しめる。夏場は岩が熱くなっていることもあるので、様子を見ながら自然の中に溶け込もう。

その横のテントには寝具メーカーのマットが並ぶ。身を任せると、体の自然な重みでマットに体がフィットし、心地よく外気浴に浸れる。これは相当ぜいたく。高級マットの上で外気浴、しかも自然の中で身も心も委ねられるとは、まさにご褒美。

さらに、冷水浴のあるテラスの下に並ぶ20台ほどのとといチェアで、里山の風景を眺めながら外気浴ができる。目の前をさえぎるものもなく、時間がゆっくり流れるこの空間がたまらない。これぞ至福。のんびり体を休めよう。

こちらの施設では、休憩エリアからドリンクをオーダーすることができるのも特徴。一般的な温浴施設ではサウナ後にレストランなどでオーダーするようなドリンクを、休憩用のととのいチェアで味わえるのだ。

ドリンクメニューはいろいろあるが、サウナ前に飲みたいのがジンジャーショット。濃厚な生姜のドリンクでピリッとした生姜の辛味も感じられる。サウナの前に飲むことで体の中からポカポカしてくる。もちろん、サウナの途中で飲んでもいい。

サウナの休憩時にオーダーしたいのは、サウナドリンクの定番オロポやキレトマ。「SATOYAMA TERRACE」オリジナルで、ジョッキの縁に塗られた塩がアクセントになっている。汗をかきまくったあとには沁みる。ちなみに九十九里の塩を使っているのだそう。こんな形で千葉の海の恵みをいただけるというのもうれしい。

ドリンクの持ち込みはNGだが、水分補給はマストなので、オーダードリンク以外にも給水機でこまめに水を飲むなど、意識して摂るようにしよう。忘れがちなのがサウナの前の水分補給。これからかく汗の分を先に摂っておくクセをつけよう。
本気の滝が流れる!いよいよサウナ室で滝業体験!

いろいろ一気に見てきたが、いよいよ個人的に一番楽しみにしていた「滝サウナ」へ。事前情報として見た、サウナ室内で滝に打たれる人の映像は衝撃的で、脳が理解するのにちょっと時間がかかった。これは本当にサウナの中なのか?サウナの中って水を流していいの??だとして、この量ってアリ???と、ただただ「?」が並んだのがこの「滝サウナ」。

さっそく中に入ってみる。こちらも二重扉。足元には小川さながらの水が流れている。しかもけっこう冷たい。足を洗う目的というより、マットを敷いていない板面が熱くなっているため、ここで足を冷やすのだという。
入口近くに大きなサウナストーブがあり、15分に1回オートロウリュが行われる。冷たい水が床に流れているにも関わらず、サウナ室内はしっかりと熱い。何だか不思議な感覚だ。

奥に入ると入口とは違った岩の壁が!したたり落ちる程度に水が流れているそこには、確実に座る場所だよねという、岩がある。通常の板のひな壇もあり、まずはここに座って汗をかく。

しばらくすると例の岩場の上から落ちる水に異変が!水量が増え、流れる音が変わり、あっという間に滝になった!!!予想以上の水量にちょっとひるんでしまったが、すかさず滝の下に座って、頭から水を浴びる。けっこうな勢い!すごい、何これ!気持ちいい!楽しい!!

これがサウナ室の滝!体が温まって、熱いと感じていたところで、脳天から水を浴びる。こんな経験はなかなかない。そもそもサウナ室内で水といえば、サウナストーンにかけるもの。たまに水を頭にかけてくれるイベントをやっていることもあるが、「滝サウナ」は水量も勢いも尋常じゃない!最高すぎる!!

滝が流れるのは、毎時00分と30分の2回。入ってすぐ滝を浴びるのではなく、体がある程度温まってからがおすすめなので、自分のペースを考えつつ「滝サウナ」に入るタイミングを合わせよう。

このサウナ室に入っている人たちはみんな滝が目当てと言ってもいい。滝が流れる時間は約40秒なので、順番に譲り合いながら体験しよう。同じ滝を浴びたいと心待ちにする仲間。妙な一体感があって、初めましての人同士に不思議な連帯感が生まれるのも、なんだか楽しい体験だ。

とはいえ、1回の滝の流れる時間には限りがあるので、人が多いと体験できないことも。その場合は30分後に再トライを。逆に自分が体験できた場合は、次回は体験できなかった人を優先する心遣いは持ちたい。
滝を浴びると一番熱いと感じていた頭や顔が冷やされるので、普段よりももう少し長くサウナ室に入っていられる。しかし、ここは無理をしないように、適時外に出て冷水浴へ。ちなみにしっかり熱いサウナなので滝を浴びられなくても、サウナそのものを楽しむのもいい。
「滝サウナ」と「山サウナ」、2つの銘水冷水浴、そして、自然を体全部で感じられる外気浴。どれをとってもここにしかない“自然体験”だ。来てよかった。いや、来ないなんてもったいなさすぎる。サウナ好きでも初心者でも、里山の魅力を感じる体験は唯一無二。



サウナ後はフロントでアフターサウナドリンクや軽食のオーダーもOK。サ飯としてオーダーできるのは、漬けマグロと千葉県産の大和芋、山形の郷土料理だしを合わせた三食丼「海丼」(1650円)と、豚バラ肉の角煮と煮卵をのせた「山丼」(1650円)。サウナ後のご飯ってどうしてこうもおいしいのか。自然の中で食べるとさらにおいしさマシマシになる。

サウナ施設もアウトドアサウナもいろいろあるが、これまで見てきたどことも違う、ここでしか味わえない魅力が詰まった「SATOYAMA TERRACE」。木々や葉が揺れる音、鳥や虫の声、風の音、広がる緑や花々、季節ごとに表情を変える里山の中で、日常を離れてサウナを楽しむ。深呼吸してきれいな空気を体に取り入れてリフレッシュしよう。
取材・文=岡部礼子
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