国立西洋美術館はみんなに開かれた場へ!新しい親子のアート体験「にぎやかサタデー」レポート&今後の企画展を紹介
東京ウォーカー(全国版)
美術館は静かに鑑賞する場所、そんなイメージをやわらかく覆す一日があった。2025年8月23日(土)に国立西洋美術館で開かれた「にぎやかサタデー」は、気兼ねなく会話をしながら美術鑑賞を楽しめる特別な日。常設展は無料開放され、ベビーカー置き場やキッズスペース付き休憩エリア、赤ちゃん休憩室も整えられていた。子ども連れもご年配も肩の力を抜いて過ごせる、あたたかな空気に包まれていた。今回は、そんな取り組みがどんな思いで始まり、これからの美術館にどうつながるのか、担当者に話を聞いた。

ここがポイント!「にぎやかサタデー」の特別な体験
「にぎやかサタデー」は2023年にスタートし、今回で3回目を迎えたプログラム。子どもからご年配まで、幅広い世代がわいわいと会話しながら作品を楽しみ、それぞれの鑑賞スタイルでゆったり過ごせる一日になった。常設展を無料で見られるのも大きな魅力。当日は館内の数カ所にベビーカー置き場を設け、キッズスペース付きの休憩エリアや乳幼児連れ向けの赤ちゃん休憩室も準備されていた。普段は「美術館では静かにしなくては」と緊張してしまう人や、「子どもや高齢の親とは行きづらい」と感じる人にも安心して過ごせる工夫が随所にあった。美術館をもっと身近に感じてほしいという願いが込められ、この日は館内全体がやわらぎ、親しみやすい雰囲気が自然に広がっていた。



作品の細部まで注目しよう!お楽しみ企画「この作品をさがしに行こう!」
常設展の特別企画として登場した「この作品をさがしに行こう!」は、小さな子どもから大人までを夢中にさせていた。受付で配布された、作品の一部をあしらったポストカードを手に展示室をきょろきょろ歩き回り、モネやルノワールの名画の中から同じ部分を探す。見つけた瞬間に「あ、ここだ!」と声が弾み、「ここにあったね〜」とやさしく話しかけると、子どもはうれしそうに頷き自然と笑顔になった。いつもは静かな展示室が、この日ばかりはわいわいとした空気で満たされ、名作をゲーム感覚で追いかける楽しさが自然な会話を次々と引き出していた。

国立西洋美術館が題材!絵本『森のはずれの美術館の話』朗読会
新作絵本『森のはずれの美術館の話』(文:梨木香歩、絵:ゲオルグ・ハレンスレーベン)の朗読会も、この日だけの特別企画として行われた。物語は、美術館で母親とはぐれた男の子が、あひるの親子や不思議な少女、そして老人との出会いを通じて絵画の世界を旅し、自分にとって大切なものを見つけていくという内容。イラストを手がけたゲオルグ・ハレンスレーベンは「リサとガスパール」の作者としても知られ、やわらかでかわいらしい絵柄が魅力。会場では、お母さんやお父さんが手渡された絵本をめくりながら子どもと一緒にページを追い、語り手のやさしい声に子どもたちは夢中で耳を傾けていた。読み終わると「この絵本に出てきた作品はどこだろうね?」と親子で展示室を探す姿があちこちで見られ、絵本の世界と展示が重なり合い、やさしい時間が流れていた。



素描の世界を満喫!「素描でビンゴ」
企画展「スウェーデン国立美術館 素描コレクション展 ―ルネサンスからバロックまで」では、この日限定で、展示作品の一部分を並べた「素描でビンゴ」が行われた。作品の細部をヒントにマスを埋めていく仕組みで、参加者はカードを片手に首をかしげたり、「これかな?」「いや違うかも」と声を掛け合ったりしながら挑戦していた。カードと展示を見比べているうちに、少しずつ絵のおもしろさに気づいていく。夢中でマスを埋めると「あれ、この絵どこにあった?」「やった、ビンゴだ!」と声が上がり、展示室は穏やかであたたかな賑わいに包まれていた。


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