秋の湯河原で“ととのう”おこもり旅。静寂と癒やしに包まれる「ゆがわら風雅」へ

東京ウォーカー(全国版)

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神奈川県・湯河原温泉の高台にある宿「ゆがわら風雅」では、秋の訪れに合わせて、“自分をととのえる”をテーマにした「秋のおこもりプラン」の販売をスタート。抹茶点てやガラスペンで文字をつづったり、静かな空間で心を整える体験が詰まった、大人のための滞在プランとなっている。11月中旬から12月上旬にかけては紅葉も見頃を迎え、館内から色づく山々を望むことができる絶好のシーズン。今回は実際に1泊2日の滞在をし、日々の喧噪やSNSなどもしばし忘れて穏やかに過ごしたひとときを体験レポートする。

静けさと光が調和する客室。何もせず、ただ“ととのう”ための時間が流れる

抹茶点てとガラスペン体験で、秋のおこもり時間を楽しむ


静けさと美意識が息づく、“大人の隠れ宿”

エントランスを抜けた瞬間、外の喧騒がすっと遠のく

湯河原の名湯地に佇む「ゆがわら風雅」。全17室という小さな宿ながら、空間のすみずみにまで“美”と“静けさ”が満ちている。浮世絵をモチーフにしたギャラリーや、静かなライブラリースペースなどが設けられ、古きよき和風旅館の風情を残しつつ、モダンな感性が息づく館内は、まさに“大人のための隠れ宿”と呼ぶにふさわしい。

別館から新館へ通じる廊下には「花鳥風月」をテーマに歌川広重の浮世絵が飾られている


特にカフェ&ライブラリー「牡丹」には、小説から人気のコミックまでノスタルジックに浸ることができる本が1000冊以上収められていて、庭を眺めながら、フリードリンクとともにゆったりと自分好みの時間を過ごすことができる。

チェックインしたあと、ここでのんびり自分時間に浸る人が多いそう。本や漫画は各部屋に持ち込んで読んでもOK

15~17時までのウェルカムサービスでは、さまざまなスイーツやフィンガーフードでおもてなし

クッキーやミニケーキなど、コーヒーや紅茶とともにいただこう

自分だけのだし醤油作りの体験もできる ※1部屋につき1本まで

好みの具材と醤油を選んで瓶詰めに。翌朝の朝食時に完成しただし醤油がもらえる


抹茶とガラスペン。自分と向き合う“秋のおこもりプラン”

客室は和室や和ベッドルーム、温泉露天風呂付きスイートなど、多彩なタイプが用意されている。どの部屋も落ち着いた色調で統一され、窓からは湯河原の自然を望むことができる。テレビを設置しない館内設計も、宿のコンセプト“想いを馳せる時間”を象徴したこだわりのひとつ。情報から少し距離を置き、自分自身と向き合うひとときを過ごせるのが、この宿の最大の魅力である。

温泉半露天風呂付きデラックスルームは80平方メートルの広さ!

伝統的な和の空間に現代的な快適さを取り入れた和ベッドルーム

和室のほかに、ワーキングスペース付きの部屋などもある


今回体験したのは「秋のおこもりプラン」。 “セルフお抹茶体験”と “ガラスペン体験”がセットになった滞在プランだ。

客室には抹茶用の茶碗、茶筅(ちゃせん)、和菓子などの用意があり、自分の好きな時間に茶筅を使って抹茶を点てる抹茶体験ができる。お湯を注ぐ音、茶筅の泡立つ音…。静かな空間に響くそれらの音が、心を整えてくれるよう。

抹茶セットと地元の人気和菓子店のお茶菓子

お茶の点て方についての説明書もあるので、初めてでも安心


もうひとつのガラスペン体験もまた貴重な経験に。普段なかなか使う機会のないガラスペンだが、繊細なペン先から紙へとインクが滑り落ち、滑らかにペンを走らせることができた際には静かな興奮を感じたほど。大切な誰かへのメッセージを書いたり、旅の思い出をしたためたり、集中と癒やしが同居する贅沢なひとときを味わえた。

ガラス製のペン先をインクにつけて筆記するガラスペン。インクもさまざまな色が用意されているのがうれしい

使い方説明書とともに、なぞって楽しめるフォントのお手本も

筆圧をかけず、紙の上を滑らせるようにするとうまく書ける

ミニレターセットを使って、大切な人へメッセージを書いてもいい


テレビのない空間では、読書をする時間や一緒に訪れた仲間との会話も自然と増える。スマホを置いて、ただ過ごす。そんな時間がなんとも心地いい。

2階の「ミニライブラリー」。昔遊びができるおもちゃや本があり、ここで過ごすこともできる

写経コーナーもあり、おこもり滞在には最適


湯と食。五感で感じる“ととのう”時間

ゆがわら風雅の温泉は、湯河原の源泉をかけ流す “美人の湯”。無色透明でとろりとしたお湯に浸かれば、湯上がりはすべすべの肌へ。新設されたジャグジー付きの屋上貸切露天風呂には、湯上がりの余韻をゆったりと味わえるかも!

日本最古の和歌集「万葉集」にも詠まれたほど古い歴史をもつ湯河原の湯

開放感のある露天風呂も人気

屋上にある貸切露天風呂。完全予約制で、1回45分3300円で利用可能


お待ちかねの夕食は、ライブキッチンが楽しい鉄板会席コース。地元・湯河原や伊豆の地産食材、旬の野菜などを主役にした、ジャンルにとらわれない和洋折衷の料理は見た目にも美しく、一皿一皿に料理人の創意工夫が感じられる仕上がり。シェフが目の前で焼き上げる音と香りが、旅の高揚感をさらに高めてくれる。

飾られた調度品と赤壁に和の雅を感じるレストラン

ディナーコースは4種類。写真は、前菜から2種のメイン、デザートまで味わえる雅コース

「畑の皿」「海の皿」「山の皿」各3品で構成された前菜の盛り合わせ。旬の食材を使ったキッシュやマリネなど、目でも舌でも楽しめる9品が並ぶ

国産牛サーロイン肉は、シェフが目の前の鉄板で焼き上げる

一人ひとりに溶岩プレートが用意されているので、好みの焼き加減に仕上げることができる

「きのことベーコンの稲庭うどん」には、トリュフが香るおだしをかけて


「ゆがわらキュイジーヌ~朝の目覚め」と名付けられた朝食も、和洋折衷スタイル。湯河原の豆腐屋さんの厚揚げやだし巻き卵、イタリアの田舎料理まで詰まった12種類の総菜、具だくさんで味噌の風味が香るけんちん汁、そして鉄板で焼き上げる目玉焼きには静岡県産の厚切りベーコン付きと、味もボリュームも文句なし。丁寧に手作りされたひと品ひと品に、心が浄化されていくよう。朝の体に優しく染みていく、まさに“心が整う朝ごはん”だった。

前日に作った自分だけのだし醤油をかけて味わうことができる

「朝ごはんは毎日食べていますか?」というメッセージが添えられた朝食の説明書き。こういった細やかなサービスはなんともうれしい


JR湯河原駅から車で約10分。事前予約で無料送迎もあり、アクセスも良好。中学生未満の子どもの宿泊は不可だが、だからこそ叶う、大人のための空間がここにある。湯河原の自然を眺めながらお茶を点て、筆を走らせ、湯に浸かる。そんな穏やかな時間は、想像以上に贅沢の極みだった。秋の夜長に、毎日頑張る自分へのご褒美、自分と向き合う小さな旅へ。「ゆがわら風雅」は、その舞台としてこれ以上ない場所に違いない。



取材・文・撮影=近藤鈴佳、水島彩恵

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