「吉沢亮がいなければ『国宝』は立ち上がらなかった」監督が明かす映画誕生秘話、横浜流星との“心中”覚悟も告白
東京ウォーカー(全国版)
歌舞伎役者ではない2人が吹替を立てずに挑んだ理由とは?
歌舞伎の世界は、単に芸を引き継いでいくにとどまらず、人間をつないで――無形のものを時代を超えて残していくことに特殊性がある。監督自身、最初に惹かれたのは女形で、『国宝』の原作にも書かれているように、何百年も前から男でも女でもなく、どことなく異形感というか…異質にして希有な存在であり続けていることがおもしろいと感じたという。
「それでいて、ものすごく品位のある色気と言いますか、ハッとさせられる色香を出せる。それは稽古を積み重ねてきたことで身体の中に生まれるものなのかはわかりませんが」
吹替を立てずに本来は歌舞伎役者ではない吉沢亮や横浜流星に挑んでもらったのは、『国宝』という小説をベースにした映画として、まさしく内面的な到達点をめざすことを優先すべきだと思ったからだと監督は語る。
「そこに対する迷いは1ミリもなかったですし、喜久雄が生涯を通じて探し求めている“景色”は、歌舞伎という極めて難しい題材に挑む吉沢亮の視線の先にも見えるのではないか――そんな想いを今は抱いていたりもするんですよね」
15年の構想、“吉沢さんありき”から始まった映画化、横浜さんとの“心中”覚悟のキャスティング――すべてが奇跡的に結実した『国宝』。日本のみならず、世界中の観客をうならせるこの作品を、ぜひ映画館で体感してほしい。
映画『国宝』概要
監督:李相日
脚本:奥寺佐渡子
出演:吉沢亮
横浜流星/高畑充希、寺島しのぶ
森七菜、三浦貴大、見上愛、黒川想矢、越山敬達
永瀬正敏
嶋田久作、宮澤エマ、田中泯
渡辺謙
原作:『国宝』吉田修一著(朝日文庫/朝日新聞出版刊)
配給:東宝
(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画『国宝』製作委員会
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