恋するキタキツネが駈ける美瑛の丘~写真が伝える冬の北海道の魅力~
北海道ウォーカー
富良野・美瑛といえばラベンダー畑だったり花に彩られる丘だったり、夏のスポットという印象をお持ちの方が多いのではないでしょうか。でも、その丘が一面雪に覆われる冬も、自然の素晴らしさを目の当たりにすることができます。

そんな冬の美瑛の魅力をとらえたこの一枚。一面の雪原を優雅に駈ける二匹のキタキツネからは、色とりどりの花などで多くの人を魅了する夏とはまた違った、美瑛の自然の美しさが伝わってきます。
この写真はキタキツネを追いかける写真家・井上浩輝さんによるもの。美瑛にほど近い東川町を拠点に活動しているだけあって、美瑛のキタキツネの写真を多く撮っています。
「この写真を撮った3月は、キタキツネたちの恋の季節なんです。春が近づいた雪原をキタキツネのカップルが追いかけっこを始めたところをとらえました」
美瑛の丘は3月でも雪解けにはまだ早く、雪に覆われた世界が広がっています。じゃれあうような動きと背景の淡いピンク色の空に、見ている方まで幸せな気分になってくる一枚です。

こちらも美瑛で撮られた一枚。一面の銀世界にぽつんとたたずむ一匹のキタキツネの姿はとてもシンプルで、大自然の中を生きる孤独さが伝わってきます。
「キタキツネは道内あちこちで見かけることができますが、カメラで撮ってみると、あまりきれいな背景の写真にならないことが多いんですね。できるだけきれいに撮りたいという気持ちから、彼らの背景がよりシンプルになる瞬間をずっと待って撮影しています」。

札幌出身の井上さんは大学院修了後、北海道で風景写真の撮影をしていたときに偶然見かけた、野を駆けるキタキツネの美しさに魅了され、撮り始めるように。やがて「A Wild Fox Chase」というキタキツネを追った作品群を制作・発表し、米誌「ナショナルジオグラフィック」の『TRAVEL PHOTOGRAPHER OF THE YEAR 2016』のネイチャー部門で、日本人初の1位を獲得するなど、その写真は国内外で高く評価されています。
「美しい光景に生きるキタキツネたちの姿を追いかけるうちに、自然と人間社会の関わりへの疑問を持つようになったんです。このように、キタキツネを通して、人間と動物たちが共生する中で見える美しい光景を追いかけていきたいと考えています」。
一面の銀世界となる冬の美瑛の丘。訪れればもしかしたら、キタキツネが駈ける美しい姿を見られるかもしれませんね。【取材・文 浅野陽子 構成・有本和貴】
浅野陽子
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