横浜中華街の新名物に挑戦する「皇朝」代表取締役社長・陳 祖明氏に、苦難を乗り越える秘訣を聞いた!
横浜ウォーカー
「中国料理世界チャンピオン 皇朝」を手がける「ミック」代表取締役社長・陳 祖明(ちん そめい)氏に横浜中華街と経営の思いを伺ってきた。

この一品ならこの店"という強みをつくっていきたい
「先輩方が作り上げてくださった横浜中華街の発展に、私は途中から加わってまだ期間も短いですが、自らもどんどん貢献していきたいという思いです。横浜中華街は食の街であり、多くの人が訪れる街でもありますよね。おかゆならこのお店、フカヒレならあのお店、茶碗蒸しならこちら、四川料理ならあちらと、このメニューならココ、という強いところが必ずある。これをどんどん強めていきたいんです」と陳社長。
陳さんは1970年に中国福建省で生まれ、1988年に来日。横浜中華街の皿洗いの修業から始めて、料理の技を必死で覚え1992年に独立。その後2004年に肉まんを専門に扱う店を横浜中華街で始めた。これには人脈を広げていく中で、上海で世界チャンピオンに出会えたのが大きかったという。
「肉まんの店は、世界チャンピオンの味と小さめサイズというウリで、2004年7月10日にオープンしました。肉まんは、冬に食べたくなるものですよね。多くの人からなぜ夏のそんな時期に、と言われました。でも私はマーケティング調査を踏まえて、あえてそのタイミングを選んだんです」と陳さん。「従業員たちが仕事に慣れるのに少なくとも3ヶ月から半年の修業が必要と思ったんです。その修業で秋から冬にかけての肉まんのシーズンに、しっかりと実力がついて、自信をもって商品を出せると確信していたんです。そして、私は成功できると信じていました。絶対この良さがわかってもらえる。今は荒波の時期だ。晴れの日が必ずやってくるんだ、と」。

商売と人生は海。人は船
「私は、商売と人生は海みたいなもので、私たちはそこにいる船だと思っています」という陳社長。「海には大波も小波もある。荒れている時も静かな時もある。今は荒れていて大波にのまれていても、それがずっと続くわけではない。必ず小さい波や波が静まる時がやってくる。じっと耐えていれば、絶対に乗り切れるんです」と続ける。陳さんの信じた通り、店は軌道にのるが、その後も肉まんや餃子の風評被害があったり、東日本大震災の際は、中国人のスタッフが帰国してしまったり、苦難の連続だった。「私は厳しい状況が訪れると、励ましてもらっているように感じるんです。頑張れよって。それを乗り切ればそれ以前より成長できるじゃないですか。自分を成長させるため、ピンチはチャンスだと私は思っています」と陳社長は熱く語る。

成功は偶然でない!
「私の尊敬する経営者に、香港最大の企業集団・長江実業グループ創設者兼会長である李 嘉誠(り かせい)氏がいます。李さんも著書の中でも"成功没有偶然(成功は偶然ではない)"と言っています。あちこちから情報を集め、研究を重ね、努力をして、必然を積み重ねるのが成功の秘訣です」。

「観光や春節のようなイベントは、できることはどんどんさせていたただきたいですが、私はこの店なら、このメニューっていう部分を延ばすことに頑張っていきたいですね。要するにその店舗のウリとなるメニューをつくる。たとえば2017年11月には北京ダック専門店「王朝」をオープンしました。それ以外にもまだ言えませんが構想を練っているお店もあります。そういうのがたくさん集まったらすごい力になるじゃないですか。中国に行ってみると、行くたびに新しいメニューが生まれています。それを見るたびに負けていられない、頑張らなければと思いますね」。
そして陳社長がもう一つ好きな言葉にあげたのが「知彼知己百戦不殆(敵を知り己を知れば百戦危うからず)」「“孫子”の中で最も有名な一節ですよね。"成功没有偶然"と"知彼知己百戦不殆"の2つを私は大切に横浜中華街のために頑張っていきたいですね」。
新しい名物の誕生を楽しみに、横浜中華街での訪れてみよう。

【撮影/阿部岳人】
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