繁忙期に帰る上司「ふざけやがって」→信号待ちで目撃した“切ない真実”に「なんか救われる」「これは許す」【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
普段は思わずいらだってしまう上司の言動も、ある瞬間をきっかけに見え方が変わることがある。そんな人間らしい感情の揺れを、わずか4コマで描き切る作品が共感を集めている。X(旧Twitter)で作品を発表している津夏なつな(
@tunatu727
)さんは、「4コマ1000本ノック」と題して日々新作を投稿するクリエイターだ。感動的なオチからブラックユーモアまで幅広い作風で注目を集めている。
「特別な日」が生む感情の変化
2021年9月に活動を開始した津夏さんの作品の中でも、「特別な日」は5.7万件以上の「いいね」を獲得した人気作である。仕事が山積みの中、「悪いんだけど今日は先にあがらせてもらうからな」と上司が電話で告げる。
「ふざけやがって」と部下は車内で不満をこぼすが、信号待ちの最中に見た光景がその気持ちを変える。「まあいいか」とため息まじりにこぼしたその一言が、物語の余韻を引き立てる。
彼が見た光景とは、花束とケーキを抱えた上司の姿。部下の中で感情が静かに変化していく展開に、「なんか救われる」「これは許してしまう」といった声が寄せられている。
未経験からの挑戦と転機
こうした感動系の作品だけでなく、「ボール博士」のようなブラックユーモアや、「命運を分ける1ミリ」といった時事ネタまで、多彩なテーマで4コマを制作している津夏さん。作品はAmazon Kindleインディーズマンガでも公開されており、無料で読むことができる。
創作を始めたきっかけは、「形に残る趣味が欲しい」と思ったことだった。「1000本も描けばきっとおもしろい漫画が描けるようになっているに違いない!」という思いから、毎日の投稿をスタート。それまで漫画制作の経験はなく、まさにゼロからの挑戦だったという。
当初はなかなか反応が得られず、「手探りで描いていた初期の作品はあまりに下手くそなので直視できなくなりました(笑)」と振り返る。
しかし、投稿から約8カ月後、243本目の「ボール博士」が5000件以上の「いいね」を獲得。「この1本がバズったおかげで、急激にたくさんの人に読んでもらえるようになりました」と語るように、ここが大きな転機となった。
「とにかくおもしろく」進化し続ける創作
ネタは仕事中に思いつくことが多いといい、「なかなかいいネタが思いつかないときは、ほかの方が描いた4コマ漫画を読んだりします」と話す。「自分ならどういうオチをつけるかなぁなんて考えながら」構成を練ることで、引き出しを広げている。
1000本ノックも折り返しを過ぎ、「自分のために始めたことでしたが、今はたくさんの人に楽しんでもらいたいという思いの方が強くなりました」と心境の変化を明かす。「とにかくとにかくおもしろい漫画」を目指しつつ、「今まで挑戦したことのないジャンルにも挑戦していきたい」と意欲を見せる。作品数を重ねるごとにステップアップし、より多くの人に届く作品を生み出すことが現在の目標だという。
取材協力:津夏なつな(@tunatu727)
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