古いラジカセが拾ったのはラジオの電波だけじゃない――。短編ホラー「周波数」が“子どもの頃の恐怖”を揺り起こす

東京ウォーカー(全国版)

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スマホ世代にとっては使い方もピンとこない、いつしか懐かしの家電となったラジカセ。ひょんなことから祖父愛用のラジカセを手に入れた少年は、手探りでラジオの周波数を合わせるが――。

自ら合わせたラジオの周波数は、一体何に「合って」しまったのか…生活感ある短編ホラー鳩ヶ森(@hatogamori)


鳩ヶ森(@hatogamori)さんの創作漫画「周波数」は、アナログなラジカセを題材に日常に差し込む恐怖を描いた掌編ホラー。『おままごとはそのまま』や『仮門 消えた少女―10年目の真実』など、プロの漫画家である鳩ヶ森さんは、日常に潜む狂気を描くを得意とする。SNSに発表した「周波数」は、ラジオから流れ出した火災のニュースとともに、何者かの声と気配も拾ってしまった……。そんな瞬間の恐ろしさを切り取っている。

漫画「周波数」鳩ヶ森(@hatogamori)

鳩ヶ森(@hatogamori)

鳩ヶ森(@hatogamori)


ノイズの隙間から聞こえる“呪文のような声”ラジオの思い出がホラー漫画に


鳩ヶ森さんは「自室で一人でいるときやお風呂に入っているときなど、自分の後ろに感じる何者かの気配ってあったりしますよね」と、本作の恐怖の根源を語る。誰もが一度は感じただろう“子供が夜の暗い自室で背中に感じる薄ら寒さ”を思い出させるように描いたのが本作だという。

鳩ヶ森(@hatogamori)

鳩ヶ森(@hatogamori)


ラジカセというモチーフは、鳩ヶ森さん自身が子どもの頃、親から古いラジカセを譲り受けたことに由来するという。「それをBGMに試験勉強をがんばりなさい、ということだったのでしょう。なので『夜の1人の時間=ラジカセ』という思い出があるんです」と話すように、自身の体験が投影されているからこそ、読者がつい自分の体験と重ね合わせるような雰囲気を作り出していると言えるだろう。

鳩ヶ森(@hatogamori)

鳩ヶ森(@hatogamori)

鳩ヶ森(@hatogamori)


思いもよらぬ音を拾うのも、周波数をアナログで調節するラジオでは電波の混線でよくあること。「今なら外国の放送が混線しているのだろうとわかりますが、子供だった当時はその不気味な音声は怪現象そのもの。そんな音声のように断りもなく、“日常にいきなり恐怖が片足を突っ込んでくる”というような漫画を目指して描いてみました」と、アイデアの源を教えてくれた。


取材協力:鳩ヶ森(@hatogamori)
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