上坂すみれ、フランス絵画を語る!?「プーシキン美術館展」独占インタビュー

東京ウォーカー(全国版)

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「ロシアのスーパーや本屋さんが好き」と語る上坂すみれ衣装協力:Victorian maiden


――“旅するフランス風景画”というタイトルにもあるように、本展は“旅”がテーマのひとつとなっています。そこで、上坂さんのこれまでのロシアでの思い出を聞かせていただければ。

ロシアへは大学のころに行ったのがはじめてで、声優のお仕事を始めてからモスクワとサンクトペテルブルク、サハリンに行きました。サンクトペテルブルクはちょうど白夜の時期に行きまして、ネバ川をボートで下ったりしました。また、私はロシアのスーパーや本屋さんが好きで、モスクワに「ドムクニーギ」という大きな本屋ではたくさん本を買いました。

後は、ノヴォデヴィチ修道院という、ロシアにまつわる多くの著名人のお墓があるところや、ミコヤン・グレビッチ(ミコヤン・グレヴィッチ設計局、MiGシリーズなどの航空機を多数設計した)やエリツィン(ボリス・エリツィン元大統領)の記念碑を見て回りました。サハリンでは、ちょっと遠出して海辺にある日露戦争の記念碑の近くまで行きました。

――多くの土地を回られたんですね。その中で、上坂さんの心に残っている光景はありますか?

ロシアには、野良犬がすごくたくさんいたんですけれど、その犬がソファーぐらいの大きさがあって、しかも5頭ぐらい集まってきて(笑)。「わあ、なんて危険な場所なんだ」と最初は思ったんですが、彼らはすごく大人しい目をしていて、ひなたぼっこをしたり、ソ連時代から出てきたような酔っ払いのおじいさんの話を聞いたりしていて。こういう光景が未だに見られるんだというのがすごく印象的でした。

後、日本の地下鉄では見かけない光景として、スマホをやっている人が一人もいないのにはびっくりしましたね。

――えっ、そうなんですか。ロシアではあまりスマートフォンは普及していないのでしょうか。

みなさん持っているんですけれど、すごく読書が好きみたいで、大体本を読んでいましたね。後はフクロウを肩に乗せている人や、アコーディオンを弾いているお兄さんもいて、現代のような現代でないようなところがありました。東京にいるとなかなか見られない光景ばかりですね。

郊外のスーパーに行った時は、黒パンの袋が床に散らばっていて、それをどこかから入り込んだ子猫が食べていることがありました。そして店員さんがそれを片付けないのを見て、ほのぼのしているなー、と思いました。市街地での印象的な光景が多かったです。

【写真を見る】ロシアで「ソファーぐらいの大きさの野良犬が5頭ぐらい集まってきて」と笑う上坂すみれ衣装協力:Victorian maiden


――なるほど。実際に訪れてみて、ロシアへのイメージは変わりましたか。

もともと好きから入ったのであまりマイナスのイメージはなかったんです。でもやっぱり、ロシアの方は実際に会ってみると思っていたよりずっと優しかったです。ちょっと無口で寡黙なイメージがあるんですけど、すごく親切にしてくれたり、劇場のチケット売り場のおばさんが話しかけてきてくれたり。それと、ロシアにはあまり愛想笑いのような文化がないので、思ったことをちゃんと言うようなパーソナリティがすごく素敵だなと思いましたね。

――上坂さんにとって一つの理想郷かもしれないですね。

ロシアで暮らせるかというとハードルが高いんですけど(笑)。ロシア滞在中はディナーの時にあまりお冷が出てこなくてウォッカだけ飲んでいるので酔いが早くまわってしまったり。後は、あまり職業声優さんがいない国なので、住むとなると難しいかもしれません。

――そうなんですか。アニメーション文化はロシアではどのくらい根付いているんでしょうか。

まだまだ本当に一部だとは思うんですけれども、すごく好きな方はたくさんいらっしゃいます。地域ごとに主催してるアニメイベントも、モスクワだけではなく各地にありますし。やっぱりインターネットを介して、世界中の人が日本のアニメを知ってくれているというのが実感できました。ロシアの大学で日本語を勉強してる方も、アニメで覚えたという人が多いみたいで。すごい影響力があるんだなって思いました。

上坂すみれはプーシキン美術館展の公式サポーターを務める衣装協力:Victorian maiden


――上坂さんはロシアで日本文化を、そして日本ではこうしてロシア文化を紹介する架け橋のようなお仕事も多くなされています。こういったお仕事をされていることにはどう思われていますか?

少しずつロシアにいいイメージを持ってくださる人が増えてきてすごくうれしいです。やっぱり、ニュースなどではロシアってどうしても怖い印象が多いかもしれないんですけれども、文化的には懐の広い、奥が深い国であることを文化的な面から広げていくことで、ロシアへの見方が一面的にならないようにできるお手伝いができたらいいなと思っています。

――最後に、展覧会を訪れる方へメッセージをお願いします。

プーシキン美術館展はフランスの絵画が中心となった展覧会ですが、その背景にあるロシアのコラムも私が音声ガイドとして紹介しています。ぜひぜひ足を運んでいただいて、ガイドも聞いていただければと思います。

国分洋平

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