中3で二重整形を強要「一重でかわいそう」「痩せたほうがよい」→摂食障害に陥った娘が下した“驚愕の決断”【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
暴力や経済的理由だけでなく、自分の考えを子どもに押し付けコントロールする「支配型」の毒親が存在する。「あなたのためを思って」という言葉とともに、服や習い事、進学先、果ては容姿や交友関係にまで干渉してくるのだ。
「友人の親子関係との違いに気づき、初めて違和感を覚えた」と語るグラハム子さんに、自伝『母の支配から自由になりたい』出版にあたり、本作を書き上げるまでの思いを聞いた。
※本作は著者の闘病体験を描いたコミックエッセイです。紹介している病状や治療の経過には個人差があり、医学的な見解を代弁するものではありません。気がかりな症状がある場合は、必ず専門の医療機関にご相談ください。
15歳で強要された整形と「あなたのため」という支配
グラハム子さんの父親は単身赴任で不在がちで、母親は相談できる相手がいなかったのだろう。「あなたには似合わない」「こっちがよい」と、常に母の意に沿う選択を強いられ、結果を出すと褒められて育った。「母は自分のために言ってくれている」と信じ、思いをくんで従う日々だった。
進学先も教員免許の取得も母の勧めるがままだ。なかでも強烈なエピソードは、中学卒業時に「あなたは一重でかわいそうだから整形しなさい」と、二重整形をさせられたことである。容姿に口を出され「もう少し痩せたほうがよい」と指摘されたのち、彼女は食べたあとに吐いてしまう「摂食障害」を患ってしまう。
親子の異常性に気づいたのは、進路決定のときだった。芸能の道に進みたいと言った友人の夢を親が許したのを見て、「うちなら絶対に許さない。もしかして何かがおかしいのでは」と気づくきっかけになった。
文章と漫画で挑んだ「未消化の感情」との対峙
本作は、摂食障害や自分の意思で決められない心理を乗り越えるプロセスを描いた自伝だ。今回、漫画だけでなく文章も含めた構成について「私的には大チャレンジでした。いつもは漫画オンリーなので、表情などの描写がない文章だけで伝わるか悩みましたが、担当さんがフォローしてくださったので書ききれました」と振り返る。
制作で大変だったのは、自分の中に残る「未消化」の感情の多さに気づいたことだ。「書き始めは消化できていると思っていましたが、『あれもだ、これもだ』と新たに見つかる。自己満足にならないよう『わかりやすさ』は心がけました」と語る。
心と向き合う大変な作業を経て、「人生におけるステージを1歩進めたというか、自分にとっての新たな課題が見えた気がしました。悩みがなくなることはないですが、よい方向に進めた気がしています」と心境の変化を明かす。
母との“引退試合”を経て、読者へ伝えたい思い
大人になり、母親に今まで抱えていた気持ちを伝えるシーンがある。「あれは『ふいに訪れた引退試合』でした。悲しさやうれしさ、怒り、恐怖が混在し、母との勝負ではなく自分が引退するための儀式のような感じでした」と表現する。また、巻末に収録された精神科医・名越先生の解説を読み「胸がスッとなりました。何度も読み返しました。うれしかったです」と喜びを語った。
最後に、同じように親との関係で悩む読者へのメッセージをもらった。
「『大丈夫、あなただけじゃないよ』と伝えたいです。『一生過去を恨んで生きていくの?』と自問したとき、私は『それはイヤだ』と思いました。イヤだと思えた瞬間、ハッキリと世界が変わったのを覚えています。この本が、あなたの世界を変える手助けとなれたらうれしいです」
「私の言うことを聞いていれば間違いない」。そんな母の信念に逆らえなかったグラハム子さん。心の声を聞いて選択し、母を許せるようになるまでの葛藤が繊細につづられている。
取材協力:グラハム子(@gura_hamuco)
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