「新品の本に傷…?」これが傷なら全部傷では?“美本”を追求する客とのやり取りから見えてきた、本屋の接客事情【作者に聞く】

東京ウォーカー(全国版)

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購入した本に傷がついているとクレームが!?画像提供:(C)佐久間薫/双葉社

「傷があるので交換していただきたい」本を持ってカウンターにやってきたお客さん。見た目は綺麗な本なのに「光に当てるとわかります」と、角度をつけてカバーの傷を見せた。今回は、漫画家・佐久間薫 (@sasakumako) さんが描く書店員の裏側「カバーいらないですよね」より、ちょっとクセが強い「美本を希望するお客」を紹介したい。

本への強いこだわりを持つ客と書店員の攻防

カバーいらないですよね 第3話(1)画像提供:(C)佐久間薫/双葉社

カバーいらないですよね 第3話(2)画像提供:(C)佐久間薫/双葉社

カバーいらないですよね 第3話(3)画像提供:(C)佐久間薫/双葉社

本作「美本を希望するお客」は、“本の傷”をめぐる価値観の違いから、書店員という仕事の奥深さを描き出した一作だ。作者・佐久間薫さんが描くのは、予約した新品の本に「傷がある」と交換を求める男性客とのやり取り。ところが書店員の目には傷らしきものは見当たらない。男性が本を光にかざして初めて分かるほどのわずかな擦れだった。

しかし、店内の在庫を確認しても、同じような状態の本ばかり。「これを傷と言うなら、店にある本は全部交換対象になってしまうのでは…」と戸惑いながらも、書店側は可能な限り客の要望に応えようとする。佐久間さんは、「いろんなお客さんがいて、こだわるポイントもさまざま。できる限り沿えるよう心掛けたい」と、実際の書店でも柔軟な対応を大切にしていると語る。

本作は事実をもとにしたエピソードが多いものの、漫画として楽しめるようアレンジも加えているという。また、作品では鉛筆ならではの質感にもこだわり、細かなグラデーションを残すため調整に苦労したそうだ。

近年はネット書店の利便性が注目される一方で、佐久間さんは「本屋には、探していなかった本と偶然出会える楽しさがある」と話す。地域密着型の店舗ならではの温かな交流も、実店舗の大きな魅力なのだろう。こだわりの強い客とのやり取りを通じて、本を愛する人々と書店員の日常を優しく切り取った一編となっている。

取材協力:佐久間薫(@sasakumako)

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