高校野球スペシャル連載 “ワタシ”が語る甲子園 第7回/元阪神・赤星憲広さんの甲子園(前編)

関西ウォーカー

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“高校野球大好き”な著名人が甲子園の魅力を語るスペシャル連載「”ワタシ”が語る甲子園~100年の熱狂ストーリー~」。情報誌「関西ウォーカー」と連動してスタートしたWEB版連載では、誌面に掲載しきれなかった未公開トークを含むスペシャル版を前後編で掲載する。

連載第7回目は元阪神タイガース、今春は「みんなの甲子園」(MBS)で6季目のナビゲーターも務めた赤星憲広さんのインタビュー(前編)をお届け!

少年時代に野球を始めた経緯から、高校時代の甲子園での思い出まで語っていただきました


野球、サッカー、水泳…いろいろなスポーツを経験した少年時代


―野球に触れるようになったきっかけは?

「幼いころから近所のお兄さんと公園で野球をしていました。家では相撲か野球がボクシングしか見せてもらえず、自然と野球が好きになっていましたね」

―お父様が野球の指導者だったそうですが、野球を始めたのはお父様の影響もありましたか?

「父は地元の少年野球チームのコーチでした。ただ、父がきっかけで野球を始めたわけではないです。むしろ当時はちょっとした反抗期で、一緒に野球をしたくなかったです(笑)。かたくなに拒否した挙句、小学校の時はサッカーをやっていました。野球チームに入ったのは5年生からで、一時はサッカーと両立もしていました。ただ、どちらも土日に試合があるのでサッカーチームの顧問の先生からどっちかにしろと言われていましたね。根本的には野球が好きだったので、中学進学時に野球を選びました」

―サッカーでは県選抜チームにも選ばれていたそうですし、当時から身体能力は高かったのですね。

「そのあたりは親にすごく感謝しています。よく『いつから足が速くなったのか』と聞かれますが、気づいたころから足は速い方で、学校の運動会のリレーではアンカーになることも多かったです。また僕はプロ野球界で引退するまで筋肉系のケガをしたことがなかったのですが、スポーツトレーナーに「筋肉の弾力はアスリートの中でもトップクラス」と言われたことがありました。3歳から水泳を始めたことで、体が一番成長する時期に柔軟性のある筋肉が作られたおかげだと思っています。心肺機能を高めることもできるので、水泳はどのスポーツをするにしても最高ですよ。プロ野球でも幼い頃に水泳をやっていた選手は結構多いです」

高校に入学してすぐ、左打ちに転向


さすが!バッティングポーズも決まっています【画像を見る】


―高校は県立の大府高校に進学するわけですが、なぜこの学校に?

「中学時代はエースで1番を打っていて、私学からのお誘いもありました。でも自信もなかったですし、地元の公立高校でしっかり勉強して野球も続けようくらいに考えていました。先生に話すと、校長先生や担任の先生、学年主任の先生に呼び出されて『私学に行けとは言わない。でも頼むから甲子園に行けるチャンスのある高校に行ってくれ。おれたちの夢も背負ってくれ』と言われたんです。先生3人にそう言っていただくのはうれしかったです。高校に入ってからは『強豪私学に勝って甲子園に行きたい』と思うようになりました」

―高校入学後はどのような練習をしましたか?

「入学してすぐ、3年生と同じ練習メニューに入ってもいいと言われました。ただ、その条件が、右打ちを左打ちに変えること。左打ちで力がつけば、夏にベンチ入りさせてやると言われました。僕は右利きなので、左打ちに変えるって結構大変なんですよ。左回りの動きをしたことがなくて、最初はなかなかうまくいかなくて…。そんなときは、PL学園時代から憧れていた右投左打の立浪和義さん(元中日)の映像ばかり見て、打ち方からグローブの構えから全て真似していました。今思うと、高校3年間は左打ちの技術を高めた期間だったと思いますね」

甲子園で2年連続のエラーと敗退。それでも支えてくれた最高の仲間


赤星さんでも初めて甲子園に立った時は「えらい大きな球場にきてしまった」と緊張されたそう


―初めて甲子園に立った時のことを覚えていますか?

「甲子園出場が決まった時は嬉しさしかなかったんですけれど、いざ甲子園に立つと、とにかく緊張。打席に立っても、ずっとフワフワしていて、地面を強く踏んでいるのに浮いている感覚。足をたたいても感触がないというか。でも甲子園に出られるだけで幸せでした。今思うと甲子園出場で満足してしまったから、試合でエラーしたんでしょうね。しかも2年連続」

―甲子園でのエラー、かなりショックだったのでは?

「先輩たちは『お前のせいで負けたわけじゃない』って声をかけてくれましたが、やっぱりモヤモヤしていて。“来年絶対借りを返すんだ”と僕の発奮材料になりました。次の年、自分が最終学年の時にエラーをしてしまったのは、引退まで引きずりました」

―今でも当時のチームメイトと甲子園の話をしますか?

「年末、同級生と集まると毎回甲子園の話をしてます。僕のエラーの話も出ますが、どんなに酔っても誰一人『あのエラーがなければ』って言わない。『赤星のおかげで甲子園に出られた』って。気を使っているのかなと感じた時もありましたが、毎回そうなので、腹の底から思ってくれているんだなと。いい仲間に巡り合えたとつくづく思います」

まだまだ続く、赤星憲広さんの甲子園トーク!後編もお楽しみに!



〈今回の語り部〉

赤星憲広…1976年4月10日生まれ。愛知県出身。阪神タイガース時代は2度のリーグ優勝を経験。引退後は野球解説者として活動するほか、RED・STAR Baseball Clubのオーナーを務める

沢井 史

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