「30歳なのにまるで老婆」急に老いる妻を直視できない夫。残酷な結末に「読まないと後悔」【作者に聞く】

東京ウォーカー(全国版)

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としとしあわせ_p01墨染清(@sumizomesei)

妻のひまわりは誰からも愛される、笑顔の似合う女性だった。しかし、結婚10周年、夫婦そろって30歳を迎えたばかりだというのに、現在の妻はまるで老婆のように年老いていた。

としとしあわせ_p02墨染清(@sumizomesei)

としとしあわせ_p03墨染清(@sumizomesei)

としとしあわせ_p04墨染清(@sumizomesei)


「気味悪いったら」「あのおばあさんも30歳」と近所の主婦たちは興味本位の視線を送る。夫は周囲の目を気にせず妻を大切にするのだが、どうしてもできないことがあった。それは、急激に老いていく妻の顔を直視すること。「俺は…老いが恐ろしい」と妻に隠れ、嗚咽していた。

「としとしあわせ」に込められた夫婦の幸福


本作は、2017年冬期のゲッサン新人賞(小学館)などで佳作を受賞した経歴を持つ墨染清(@sumizomesei)さんによる漫画だ。「老い」について描いたタイトル『としとしあわせ』は、「歳と幸せ」と、夫婦が手を取り合う「歳歳合わせ」をかけたものだという。

「無情に訪れる『老い』ですが、伝えたいことは『夫婦の幸福』でしたから、幸せを感じられるタイトルにしたいという想いがまずはじめにありました」と墨染さんは語る。

読者からは「残酷だけど、美しすぎる物語」「涙腺が崩壊した」という賛辞が相次いだ。この大反響について墨染さんは、「自分が老いることよりも、大事な人が老いて弱る姿を見るほうがよほどつらいと昔から強く感じていて、その苦痛を当時の私なりに精いっぱい詰め込んだ作品です。たくさんのご感想をいただけて、驚いたと同時に心からうれしかったのを覚えています」と振り返る。

賛否を呼ぶラストと作者の多彩な世界


本作の曖昧に描かれた結末については、読者の間で解釈が分かれた。「最高のラストでした」と絶賛する声が多数を占める一方で、「ハッピーエンドなのか」と頭を抱える人もいた。これに対し墨染さんは、「読者の方を困らせてしまいましたが、それぞれ『私はこういうことだと思う』という考えを聞かせてもらえたので、それもとてもうれしかったです」と語る。最後の数ページはどう受け取るか、読者次第だ。


取材協力:墨染清(@sumizomesei)
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