サウナもクラフトビールもDJまで楽しめる!築50年の「金沢浴場」が一新!銭湯の域を超えた「黄金湯 新宿」に行ってきた
東京ウォーカー(全国版)
東京・東新宿にあった「金沢浴場」は昭和39年創業の銭湯。2025年春に休業し、約1年かけて新たに生まれ変わった。それが「黄金湯 新宿」だ。墨田区にある「黄金湯」の姉妹店ともいうべき銭湯で、オープン前からサウナ好き、銭湯好きの間でも期待が高まっていた。そんな「黄金湯 新宿」が2026年7月7日にグランドオープン。さっそく行ってきた。
スタイリッシュな雰囲気で最高の銭湯体験
「黄金湯 新宿」があるのは都営大江戸線の東新宿駅から徒歩5分ほどの場所。周辺は住宅地で静かな地域。1年ちょっと前まで、この古くからある住宅地に昔ながらの銭湯「金沢浴場」があった。墨田区の「黄金湯」、「大黒湯」、「さくら湯」と同じ運営者だが、老朽化を理由にリニューアルした。以前の「金沢浴場」を知っているからということもあるが、今回行ってみてびっくり。路地を入ると突如として現れたのはなんともスタイリッシュな建物。え、おしゃれすぎる。壁に見覚えのある「KOGANEYU」のロゴを見て、ちょっと安心。
「黄金湯 新宿」としてのリニューアルに際し、クラウドファンディングを行っていた。個人的に支援していて、そのリターンとしてプレオープンの入浴をチョイスしていたので、今回はグランドオープン前に男湯、女湯の両方を体験することができた。プレオープンにも多くの人が訪れていたが、オープン初日は開店前から列ができるほどの盛況ぶりで、本当にたくさんのファンに待ち望まれていたことがうかがえた。
入口を入ると、エントランスにはTシャツやてぬぐいなどのオリジナルグッズが展示されている。下足箱に靴をしまったら、受付へ。いわゆる銭湯の受付とは違い、ドリンクカウンターであり、DJブースでもある。内装設計は、2025年大阪・関西万博のパビリオンなどを手がけた建築家・永山祐子さんが担当し、ブランディングは、黄金湯東京店も手がけたアーティスト・高橋理子さんという、昔ながらの銭湯とは見た目からも違う。
さっそく中に入ってみる。脱衣所はグレーを基調にしたシンプルで清潔感のある造り。おしゃれでありつつ、どこか温かい、銭湯らしさがにじみ出ている。なんだか安心感がある空間。広さやロッカー数が違うぐらいで、男女とも脱衣所の印象は同じだ。
浴室のドアを開けると、思わず「あっ」と声が出た。シックな色合いの、新しくなった浴室とともに、「金沢浴場」時代と変わらぬタイル絵が迎えてくれた。厳密にはAI技術を活用して復元したものだそうだが、昭和の銭湯を思わせるこの絵柄に心底ほっこり。こういうところは、昔からの利用者にはたまらないはず。まずは、髪や体を洗って湯船でサッと温まる。
浴槽は3つ。ゆっくり体を温める炭酸泉、白く濁っている薬風呂、20度を下回る設定の水風呂。この水風呂はサウナ利用者のためのものではなく、お風呂利用時に温冷交代浴をするためにある。すべて天然地下水を使用していて、肌に当たる感じも柔らかい。
一番楽しみにしていたサウナゾーン「THE CAVE」
墨田区の「黄金湯」と言えば、やはりサウナ。曜日や時間帯によっては事前予約で埋まってしまっていることもあるほど、その人気はとどまることを知らない。その系譜を受け継ぐ「黄金湯 新宿」もサウナがすごい。オープン時にもかなり話題になったが、本当に、銭湯のサウナとは思えないほどデザインもコンディションもステキすぎた。
まずは男性サウナ室「THE ABYSS」。洞窟の中に入ったような独特の空間。中は広めで定員は14名。何ともなめらかな曲線が印象的なサウナ室。サウナストーブには装置がついていて、20分に1回オートロウリュが行われ、蒸気が上がることで体感温度も上がっていく。
サウナ室内はしっかり熱さを感じるものの、温度と湿度のバランスがいいので息苦しさもなく、ひたすら心地よさを感じる。ほの暗い照明も程よく、ゆっくり呼吸をすれば全身がリラックスできる。汗をかくことが気持ちいい。
サウナ室を出るとシャワーがあり、汗を流す。天然地下水を使った水風呂は、「美泡水風呂」で、ブクブクと湧き上がる泡が熱くなった体を冷やしていく。泡が出ているので体感も冷たい。これがまた気持ちよくて、手足が伸ばせるのもいい。
外気浴スペースもゆったりとしていて、外の空気が気持ちいい。緑が見え、風の音が聞こえる空間は、新宿にいることを忘れさせる。何も考えず、無防備になれる時間だ。夜になると照明が加わって、また雰囲気も変わるらしい。今回はプレオープン時に開催された、クラウドファンディングのリターンとしての入浴だったので、男性エリアに入ることができたが、現時点では男女入れ替えなどの予定はないそう。いずれ入れ替えデーなどができることを切に願う。
さて、別日に女性サウナ室「THE COCOON」にも入ってみた。こちらのサウナ室は定員6名と、男性サウナ室の「THE ABYSS」に比べると小さい。が、こちらも温度と湿度のバランスがよく、苦しさは感じず、しっかり温まることができる。
こちらにはオートロウリュはなく、代わりにセルフロウリュができるようになっている。特に砂時計などはないが、ロウリュするときはひと声かけてからが望ましい。体感温度は上がるが、サウナストーンにアロマ水をかけた時の音とジュワ~っと立ち上る香りで癒やされる。ちなみにアロマ水の香りは日によって変わるので、それも楽しみだ。
シャワーで汗を流したら水風呂へ。男性側は露天になっているが、こちら側は水風呂も休憩も洞窟の雰囲気のまま。この少し暗い感じが無になれていい。
サウナの横にシャワーがあり、水風呂、ととのい椅子と動線もいい。さらに、男性側にはウォータークーラーが設置されていたが、こちら側にはサウナ利用者専用でデトックスウォーターを設置。フレッシュなフルーツやハーブなどが体に染み渡り、体の中からリフレッシュできる。
どちらもサウナエリアが完全に浴室とは区切られているのも特徴的で、より非日常感が味わえて、ちょっと特別な時間に感じられた。
クラフトビールやオリジナルドリンクでひと息
「黄金湯 新宿」の大きな特徴が、入店したときにあったカウンター。受付だけでなく、ドリンクカウンターであり、DJブースでもある。冷蔵庫には一般的な銭湯にあるビン牛乳も入っているが、注目は「BATHE」というビール。「湯上がりの最高のひとときを醸造する」という想いをコンセプトに、風呂上がりにぴったりのビールとして作られたもの。ちなみに、この醸造所は「黄金湯」の姉妹店。お風呂に入っている人のことを一番わかっている製造者だ。
カウンターの一部がビアバーになっていて、「BATHE」のビールタップが設置されている。「黄金湯 新宿」のオープンを記念して誕生した「新宿ラガー」や、銭湯文化との融合をテーマに、薬湯で親しまれるよもぎを使用した「よもぎビール」など、オリジナルビールをぜひ試してほしい。
オリジナルビールも魅力的だが、オリジナルのソフトドリンクも充実。「自家製いちごミルク」は自家製のいちごシロップを牛乳で割ったもので、シロップというよりコンフィチュールのような果肉感のあるシロップをよく混ぜて飲む、デザートのようなドリンク。一方の「紅のサウナソーダ」はグラスのフチに塩がついていて、サウナ後の塩分補給もできる。甘くなくスッキリした味わいで、しその香りが広がる。銭湯でオリジナルビールやドリンクが飲めるというのもなかなかない。おいしい!
浴室やサウナ空間の世界観に合わせて選曲された音楽をここから発信。空間×光×温浴体験によって、深い没入感を体験できるという。音楽を流すだけでなく、定期的にDJイベントやライブセッションも開催する予定だというので、ぜひチェックしてみよう。
とにかく、最初から最後まで驚きの連続だった「黄金湯 新宿」。サウナ好きはもちろん、銭湯好きも、サウナや銭湯が初めてという人も、いろいろな発見と楽しみ方ができる。昔ながらのレトロな銭湯ならではの雰囲気も好きだが、いろいろなタイプの銭湯があるのは利用者にとっては楽しみが増えるのだからうれしい限り。サウナ利用が90分というのは、身支度に時間がかかる身としてはやや短い気もするが、ほかではできない体験が詰まっていると思うので、ぜひまた足を運びたい。
取材・文=岡部礼子
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