毎熊克哉が語る“演技の準備”と心構えの変化「プロの重圧を知った」デビュー当時の記憶と、新作主演映画『見えない娘』で得た刺激
東京ウォーカー(全国版)
毎熊克哉が最近刺激を受けた作品を語る
――近年は大河ドラマ『光る君へ』や、主演映画『桐島です』など話題作への出演が続いていますが、お芝居との向き合い方で最近変化を感じていることがあれば教えていただけますか?
【毎熊克哉】向き合い方は基本的には変わっていないのですが、心構えという意味では少し変化がありました。通常はクランクイン前にしっかりと準備してから撮影に挑むのですが、いざ現場に行くと、監督から予想外の提案をされたり、準備したものに合わせようとして焦ったりすることもあるんです。
そんな中で、何が起こるかわからないという不安な気持ちを抱えながら現場に行くことが大事なのかもしれないと気づいて。それ以来、準備したことに囚われすぎないようにしています。
――“準備=役作り”ということだと思うのですが、セリフを覚えること以外にどんな作業をしていますか?
【毎熊克哉】役柄によって違ったりもしますが、“この感じ、つかんでおきたいな”とか…言葉では説明できないような、側から見たら何をやっているかわからないようなことが多いです。乗馬とか殺陣の練習だったらわかりやすいのですが、そうじゃなくて、ただボーッとしているだけで、役の何かをつかんだりすることもあって。そういう準備はしていくけれど、それがそのままお芝居に反映できるかどうかはわからないみたいな気持ちを持つようにしています。
――今後挑戦してみたいジャンルや役柄を教えていただけますか?
【毎熊克哉】コメディアンの役に興味があります。日本の芸人さんというよりは、海外で人気のスタンダップコメディアンが理想で、ステージに1人で立ってマイク1本で勝負するみたいな役をやってみたいです。
――Netflixではスタンダップコメディアンのステージが配信されていて日本の視聴者にも人気ですし、お芝居ではアダム・ドライバーが『アネット』という映画でスタンダップコメディアンを演じていたのが印象的でした。
【毎熊克哉】僕の中ではスタンダップコメディアンの役といえば、マーティン・スコセッシ監督の『キング・オブ・コメディ』で、主演を務めたロバート・デ・ニーロが強烈に印象に残っています。主人公が自身の境遇を自虐的に語っているだけなのに、観客には大ウケしているというなんとも言えないシーンが忘れられなくて…。
長回しで撮っている場面も多いので、“撮影、大変だっただろうなぁ”なんて想像しながら観ていました。スタンダップコメディアンはすごく難しい役柄だと思いますが、いつか機会があったら演じてみたいです。
――最後の質問になりますが、最近、刺激を受けた作品を教えていただけますか?
【毎熊克哉】リチャード・リンクレイター監督の『ブルームーン』という映画がおもしろかったです。主演のイーサン・ホークが実在するブロードウェイの伝説的作詞家ロレンツ・ハートを演じているのですが、ロレンツがずっと出ずっぱりで、まるで舞台を観劇しているかのような不思議な感覚になるんです。驚いたのが、かっこいいイメージのイーサン・ホークが、この映画では全然かっこよく見えないこと(笑)。
――え!そうなんですか!?
【毎熊克哉】背が小さくて髪の毛が薄い普通のおじさんの姿で登場するので、“これ本当にイーサン・ホーク?”と疑ってしまうぐらい最初は全くわからなかったです。でもお芝居は本当に素晴らしくて、それこそスタンダップコメディじゃないですけど、ずっと画面に映っていて、ひたすらセリフをしゃべっているので圧倒されるというか…ものすごく引き込まれました。こういう役にもいつか挑戦してみたいです。
取材・文=奥村百恵
◆スタイリスト:カワサキタカフミ
◆Makeup Designer:MARI
(C) THE INVISIBLES Production Committee
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