「先に気づいて直しておけ!」取れかけたボタンを縫う妻を叱った夫……妻が唱えた言葉の意味を知った夫の後悔
東京ウォーカー(全国版)
日本の伝承に基づいた短編『アルマ骨董堂のふしぎ夜噺 』や『古書店ミチカケ 心晴れぬ日はいまを忘れてひとやすみ』など不思議でちょっと温かい話を描く、漫画家のかんさび
(@kansabi_kk)
さん。今回紹介する『外套とまじないの話』は、「服を着たまま針を使って縫い物をすると縁起が悪い」そんな古くからの言い伝えをもとに、おまじないを唱えながら縫うという習わしを題材に描いた創作作品。X(旧:Twitter)に投稿すると、1.6万いいねを獲得した(2026年10月3日時点)。
民俗学から着想を得た温かな創作
取れかけたボタンを縫いながら、女性が口ずさんでいたのは、代々伝わるおまじないだった。服を着たまま針でほころびを直すのは縁起が悪いという昔からの言い伝えがあり、その意味を知らない男性は、妻が服を直していた際に「先に気づいて直しておけ!」と叱ってしまうが、後になっておまじないの意味を知り、自分の言葉を悔やむことになる。
本作「外套とまじないの話」を描いた作者・かんさびさんは、「日本の習俗や民間伝承に興味があり、それをもとに物語を考えることが多い」と話す。今回も資料を調べる中で、今も日本に残るおまじないの言葉と出合い、自分だけでなく他人の幸せや魔除けを願って使われてきたことに「人の優しさを感じ、お話にしたいと思いました」と制作のきっかけを明かした。
漫画を投稿すると、読者からも各地に伝わるおまじないが寄せられ、「ほかの地域にも形を変えて存在することを知り、とても興味深くうれしく感じました」と振り返る。衣服を着たまま針を刺すのは縁起が悪いという考えにも、他人への思いやりや気遣いが表れていると感じたそうで、「現代にもなお残っていることに、うれしくなりました」と語った。
本作は「アルマ骨董堂のふしぎ夜噺」にも掲載されており、日本の民俗学から着想を得た物語が収録されているという。古くから受け継がれてきた言葉の奥にある優しさを、物語を通してそっと感じられる1作だ。
取材協力:かんさび(@kansabi_kk)
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