子どもだけのサバイバルが恐怖に!!子どもの残酷さと死の恐怖を描いた衝撃展開に「読み返すほどにゾッとする」の声
東京ウォーカー(全国版)
子供特有の見栄や度胸、劣等感、そして変わりたいという気持ちを描いた大家(@ksyjkysk)さんの「僕らの夏と灰」。目的を達成するためなら後先を考えずに行動する、子供ならではの残酷さも描かれる本作。死の恐怖を描いた衝撃的な展開に、読者からは「何度も読み返したくなる」「読み返せば、読み返すほどゾッとする」といった声が寄せられている。話題作の制作背景や込められた思いについて、大家さんに話を聞いた。
子供たちだけのひと夏の冒険
物語の舞台は、大人のいない場所で子供たちだけのサバイバル生活が始まった小学6年生の夏。子供の頃にしかできない友人との冒険は、映画「スタンド・バイ・ミー」を思わせる。しかし、サバイバル生活のさなか、少年たちは「灰入道」と呼ばれる化け物に遭遇する。
ところが、物語のラストで、化け物の正体は遭難した少年たちを捜しに来た救助隊だったことが明らかになるのだ。
ミステリーともオカルトとも読める作品に
本作を描くきっかけは、夏のイベントに出す新刊のテーマを「夏」に決めたことだった。もともと「学校の怪談」のような、オカルトと子供が登場する作品が好きだったという大家さん。その好みが、子供たちの冒険と怪異が交錯する物語につながった。
作中では、少年たちが化け物だと思い込んでいた存在が、実は救助隊だったと判明する。この結末について大家さんは、大人が化け物に見えるほど子供たちの心理が不安定だったとも解釈できる一方、妖怪に化かされていたと考えることもできると語る。ミステリーとしてもオカルトとしても楽しめる、解釈の余地を残した作品になった。
「大人にならなくても良い」物語に込めた思い
子供が大人へと成長していく過程を描く物語は多い。だからこそ大家さんは、あえて「大人にならなくても良いし、なれなくしてやろう」と考え、あのラストを選んだという。明確なテーマを最初から設定していたわけではないものの、作品を通して描いたものを挙げるなら、「克服できないコンプレックスと一生消えない心の傷」なのだそうだ。
また、作中に登場する妖怪のデザインでは、シンプルに怖さを表現することを意識した。真っ暗な自然の中で、周囲とは明らかに違う異質な存在として感じられるよう工夫したという。
大人と子供の境目で揺れ動く少年たちの心理と、ひと夏の冒険に潜む恐怖を描いた「僕らの夏と灰」。克服できないコンプレックスや、一生消えない心の傷を抱えることになった少年の物語は、読者の心にも深く刻まれる。
■取材協力:大家(@ksyjkysk)
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