「店員は怒鳴ってもいい存在?」怒鳴り散らす客から同僚を守るために間に入った販売員…冷静に対処しても傷ついた心
東京ウォーカー(全国版)
販売の仕事で体験した出来事や日常の気づきを漫画に描き、X(旧Twitter)やInstagramで発信しているタジマオオカ
(@pu92yu)
さん。なかでも、販売員に対する理不尽なクレームや侮辱など、カスタマーハラスメント(以下、カスハラ)を題材にした作品が大きな反響を呼んでいる。ウォーカープラスでは、タジマさんの実体験をもとにした「かすはら物語」をリメイクし、「お客様は神様ですか?」として連載中。今回は、同僚の販売員が理不尽な客に怒鳴られている場面に遭遇したタジマさんが、勇気を出して間に入ったエピソードを紹介する。
汗びっしょりでも、頭の中は冷静だった
ある日、別の販売員が客から理不尽に怒鳴られている場面に遭遇したタジマさん。以前、自分が困っていたときに助けてくれた同僚の辻さんの言葉を思い出し、今度は自分が間に入ることを決意する。
実際にカスハラ対応をするのは、やはり緊張するものだった。「汗びっしょりでした。緊張していたと思います。でも頭の中は冷静でした。他のお客様や通行人が多い場所だったので、いざ何かあっても周囲にたくさん目撃者が居るという状況がパニックにならず冷静にさせてくれたと思います」
激昂する客を前に、タジマさんが意識したのは、最初に絡まれていた販売員ではなく、自分に注意を向けさせること。相手の目を見ながら、早口にならず、落ち着いた声で丁寧に話すよう心掛けたという。怒りのペースに巻き込まれないことも重要だった。
心の準備が、恐怖を乗り越える力に
以前は客から怒鳴られるとパニックになっていたタジマさん。しかし今回は、相手の目を見て冷静に話を聞くことができた。その変化には、ある理由があった。
「それまでの積み重ねで『今度何かあったらそのときは間に入ろう』と決めていました。大げさかも知れませんが、心の準備ができていたからだと思います」
また、対応する人や場所を変えることで、相手の怒りが少し落ち着くように感じたという。場所を移して話を聞くことで、ようやく対話ができるようになることもあるそうだ。タジマさん自身も、直接絡まれた際には、1メートルでもその場から離れて対応するようにしている。
「店員は怒鳴ってもいい存在」なの?
タジマさんの対応によって、ひとまずその場を離れることができた販売員。しかし、客から理不尽に怒鳴られた経験は簡単に消えるものではない。「お客様はどうしてすぐカッとなって感情をぶつけてくるんでしょうか?」「店員は自分より下の存在で怒鳴りつけても責めてもいいって思われてるのかな…」と、苦しい胸の内を打ち明ける。
これに対し、タジマさんは販売員を取り巻く現状について、こう語った。「残念ですが現状は、店員はへりくだるのが当然という考えの方も多いかと思います。カスハラ言葉の定番『態度が悪い』という一言がそれを表しているのかなぁと…販売員としてはシンプルに『お買い上げありがとうございます』の気持ちで良いのではと思っています」
商品を買う側と販売する側。立場が違っても、相手を尊重することは変わらないはずだ。日々の接客の裏側にある販売員の苦悩と、理不尽な言動にどう向き合うべきかを考えさせられるエピソードとなっている。
■取材協力:タジマオオカ(@pu92yu)
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