映画『存在のすべてを』志尊淳演じる“沈黙の被害者”を取り巻くキャスト陣に佐藤浩市・高橋一生・木村文乃・鈴木杏

東京ウォーカー(全国版)

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2027年2月5日(金)に全国公開される映画『存在のすべてを』に、佐藤浩市さん、高橋一生さん、木村文乃さん、鈴木杏さんの出演が新たに決定した。本記事では今回の追加キャスト4人とあわせて、9月に出演が明らかになっていた志尊淳さんの役どころも紹介したい。

映画『存在のすべてを』2027年2月5日(金)全国公開


本作は、塩田武士さんのミステリー小説『存在のすべてを』(朝日新聞出版)の実写映画化したもの。1991年秋の神奈川で起きた「二児同時誘拐事件」を起点に、30年の歳月を経て事件を追い直す新聞記者・門田次郎(西島秀俊さん)と、画廊を営む土屋里穂(広瀬すずさん)の姿を描く。監督は『64-ロクヨン-』『ラーゲリより愛をこめて』の瀬々敬久さん。

二児同時誘拐事件を再び追う新聞記者・門田次郎を演じる西島秀俊さん

画廊を営む土屋里穂を演じる広瀬すずさん


志尊淳が演じる“沈黙の被害者”——写実画家・内藤亮

写実画家・内藤亮(=如月脩)を演じる志尊淳さん

物語の核心を握るのが、誘拐事件の被害者・内藤亮(ないとう・りょう)だ。4歳のとき何者かに誘拐された亮は、3年後に祖父母のもとへ帰還する。しかし「空白の3年間」について何も語らないまま大人になり、やがて写実画家として彗星(すいせい)のごとく美術界に現れた。この亮を演じるのが志尊淳さんだ。

本作で志尊さんは、寡黙な高校時代と、写実画家として活動する36歳の亮を演じ分けている。志尊さんは「演じる上では、月日を経た変化や描かれない空白の期間をどう構築するかを悩み抜きました。特に『沈黙』を体現する高校時代については、立ち姿やふとした仕草、独特の間合いなど、言葉に頼らない表現を徹底的に追求し、目に見えない空気感を作り上げました」と明かす。さらに「見る人や着眼点によって、捉え方が大きく変わる作品だと思います。是非劇場でこの世界を体感してください」とメッセージを寄せている。

佐藤浩市、高橋一生、木村文乃、鈴木杏——“沈黙の被害者”を取り巻くキャスト陣

【写真】映画『存在のすべてを』追加キャスト4人のソロカット。(写真左上から時計回りに)高橋一生さん、木村文乃さん、佐藤浩市さん、鈴木杏さん

今回発表された4人は、亮の画家としての人生と、事件の真相の両方に深く関わる人物を演じる。

佐藤浩市さんが演じるのは、銀座の老舗画廊「六花」(りっか)の店主・岸朔之介(きし・さくのすけ)。天才写実画家・如月脩(きさらぎ・しゅう)(=内藤亮)を支援する人物だ。瀬々監督とは『64-ロクヨン-』『春に散る』に続くタッグとなる。佐藤さんは「演じる役の『立ち位置』について、監督とお互いの経験値からくる『暗黙知』で認識をすり合わせながら撮影に臨みました」と語った。作品については「自分の置かれた状況だけでなく、物事を多角的に見つめる目線を与えてくれる作品です」と話している。

高橋一生さんが演じるのは、朔之介(佐藤浩市さん)に才能を見いだされながらも消息不明となった写実画家・野本貴彦(のもと・たかひこ)。瀬々組には初参加で、「誠実に作品に向き合う方ばかりで、自分の在り方を見つめ直すようないい経験ができた」と手応えを口にした。

木村文乃さんが演じるのは、野本貴彦(高橋一生さん)の婚約者・木原優美(きはら・ゆみ)。NHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』や映画『ザ・ファブル』シリーズ、『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』などで知られる木村さんは、初めての瀬々組を「お芝居にじっくり向き合える、『これぞ映画の現場』という非常に贅沢な環境でした」と振り返る。役については「『人生はつらいことや悲しいことばかりではない』と観てくださる方にそっと寄り添えるような存在でいたいと思いながら撮影に臨んでいました」と話した。

鈴木杏さんが演じるのは、被害児童・内藤亮の実母・内藤瞳(ないとう・ひとみ)。門田(西島秀俊さん)の取材に応じるなかで、30年間誰にも明かさなかった“ある手紙”の存在を告白する役どころだ。瀬々監督とは20年以上ぶりの再タッグ。鈴木さんは「無気力でどこかアンバランスな、自分の人生に抗えなかった彼女の内面の揺らぎを、私なりに大切に汲み取りながら演じました」とコメントしている。

物語の重要なモチーフとなる「写実画」の世界

本作では、複数の登場人物が「写実画」を介してつながっている。志尊淳さん演じる内藤亮は、如月脩(きさらぎ・しゅう)の名で活動する写実画家。高橋一生さん演じる野本貴彦も写実画家であり、佐藤浩市さん演じる岸朔之介はその才能を見いだした画廊の主だ。

作中の絵画の提供と監修を手がけたのは、写実画家の大畑稔浩さん。内閣総理大臣賞の受賞歴を持ち、千葉県のホキ美術館に多数の作品が収蔵されている。志尊さんと高橋さんは、いずれも大畑さんのもとで写実画の技法を学んで撮影に臨んだ。

志尊さんは「テクニックはもちろん、それ以上に本作のテーマにも通じる『写実画を通じて何を表現するか』を、役として咀嚼していきました」と語り、高橋さんは「『写実とは何か』を教わった時、僕が目指しているお芝居の感覚にすごく近いものを感じた」と振り返る。佐藤さんも「本作でキーとなる写実画について、あまり深いなじみがなかったが、現場を経験して、逆に写実の世界の奥深さを改めて認識させられた」と話している。

写実画は、写真には写らない「時間」や「感情」、「関係性」までも描きこんでいく表現だという。門田が追う事件の真相とあいまって、内藤亮が写実画家として何を見つめ、何を描こうとしているのか——そこにも注目したい。

なお原作小説『存在のすべてを』(朝日文庫)は、2026年11月1日に読者が選ぶ文庫本「本の日」大賞の大賞を受賞したばかり。公開まであと約3カ月、まだ手に取っていない人は映画の前に読んでおくのもいいだろう。

塩田武士による原作小説『存在のすべてを』(朝日新聞出版刊)



映画『存在のすべてを』
監督:瀬々敬久
出演:西島秀俊、広瀬すず、志尊淳、木村文乃、青柳翔、鈴木杏、光石研、永島敏行、奥田瑛二、斎藤工、高橋一生、仲村トオル、佐藤浩市
原作:塩田武士『存在のすべてを』(朝日新聞出版刊)
公開:2027年2月5日(金)全国公開
配給:東映
(C)2027「存在のすべてを」製作委員会 (C)塩田武士/朝日新聞出版

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