テンパりまくるカレー屋さん!? 衝撃の香りと味を堪能
東京ウォーカー
昨今、東京のカレーシーンをにぎわせているジャンルが「スパイスカレー」だ。これは大阪が発祥といわれ、その名店である「旧ヤム邸」が昨年下北沢に進出したことで、東京でも一層の盛り上がりを見せている。だが、そのムーブメントの一方でシンクロニシティ(意味のある偶然の一致)的な新店がオープンしているのも事実。高円寺の「スパイスカレー青藍」(せいらん)だ。

生粋のカレー好きがイベントや「間借り」を経て完全独立
オープンしたのは2017年11月20日。店主の梶田健一さんは食べることが大好きで、特にカレーに目がなかった。20年以上も自身でカレー作りをするかたわら、都内を中心に年間150~200軒を食べ歩くほど。とはいえ仕事は料理人ではなく、広告代理店やレシピサイト「クックパッド」などに従事してきた経歴を持つ。

その後、食とウェブに関する会社を起業し、やがて休日には自らカレーを振る舞う「西早稲田サンデーカレーライス」というイベントも主催するように。また、知人からの誘いで高田馬場のバルでの「間借りカレー店」もスタートする。そして満を持してオープンしたのが「青藍」だ。

同店のカレーの魅力は、カルダモン、クミン、花椒(ホアジャオ。四川山椒)、コリアンダー、フェンネルなどを絶妙な配合でブレンドした芳醇な香り。また魚介ダシを活用し、バターはもちろん油は最小限に抑え、小麦粉や化学調味料も一切使わないヘルシーさも特徴だ。テーマカラーである青の皿一枚に盛り付ける、華やかなビジュアルも食欲をそそる。

オリジナルな“追いテンパリング”の妙!
大阪スパイスカレーの名店のなかにも、実店舗オープンまではイベントで出店するだけだったり、間借りカレー店として人気を集めたりというケースは多い。これらは青藍にも共通しているし、自由な発想でスパイスや魚介ダシを駆使する点や、盛り付けの美しさも似ている。だが青藍の独自性は、理想の味を独学で追求した末に生み出された、スパイスの使い方にあった。

油でスパイスを熱することを「テンパリング」という。一般的にこの作業はカレー作りの初期段階で行われるが、青藍では提供直前にも“追いテンパリング”をしてソースとブレンドする。同店のコンセプトは“香りを食べる”であるが、実食してみれば納得。噛むごとにフレッシュな香りが口内へ弾け飛ぶのだ。

梶田さんに大阪スパイスカレーについて聞くと、自分のレシピが完成したあとに「大阪にもこのスタイルがあったんだ!」と知ったらしい。ただ、提供直前にテンパリングをしている店は、自分の知る限りではなかったとか。つまり、青藍の“追いテンパリング”はある意味革命といえよう。未知なるスパイスを求めるカレーファンは、高円寺へ急ぐべし!
取材・文=中山秀明/撮影=三佐和隆士
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