“新宿の母”の愛情カレーで心も体も元気になれる!
東京ウォーカー
昨今、カレー界で注目されている“間借り営業”をご存知だろうか? 特定の店舗を持たず、文字通り、別の店舗を定休日などに間借りするスタイルで、関西では“ヤドカリ”とも呼ばれている。新宿6丁目の「サンラサー」はそんな“間借り営業”を経て、2017年12月1日に独立オープンを果たした。

1日30食限定。スパイス料理研究家の女性店主が心と体に優しいカレーを振る舞う
店を切り盛りするのが、スパイス料理研究家の有澤まりこさん。20代の頃からスパイスの魅力に取りつかれ、カレー作りに打ち込む。当初は自宅で試作して友人に振る舞っていたが、その規模が年々広がり、「南アジア料理を作って食べる会」というサークル活動に発展。イベントなどでもカレーを披露するようになっていった。
そんな折、有澤さんのカレーに感銘を受けた、新宿ゴールデン街の「BAR miki」の店主に「昼間にウチでカレー店をやってみないか」と打診され、2017年2月から“間借り営業”を始めることに。
すると瞬く間に評判を集め、店は連日大盛況となる。主婦であり、一児の母親でもある有澤さんは、当初は「いつ辞めてもいい」とあまり店を続けることに執着はしていなかったが、常連客のラブコールに応える形で2017年12月に実店舗を構えた。

営業は火~金曜までのランチのみで、1日30食限定(うち10食は予約制。前日15:00から公式Instagramで受付)。カレーは“定番”と“週替わり”の2種で、“定番”も「花山椒のポークキーマカレー」や「ココナッツキーマカレー」(各900円)などが1か月ごとに入れ替わる。どれもスパイスを巧みに使ったオリジナルで毎日食べても飽きない、心と体に優しいカレーだ。
【カレーデータ】花山椒のポークキーマカレー <辛さ>控えめ <米銘柄>国産(産地・銘柄は変動) <ライス>150g <スパイス>ターメリック、コリアンダー、花山椒、八角など8種
「スパイスを使って体調を整えるカレー」を求め、毎週通う常連も多い
有澤さんが心掛けているのが、「スパイスを使って体調を整える料理」。そのため季節やその日の天候などによってスパイスの配合を変えている。例えば夏場の暑い日はレッドペッパーを増やし、発汗によって体内の熱を和らげて体感が涼しくなるよう仕上げている。
取材に訪れた日の“定番”は「花山椒のポークキーマカレー」。ターメリックやコリアンダーなどに、中国のスパイスを掛け合わせたカレーは、山椒のさわやかな香りとピリリとしたシビレが、ほてった体に清涼感をもたらしてくれた。
また、食材にもこだわり、安心・安全なもののみを厳選。「花山椒のポークキーマカレー」に使っている豚肉は、有澤さんの地元・埼玉県和光市の精肉店から仕入れたもの。自社で養豚場を持っていて、そこで育てている“生産者の顔”が見える豚肉だ。また、野菜も然り。埼玉県小川町で無農薬・無化学肥料栽培を行っている「蔬菜(そさい)沓澤(くつざわ)農園」の新鮮野菜を積極的に使っている。
「体調があまり良くない日も、ウチのカレーを食べて午後のお仕事を頑張る気持ちになってくれたらうれしいです」と有澤さん。毎週足しげく通う常連が多いというのも納得の“新宿のお母さん”の愛情カレーだ。




取材・文=河合哲治郎/撮影=岩堀和彦
同じまとめの記事をもっと読む
この記事の画像一覧(全6枚)
キーワード
テーマWalker
テーマ別特集をチェック
季節特集
季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介
おでかけ特集
今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け
キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介