松戸の「ツオップ」は、なぜパン好きの聖地と言われるのか
東京ウォーカー
千葉県松戸市は、東京に近いものの郊外といえる街だ。だがここには日本最高峰のパン店がある。“パン好きの聖地”と称される「Backstube Zopf」(バックステューベ ツオップ)だ。代表作を中心に紹介しながら魅力を明らかにしていこう。

毎日300種以上の多彩なパンが並ぶ
ツオップは決してアクセスのいい店ではない。最寄り駅はターミナルの松戸駅ではない北小金駅であり、そこからでも徒歩で約30分。だが遠方からでもどんどんお客がやってきて、すぐに行列ができる。この道程だから聖地なのだろうか? それともグリム童話に出てきそうな欧風の設えだから?

答えはどちらでもなく、もっとシンプル。パンが圧倒的においしくて、種類も圧倒的に多いからだ。しかも、どれだけ行列になってパンがなくなっても、常に焼いているためすぐに補充される。そしてできたてなのだ。コンセプトが“かならずお気に入りのパンが見つかるでしょう”というだけあり、まさにその通り。だからパン好きの聖地なのである。

たとえばライ麦やサワー種を使うドイツパン。同店にはドイツパンだけでもさまざまな種類があるが、代表作といえば「ヨーグルトライ」(367円~)だ。これは発酵種にカスピ海ヨーグルトを混ぜた独創性の豊かなパンで、伝統的なドイツパンより酸味がやわらかくまろやか。またフランス系のパンのなかでは「クロワッサン」(216円)が人気だ。

おいしさのための“できたて”という冒険
そして特に名物といえるのが「カレーパン」(248円)。これも揚げたてだ。出数も多いため、1日に揚げる回数は、50回以上にもおよぶという。そう聞けば、「ツオップほどの人気店で職人も多く、パンもどんどん売れればできたてを提供できるでしょう」と思うかもしれない。だがそれは結果論といえよう。

まだ行列がなかった2000年のオープン当初、スタッフが少数のころからできたてを提供していたのだ。廃棄も少なくなかったというが、おいしいパンを提供するために、めげなかった。だから噂が噂を呼び、全国からパン好きが集まるようになったのである。“できたて”はある意味怖くて踏み込めない、冒険といえるかもしれない。純粋においしさを求めて切り開いたからこそ、この小屋は“聖地”となったのだ。
東京ウォーカー編集部
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