<福岡うどん愛>なめらかな麺と煮干しダシを多種多様なメニューで味わう「手打ちうどん 円清」
九州ウォーカー
親不孝通りの北端にある長浜公園の少し西側、舞鶴小・中学校のすぐそばに4月オープンした「手打ちうどん 円清」(福岡市中央区舞鶴)。昨年末まで埼玉県でうどん店を経営していた店主・岩坂隆玄さんが、以前とほぼ同じメニューを提供している。「縁あって、自分の作る麺が福岡に合っているんじゃないかとお誘い頂いたんです。周辺では硬い麺が主流でしたが、自分はなめらかさを重視したくて。お客さんは安定して来ていたんですけど、今までやってきたことがどこまで受け入れられるのか、挑戦したい気持ちもあって」と、他のうどん店では余り見かけない個性的なラインナップが並ぶ。
経験から生み出された、変化に富む味付け



まず、野菜・果物など16種の食材をミキサーで粉々にして2日間かけて煮込む「円清のカレーうどん」(900円)。ダシが一切入っていない欧風カレーで、コクのあるスープに喉越しのよい麺がよく絡む。また半ライスが付いており、最後にカレー雑炊としても味わえる一品で、以前注文率が85%だったこともある人気商品だ。続いて、冷たいざるうどんで麺のコシを味わう「肉汁ざるうどん」(700円)。前の店舗でご当地となる武蔵野うどんはつけうどんが主流で、こちらでは煮干しのみを使用したダシに醤油タレを合わせたつゆに浸けていただく。そのシンプルなかけダシに、特製ダレでじっくり煮込んだチャーシューが乗る「炙り肉うどん」(820円)もおすすめだ。
どれかを気に入ってウチに興味を持ってもらえれば

店主・岩坂隆玄さんは、3年近いラーメン店での経験の後にうどんに目覚め、香川に行って3年間の修業を経て、個人店の経営を埼玉で始めた。「修業先は讃岐ですけど、ほぼ原形を留めてないくらい、どんどん変えてきたので、今の麺はほぼオリジナルです。それに普通のうどん店ではダシをベースにトッピングが変わっていくんですが、自分はタレの味付けでメニューを変化させるんです。ラーメン店の時は煮干しをメインに使用し、ダシとかツユとかの作り方もそこで習っているので、両方のいいとこ取りをしている感じです」。
ラーメン・うどんのどちらかの経験が欠けていたら、今のメニューは出来ていないと語る岩坂さん。福岡のうどん店はかけうどんをベースにしている所が多いが、こちらには置いていない。また、根本的に他のお店にないメニューを出したいという思いがあり、ごぼう天も無い。そのため入店しても帰ってしまわれたり、また、讃岐うどんの店が増えているので冷たいざるうどんの注文が多いと思っていたが、オープンして2か月は釜揚げうどんの方が多く、意外に感じる中、とり天とショウガ湯は好評を得ているとの印象だそう。


「オリジナリティを追求しているので、どんな方にもいいねって感じてはいただけないかもしれません。うどん店の開業時に、今のメニューのベースはほぼ完成していましたが、埼玉でも来店客が1日4~5人という日がありました。ただ、どれか1つでも気に入ってもらえればいいと思ってるので、だからいろんなうどんを揃えようと。まだまだこれからです」。煮干しも3種類使っていて、それぞれの味があり、楽しみに週に1度は来てくれる固定ファンも少しずつ増えているとのこと。面白いと興味を持った方が、通ってヘビーユーザーになり、時間をかけながら、福岡のうどんファンにも受け入れられていく予感あり。今後の展開に注目だ。
取材・文=井上幹彦(シーアール)、撮影=菅祐介
井上幹彦
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