半島がまるごと学びの場!夏休みの自由研究は、自然と歴史にあふれる“島原”に決まり
九州ウォーカー
江戸時代の家屋や水路が残る城下町に、2度の動乱をくぐり抜けた島原城、そしてダイナミックな景観が目を引く雲仙普賢岳。歴史と自然に彩られた島原半島は、夏休みの自由研究にぴったりだ。今回は、長崎県に住む大江さんファミリーが、研究テーマを見つけに島原の人気スポットへ。日常にはないワクワク体験に、まおちゃん(小学3年生)、えるちゃん(小学1年生)のふたりも大興奮!
遊んで学べる!がまだすドーム

最初に訪れたのは、2018年4月にリニューアルしたばかりの「ジオと火山の体験ミュージアム がまだすドーム(雲仙岳災害記念館)」。映像などを使った体験装置が増えたことで、火山や防災について、子供でも楽しみながら学べるようになった。モニターの火山を足踏みして噴火させるコーナーでは、えるちゃんが「ゲームみたい!」と元気いっぱいに挑戦。一方、災害現場で利用される無人化施工のコーナーでは、まおちゃんがモニターとにらめっこしながら重機を操縦。ふたりとも、初めての体験にすっかり夢中!




火山について学んだあとは、ユニークな遊具が集まる「こどもジオパーク」へ。平成新山をトランポリンで再現した「ジオマウンテン」や、ボールプールを有明海に見立てた「地層探検アスレチック・ボールプール」など、島原半島の自然の魅力を遊具で体験できる。「室内だから暑い日でも安心ですね」と、子供たちを見守るママもにっこり。※夏休み期間中は2時間制限あり

[がまだすドーム(雲仙岳災害記念館)]長崎県島原市平成町1-1 / 0957-65-5555 / 9:00〜18:00(入館は〜17:00)、こどもジオパークは10:00〜17:00 / 年中無休(4月にメンテナンス休館あり) / 常設展示=大人1000円、中高生700円、小学生500円、こどもジオパーク=300円
島原半島のランドマーク「島原城」で街の歴史を学ぶ!
続いて訪れたのは、雲仙普賢岳の麓に建つ「島原城」。1624年に島原藩の初代藩主・松倉重政によって建てられ、明治維新での廃城を経て1964年に復元。島原の乱では一揆軍の猛攻に、寛政の大地変では大地震にも耐えた堅固な城で、石垣は築城当時のものだ。城内では、歴代藩主やキリシタンにまつわる史料、江戸時代の庶民が使っていた生活用品などが展示されている。

最上階となる5階では、島原の絶景がお待ちかね。天守閣にある展望所から、市街地や眉山、さらには海の向こうにそびえる熊本の山々が見渡せる。島原半島の歴史について学んだら、島原城七万石武将隊のメンバーと一緒に記念撮影。コスチュームが無料で貸し出されており、まおちゃんは鎧を着て武士に、えるちゃんは忍者服を着てくノ一に変身!なお、2018年9月1日までは、通常は入れない夜の城内を見学できる「島原城 夜の陣」を開催中。各階で変化する光と音の演出で、昼間とは違う幻想的な雰囲気を楽しめる。


[島原城]長崎県島原市城内1-1183-1 / 0957-62-4766 / 9:00~17:30(入館は〜17:00) / 年中無休 / 大人540円、小中高生270円
インスタ映えにもおすすめ!「江東寺」のねはん像で思い出の一枚を
島原城を築いた松倉重政と、島原の乱鎮圧に尽力した板倉重昌を祀る「江東寺」。その境内を進んでいくと、釈迦が亡くなる際の様子を表したねはん像が出現!初めて目にする光景に、まおちゃんもえるちゃんも「どうして寝ているの?」と興味津々だ。

「江東寺」のねはん像は全身8.6m、高さ2.12mで、鉄筋コンクリート造りとしては日本最大。1957年に奈良・信貴山の福崎日精(ふくざきにっしょう)師が完成させた。頭部には信者たちの写経1万部が納められ、台座は歴代住職の納骨堂になっている。像の側には島原城を築いた松倉重政と、島原の乱で命を落とした板倉重昌の墓碑が建てられている。

[江東寺]長崎県島原市中堀町42 / 0957-62-2788 / 終日開放 / 年中無休 / 参拝無料
江戸時代末期の面影が残る「武家屋敷」をのんびりお散歩
島原城の外郭の西側にある「武家屋敷」は、城が築城される際に建設された下級武士たちの住まい。武士たちは、鉄砲を主力とする歩兵部隊として戦に参加していたことから、鉄砲町とも呼ばれている。現在は篠塚邸、山本邸、鳥田邸の3軒が無料で公開されており、建物に入って自由に見学できる。

通りの中央には湧水を引いた水路が流れ、藁葺き屋根の屋敷とともに往時を偲ばせている。せせらぎを聞きながら通りを散策していると、どこか懐かしい気分に。まおちゃんとえるちゃんは、「江戸時代に来たみたいだね」と情緒ある雰囲気をご堪能。



[武家屋敷]長崎県島原市下の丁 / 0957-62-3986(島原観光ビューロー) / 9:00~17:00 / 年末年始休み / 見学無料
初めてでも安心! 「しまばら湧水館」で名物のかんざらし作りに挑戦
最後は、島原を代表する湧水スポット「鯉の泳ぐまち」にある無料休憩所へ。昭和初期に建築された木造瓦葺平屋で、間取りや欄間など今では貴重な造りを見学できる。ここでぜひ楽しんでおきたいのが、かんざらしの手作り体験。かんざらしとは島原の伝統的なスイーツで、白玉粉で作った団子を島原の湧水で冷やし、特製の蜜をかけたもの。ひんやり冷たく、暑い時期にぴったりだ。



さっそく、まおちゃんとえるちゃんが、かんざらし作りに挑戦。白玉粉と餅粉を水と一緒にこねて、棒状に伸ばしたら、ちぎりながら小さく丸めていく。最初は慣れない作業に戸惑いつつも、スタッフからアドバイスしてもらううちに慣れた手つきに。完成したかんざらしは食べることができ、ふたりとも「柔らかくておいしい!」「きれいに丸まっている!」と大満足。かんざらしの手作り体験が終わると、全員に認定書がもらえる。



[しまばら湧水館]長崎県島原市新町2-122 / 080-2790-2879 / 9:00~17:00 、かんざらし手作り体験は1日6回実施(要予約) / 年末年始休み / 入館料無料、かんざらし手作り体験300円
5スポットを巡って、たくさんの研究テーマを見つけることができたまおちゃんとえるちゃん。「こどもジオパークが楽しかった!」「かんざらしが美味しかったね」と、夏の思い出作りもバッチリだ。遊びながら学べる島原半島で、少し大人になれたかな?【九州ウォーカー編集部/文=日野素子/撮影=川﨑賢大】
日野素子
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