最高気温36度超、路面温度60度以上で波乱続出!?D1グランプリ第5戦はRE雨宮の松井が4年ぶりの優勝を飾る

ポンが大活躍！外国人選手初の決勝進出へ

昨年の筑波も制している川畑の今シーズン初優勝と思われた追走トーナメント。しかしベスト8戦のポン対川畑戦で、川畑はポンのラインどりに詰まってしまいインカット。長時間に渡る審査の結果、川畑の敗退が決定した。

ベスト4に勝ち上がったのは、ポン、末永直登、藤野秀之、松井有紀夫。

ポンvs末永の対戦は、おたがいに相手についていくもののインに飛び込めない展開で再戦に。再戦では、ヘアピン後半でやっとポンを捕らえた末永に対し、1コーナーから末永に寄せていったポンが勝利し、外国人ドライバーとして初のD1グランプリシリーズ決勝進出を決めた。

藤野vs松井は、この日S字で圧倒的な速さを見せた松井が、後追いからはS字で藤野をとらえ、先行時にはS字で藤野を引き離して勝った。

3位決定戦は末永vs藤野。その1本目の1コーナーで、末永の右リアに藤野がヒット！両者ともマシンに大きなダメージを追うことに。特に末永はドライブシャフトが破損する状態に。結果規定時間中にマシンを修理することができず、ペナルティによって末永の勝利となった。

決勝はポンvs松井。1本目はポンが先行。松井は1コーナー進入から近い距離につけ、最後のヘアピンこそちょっと離されたものの、そこまでは距離も角度もタイミングもキレイに合わせたドリフトを披露。

入れ替えた2本目、ポンも1コーナーまでは松井をとらえていたが、S字の後半で振り返しに手間どり、大きく距離を開き、松井にとって4年ぶりとなる優勝が決まった。

優勝した松井は「前戦とその前戦が、とても成績がふるわなくて、すごく悩んでいた部分がありまして。今回のレースも最初は点数が出なくて、そんなにいい走りではなかったんです。そこでメカといろいろ話しまして、修正が上手くいって、チームトーヨータイヤの諸先輩がたにもいろいろアドバイスをいただいて、だいぶ点がとれる走りができるようになった感じで追走に残れました」「アマさん(雨宮勇美氏。RE雨宮自動車の代表)からは優勝直後に『おーよしよし、よくやったよくやった』と褒めてもらえて、本当に嬉しかったですね」と、安堵の表情を浮かべながらチームへの感謝と喜びを語った。

次は聖地「エビス」しかし地元・末永の表情は……

次戦はD1グランプリ発祥の地である福島県エビスサーキットにて、8月25日(土)と26日(日)の2日間「デュアルファイナル」で開催。エビスサーキットで働く末永が有利かと思いきや「僕はエビスは好きじゃないです。従業員ですけれど。ほら、従業員だからこそね、見たくないというか(笑)。もちろん、練習してがんばります」とポツリ。

また川畑も「最近練習不足で……。エビスはちょっと特殊なコースでエビスでないと練習ができない。時間をみつけて練習しに行きたい」と語る一方、松井やポンはエビスを得意としているようで「自分はエビスっ子です。自信もあります。2連戦あるので優勝を目指します」(松井)、「今回で3回目の挑戦ですけれど、ジャンプがあって楽しい。頑張ります」(ポン)と今から待ちきれない様子だ。

横井の予選敗退によって、シリーズランキング順位は大きく変動。末永が首位に立ち、川畑が2位に浮上。横井は首位から4位へと転落した。しかし、首位と横井までは10ポイント差以内で、誰がチャンピオンになってもおかしくない状態となった今年のD1グランプリ。この夏、シリーズの行方を決めるエビスサーキットに足を運んでみてはいかがだろう。

栗原祥光