クレイジーケンバンド横山 剣がニューアルバムとジモト夜遊びを語る!【後編】

横浜ウォーカー

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横浜マリンタワー1階の「mizumachi bar」に、クレイジーケンバンドとコラボしたビアガーデン「CKBガーデン!!」にて。横山 剣さんがジモト横浜での夜遊びを語る!(C)撮影= 映美


横浜市出身、横山剣率いるクレイジーケンバンド(以下、CKB)のニューアルバム「GOING TO A GO-GO」が8月1日(水)に発売される。オリジナルアルバムとしては3年ぶりとなるが、ソウル、ファンク、ジャズ、レゲエほか、あらゆる音楽性がうねり、国内外、時代も問わず、さまざまな磁場から生まれた全20曲を収録する。今回は、横浜マリンタワー1階のmizumachi barに、CKBとコラボしたビアガーデン「CKBガーデン!!」がオープンしていると聞きつけ、剣さんと夜遊びへ!

——(前回の続き)今回のアルバム「GOING TO A GO-GO」を表すならば「支離滅裂」なんですね。

横山 できあがって、ザーッと聴いてみたら、なんか支離滅裂だなって感じたんですよね。もちろん、事前にテーマを決めてやったほうが、コンセプチュアルなものになると思うんですけど、そういうのが苦手なんですよね。その通りにならないし。ただ、テーマを決めておくと、そこから逸脱することはできるので、何もないよりはテーマがあるほうが、どんどん逸れていくきっかけになる。今年はエレガントというテーマでスタートしたんですけど、全然そうならなくて、どんどん逸れて、支離滅裂になりました(笑)。

——どうやったら、エレガントから支離滅裂になるんでしょうか?

横山 昨年の暮れからお正月くらいまでは、なんとなく気分で「エレガントな音楽やりたいな」って思っていたんですけど。お正月にフィリピンのセブ島に行って、一気にジャンクな方向に。支離滅裂っ!

——確かに。高級リゾートとスラム街が隣り合わせにだったりしますよね。

横山 そのスラムが気に入っちゃって。現地の人は行かないほうがいいっていうんですけど、絶対そんなことないと思って、買い物に行ったりしたら、コソ泥とかスリとかはいても、根っからの悪い奴はいないっていう感じがしました。みんな優しい。なつかしい感じがあって。昔の日本みたいでよかったですね。サンセット・クルーズの船に乗るために、浅瀬みたいなところを延々と歩かされたり、もう、めちゃくちゃなんですけどグッと来るんですよね。そこでエレガントがどこかに行っちゃいました。「そんなことじゃないんだよ!」って。

——今作も「本牧」「Yokohama」「みなとみらい」など、神奈川の地名が出てくるのですが、同時に場所も時間も超えたりして。

横山 そうですね。「LOCOMOCO」という歌は、ハワイで「Yokohamaは何時くらいかな?」とかね。現地時間との時差を思うとか。

——あ、ハワイと本牧は似ていると、以前、剣さんもおっしゃっていましたよね。

横山 ハワイと本牧ってノリが共通するところがあるんですよ。ハワイのキングストリートで、本牧出身のおばあちゃんと知り合ったんですけど、その人の中では移住する前、50〜60年前の本牧でストップしているんですけど、話していて、全然距離を感じないっていうか。横浜からハワイに移住している人も多いし、本牧のMOONEYES(本牧のカー用品店、カフェも併設)のメニューにはロコモコがあるしね。

——(笑)つながりますね。

横山 ハワイのローカルフードって、ここで出合うと思わなかったっていうオリエンタルなショックがあって。中華のどんぶりでレンゲを使って食べるとか、すごく不思議な感じがします。ロコモコに代表されるハワイのオリエンタルさ加減には、日本とハワイとの長い歴史と関係性を垣間見れる要素がいっぱいあって。だから、「LOCOMOCO」なんです。

——NHK「みんなのうた」で流れている「山鳩ワルツ」も、鳩の鳴き声が楽曲に使われていて驚きました。

横山 これは、構想50数年。子供のころに、山鳩の鳴き声が3拍子に聴こえて、ジャジーな三拍子に合うって思っていたです。マイナーなメロディで、物悲しいなって……。その断片はずっと頭の中で鳴っていたんですけど、そこから先に今年はじめて進んで曲にしました。

——鳩の鳴き声って、夏休みの、ちょっと遅く起きた朝を思い出しますが、なぜいま曲にしようと?

横山 これは「みんなのうた」で流れる言われた時に、「どういう曲で〜」って何も言われなかったので、今と昔をつなぐものってないかなと考えた時に、そうだ、これを完成させちゃえって。時々車を運転していると、子供のころを思い出して、運転している自分の実年齢に驚くことがあるのね。箱根とか、峠を登っていけばいくほど、昭和に続いている感じがして。山鳩の鳴き声は今でもいっぱい聴けるけど、一瞬にして持っていかれるんですよね。

——じゃあ、先ほども出てきた「せつ子」は?

横山 「せつ子」! 「せつ子」は、七里ヶ浜で出会って、何年ぶりかに本牧で再開したのに、僕はこれからLAに行かなければならないっていう。後ろ髪を引かれながら、羽田空港から飛び立つ俺っていうフィクション。

——LAへ(笑)。

横山 ええ、ええ。「せつ子」って、本牧に「ハマで一番不味い店」っていうのがあったんですけど、そこに懐いている犬がせつ子で、犬の名前からきています。そして、せつ子なのにオスなの。そこに闇を感じるんですよ。前の女がせつ子だったのかなーとか。そして、そのオヤジが「せつ子ーっ」って呼ぶ時に、「Let’s Go」って聞こえるんですよ。前に「バンコクの休日」という曲で、「Let’s Go」って入れているんですけど、後半は「せつ子」って言ってて、その時に一回使っているんですけどね。

ニューアルバムについても熱く語るクレイジーケンバンドの横山 剣さん(C)撮影= 映美


——今回は、「せつ子」のほうをフィーチャーされたんですね。

横山 ええ、ええ。全然関係ないんですけど、62歳で何億円もお金とってたおばさんも、節子っていう。

——せつ子やばいですね(笑)。剣さん、ものすごく自分サンプリングですね。自分の記憶サンプリングみたいな。

横山 そうですね。サンプリングして、違うものとミックスして。

——人生後半戦といいながら、CKBもデビュー20周年で、ますますパワーを得ている感じですね。

横山 そうですね、デビュー20周年。来年はユニバーサル移籍10周年。再来年はメンバーが3人還暦。

——昨年は、結成20周年でしたし、おめでたいが続くという。

横山 こじつければ、いくらでも出てきます。

——この後は、デビュー20周年記念の横浜アリーナ公演とツアーも控えていますね。

横山 福生から沖縄まで。てんやわんやです。今度のツアーからメンバーの愛子ちゃん(Vo&Cho)が産休に入るので、完全復帰できるまでの間、代役にはどんなタイプのシンガーが来るのか気になる人も多いでしょう。ヒント「シャリマール」。わかんないか? ま、いいや。ますます混沌としていきます!

——混沌ですね(笑)。

横山 そーそーそー。支離滅裂! 24時間営業の混沌料理店! 偶然完全! 最後に愛は勝新太郎!

横浜マリンタワー1階「CKBガーデン!!」にて。イベリコ・スペアリブセット(1名3,800円/2時間飲み放題付き)(C)撮影= 映美


new album 「GOING TO A GO-GO」 2018年8月1日(水)発売


取材・文=古城久美子、撮影=映美

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