豚骨ラーメン発祥の地“久留米”で食べるべき厳選5杯!

2018年10月17日 19:00更新

九州ウォーカー 佐藤桜子

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豚骨ラーメン発祥の地といわれている久留米市。「博多ラーメン」と「久留米ラーメン」の一番の違いはスープの取り方と濃度。博多は寸胴で毎日フレッシュなスープを仕込み使い切る“取り切り”スープが主流。一方、久留米は、昔ながらの羽釜で、減った分を継ぎ足し煮込み続ける通称“呼び戻し”技法が主となっている。一般的に“久留米ラーメンはこってり味”というイメージがあるが、実際はラードや背脂を使わない店が多く、比較的あっさりとしている。

今回、歴史ある老舗ラーメン店から、話題の店舗まで、久留米で食べるべき5軒のラーメンを紹介。ラーメンの味の要である“元ダレ”や、刻みチャーシューを使い完成させた鉄板サイドメニュー「久留米焼きめし」も要チェックだ。今も独自の“豚骨文化”を発信し続けている地に、食べ比べに出かけてみよう!

南京千両 本家

南京千両 本家 /「ラーメン」(550円)。ラードを使わないので、ギトギト感がなく、あっさりとした味わい

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1937(昭和12)年創業で、豚骨ラーメンの発祥とされる「南京千両(なんきんせんりょう) 本家」。元々うどんの屋台を営んでいた初代店主・宮本時男さんが、東京・横浜で流行していた中華そばと、出身地の名物である長崎ちゃんぽんをヒントに、当時、鶏ガラより安価であった豚骨に着目。史上初の豚骨100%ラーメンを生み出したと言われている。

南京千両 本家 /大きな羽釜で麺を泳がせて、丁寧に湯切りする 

南京千両 本家 /創業より自家製にこだわる緩やかなウェーブの縮れ麺を使用

現在は、初代の息子・憲司さんと孫の博さんを中心に、野中町にある店舗や明治通沿いの屋台を切り盛り。豚頭を強火で炊き、旨味を抽出した茶褐色のスープと、創業より自家製にこだわる緩やかなウェーブの縮れ麺、また、チャーシューを刻んで入れるスタイルもそのままだ。豚肉の煮汁が入った醤油ダレが奥行きのあるコクを添えている。

南京千両 本家 /「チャーハン」(550円)は、サイドメニューの定番人気

サイドメニューの定番人気は、「チャーハン」(550円)や「餃子」(8個400円)。具は肉ミンチ、ニラ、タマネギ、キャベツ入りでニンニクは控えめ。直火にかけた熱々の鉄板で提供される。

2015年に同町内で移転オープンした「南京千両 本家」。竹をあしらった内装

南京千両 本家 /2017年で創業80年を迎えた歴史ある店。店舗の隣には製麺室もある

[南京千両 本家]福岡県久留米市野中町1357-15 / 0942-22-6568 / 11:00~21:30(LO)

モヒカンらーめん 本店

モヒカンらーめん 本店 /「モヒカンらーめん」(650円)。モヒカンレッドは少しずつ溶かして食べるのがオススメ

屋号の通り、モヒカンヘアの店主、スタッフが迎える久留米の名物店。市内にもう1店舗「世界のモヒカン」を展開している。自慢の「モヒカンらーめん」(650円)は、化学調味料、添加物を抑え、豚骨本来の旨味を引き出した“自然派豚骨”。近年、より味の改良を重ね、九州産の豚頭、大腿骨など、煮込む豚骨の量を増やし重厚感がアップした。老若男女が食べやすいよう、豚骨の臭みも徹底して取り除いている。

モヒカンらーめん本店 /店主の於保貴久さん。底抜けに明るい人柄で久留米ラーメン会のムードメーカー。臭みがなく老若男女が食べやすいラーメンを追求する

チャーシューは、上質の豚肩ロースを厳選。肉をパサつかせず、みずみずしい状態で出せるよう、切りたてを提供する。そのほか、丼の中央に浮かぶ真っ赤な辛味調味料「モヒカンレッド」にも要注目。韓国唐辛子はじめ、十数種のスパイスを混ぜ込んだ赤ダレが、スープに鮮烈な辛味とさわやかな香りを添える。

モヒカンらーめん本店 /「とんこつ飯」(500円)。丼に残ったスープをかけ、よく混ぜて食べる

残った豚骨スープをジュジュッとかける熱々鉄板の「とんこつ飯」(500円)、「焼き替え玉」(300円)など、サイドメニューも個性的。底抜けに明るいスタッフのきめの細かい接客も人気の理由だ。

モヒカンらーめん本店 /店内は食券制。カウンター奥にボックス席がある 

モヒカンらーめん本店 /西鉄試験場前駅からすぐ

店内は食券制。カウンター奥にボックス席がある。

[モヒカンらーめん 本店]福岡県久留米市津福本町221-11 / 0942-39-6786 / 11:00~22:30(LO)

久留米 大砲ラーメン 本店

久留米 大砲ラーメン 本店 /「昔ラーメン」(並680円)。豚脂の揚げ玉「カリカリ」などを入れ、創業当時の屋台の味を再現

豚骨ラーメン発祥の地、久留米のなかでも横綱閣で、1953(昭和28)年の創業より半世紀以上、一度も釜を空にすることなく煮込み続ける“呼び戻しスープ”で有名。豚骨を継ぎ足しながら炊き、濃度の異なる複数のスープをブレンドすることで、骨の髄から染み出る旨味が幾重にも重なり、奥深いコクが楽しめる。

久留米 大砲ラーメン 本店 /スタッフの小川将仁さん。呼び戻しスープ作りは、その日の豚骨の状態や気温、湿度などに左右されるため熟練の技を要する

久留米 大砲ラーメン 本店 /スープを網で丁寧にこす。麺は、自社製麺所「大砲 麺工房」で作る中細ストレート。低加水麺なのでスープとより馴染みやすい

食感と風味が程よいアクセントになる豚脂の揚げ玉、通称「カリカリ」も久留米の伝統的な具材。ふんわりと仕上げたタケノコや、有明海が近いことに由来するノリをのせるのも特徴だ。

久留米 大砲ラーメン 本店 /「厚切り炙りチャーシューメン」(830円)。香ばしく炙った厚切りチャーシューを3枚のせた本店限定メニュー 

麺は、自社製麺所「大砲 麺工房」で作る中細ストレート。低加水麺なのでスープとより馴染みやすい。メニューの2本柱である「ラーメン」(並630円)と、カリカリをのせた「昔ラーメン」(並680円)を、一度に味わえる「食べくらべセット」(900円)も用意。そのほか、久留米の本店のみで味わえる「厚切り炙りチャーシューメン」(830円)にも注目だ。

久留米 大砲ラーメン 本店 /屋台から創業し、以前は出前もしていたため、おかもちのオブジェが飾られている

久留米 大砲ラーメン 本店 /1953(昭和28年)創業の老舗。女性も入りやすいシャレた外観

店内は、L字のカウンターと小上がり席。カウンター越しに、大きな羽釜でスープを煮込むようすも見ることができる。

[久留米 大砲ラーメン]福岡県久留米市通外町11-8 / 0942-33-6695 / 11:00~21:00(LO)

拉麵 久留米 本田商店

拉麵 久留米 本田商店 /ホンダラーメン1号「純味」(650円)。本田商店の基本の一杯

店主の本田眞一さんは、明治時代初期、久留米問屋街の一角に、履物問屋として創業した「本田商店」の4代目。大手インテリアメーカーなどで勤務を経て、父のラーメン店開業をきっかけに、自身もラーメンの道に進むことを決めた。「伝統を守りながらも、よりお客様のニーズに応えていくのが、どの業種でも重要。インテリア業界や家業を通じ、肌で感じたことをラーメン作りにも生かしたい」と本田さん。

拉麵 久留米 本田商店 / 店主の本田眞一さん。寸胴を頻繁に混ぜながら豚骨をとことん煮込んでいく。丁寧に骨の下処理をしているため臭みがない

「温故知新」を掲げるラーメンは、久留米発祥の継ぎ足し技法「呼び戻し」を用いる。火加減、水加減を微調整しながら煮込み続けた、濃厚でクリーミーな味わいが自慢だ。“久留米らしさ”を存分に感じられる定番の「純味」(650円)のほか、黒マー油&白マー油でアクセントを加えた洗練の「眞味」(770円)など、新旧の多彩なラーメンを作る。

拉麵 久留米 本田商店 / ホンダラーメン3号「眞味」(770円)。黒マー油、白マー油、唐辛子味噌を溶かしながら味の変化が楽しめる

同店は、麺そのものが旨い店としても有名。鳥越製粉小麦「麺うたまろ」を使い、店内で製麺する中細麺は、香り高く、“はねかえるような強いコシ”が特徴だ。

拉麵 久留米 本田商店 / 「久留米やきめし」(小400円、中500円、大600円)。ラーメンダレを隠し味に香ばしく炒める

ラーメンダレを隠し味に香ばしく炒める、「久留米やきめし」(小400円、中500円、大600円)も人気。

拉麵 久留米 本田商店 / 座敷もありファミリー客も多い。製麺の様子がガラス越しに見られる

拉麵 久留米 本田商店 / 「とんこつラーメン、久留米式ちゃんぽん」の看板が目印。駐車場も広く入りやすい

[拉麵 久留米 本田商店]福岡県久留米市南3-27-29 / 0942-55-4065 / 11:00~15:00、18:00~22:00

丸星ラーメン

丸星ラーメン / ラーメン(400円)。豚骨の風味、味わいがしっかりと主張。昭和30年代から人気を集める一杯だ

1958(昭和33)年に創業した24時間営業の「丸星ラーメン」。当時、広い駐車場を備えたロードサイドのラーメン店は希少で、トラックの運転手はじめ、ドライバーがその評判を全国に運び、久留米ラーメンが全国区になる一翼を担った。今なお、久留米っ子のソウルフードとして深く根付き、深夜から明け方にかけても客の波が途切れない。

丸星ラーメン / 豚骨が焦げ付かないよう、頻繁にかきまわすのも旨いスープのポイント

丸星ラーメン / 豚骨フレーバー、骨粉感も生かした“直球豚骨”というべき味わい

昔ながらの1杯として存在感を放つラーメンは、豚骨のさまざまな部位を豪快に炊き込み、豚骨フレーバー、骨粉感も生かした“直球豚骨”というべき味わい。博多ラーメンに比べると、やや太めの麺との絡みもよく、何より1杯400円という値段がうれしい。

丸星ラーメン / おでんは1個90円。セルフで盛り、個数を伝える

気さくなおばちゃん従業員たちが迎える、アットホームな雰囲気も同店の持ち味だ。店内の一角に置かれた漬け物は食べ放題。大鍋でグツグツと煮込まれ、味が染みたおでんにもそそられる。

丸星ラーメン / 持ち帰りラーメンは、久留米みやげとしても人気

丸星ラーメン / 店内は80席あり、壁には昭和の店の写真や訪れた著名人のサインなどが飾られている

丸星ラーメン / 国道3号線にある大型ラーメン店。看板からもわかるように、創業時はラーメンではなく「中華そば」と呼ばれていた

同店は、国道3号線沿いにあり、福岡市街からも車で50分ほど。24時間営業なので、思い立った時に足を運んでほしい。

[丸星ラーメン]福岡県久留米市高野2-7-27 / 0942-33-6440 / 24時間営業

【九州ウォーカー編集部】

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