ミシュラン1つ星シェフが「今一番作りたかった」という一杯とは⁉
東京ウォーカー
「ミシュランガイド東京」において、2年連続で1つ星を獲得している名店「創作麺工房 鳴龍」(東京・大塚)。その齋藤一将シェフがプロデュースするラーメン店が、東京・末広町に登場した。ここでしか味わない、「鳴龍」とはまったく異なるラーメンの秘密に迫る!

コンセプトは中華料理店のハイグレードなラーメン
その店が「中華そば 龍の眼 Produced by 創作麺工房 鳴龍」。齋藤シェフのラーメン作りに対する熱意や技術、思いに感銘した店主がプロデュースを依頼した。
「せっかく引き受けるのだから、『鳴龍』と同じではなく、もし自分がセカンドブランドを出すなら、次はこんなラーメンを作りたいというものを形にしました」と齋藤シェフ。
そのため「鳴龍」の人気メニューである「担担麺」などはあえて封印し、まったく新しいメニューを考案。それが今回コンセプトに掲げた「中華料理店のハイグレードなラーメン」だ。
基本のメニューは「中華そば」(750円)一本。オーソドックスな鶏清湯(チンタン)と、中細ストレート麺を組み合わせたシンプルな一杯だが、細部にはこだわりが散りばめられている。
スープには旨味とコクの強いブランド地鶏「阿波尾鶏」など、齋藤シェフが吟味した厳選素材を惜しげもなく使用。また、通常の中華スープではほとんど用いらない魚介も使い、風味とコクを出している。
調理方法にも“齋藤イズム”を注入。スープは注文を受けてから小鍋で温めていくが、その際に最大2杯までしか一度に作らない。「それ以上作るとおおざっぱになり、魚介の繊細の香りが飛んでしますからです」と店主の宮原健輔さん。これは齋藤シェフが「鳴龍」で実践している手法。宮原さん自身、大手外食企業で数百もの商品開発に携わってきた経験を持つが、「鳴龍」の厨房に出向き、その技を継承してきた。

ジューシーで噛むほどに味が増す、広東式の絶品チャーシュー!
麺は毎日店内で作る自家製の中細ストレート麺を採用。厳選した北海道産小麦で、なめらかなのど越しと小麦本来の香りが際立つオリジナル麺を完成させた。
そして今回、齋藤シェフが一番こだわったのがチャーシュー。現在のラーメン界は、しっとり柔らかく仕上げる“低温調理”が主流だが、広東料理の伝統的な手法を用いている。
豚肩ロースのブロック肉をスープと一緒に煮てから、特製チャーシューダレに5時間漬け込み、約200℃の高温でオーブン焼きに。そうすることでスモーキーな香りが肉に染み込み、噛むほどに香ばしくてジューシーな味わいが楽しめる。
また、肉の味をより引き立てるのが、特製チャーシューダレ。醤油や味噌、砂糖などのほか、中華調味料の海鮮醤を配合しているのがポイント。海鮮醤のコクと甘味がこってりとした独特な味わいを生み、ヤミつきに。
そんなチャーシューを存分に堪能できるのが「チャーシューそば」(1,100円)。1人前になんとブロック肉の半分を使用。厚切りにカットしたチャーシューが4~5枚で、その量は約125gと食べ応え十分だ。
「最初はチャーシューだけを楽しんでほしい」という理由から、中華そばと別皿で提供。まずはそのまま味わい、広東式ならではの豊かな風味と柔らかな肉質を確かめたい。その後はからしを付けたり、中華そばにのせたり、とお好みで。付け合わせのピーナッツとパクチーとの食べ合わせを楽しむのもよし。
今や日本ラーメン界を代表するスターとなった齋藤シェフだが、実は中華料理の出身。王道中華の手法を随所に取り入れた、シェフの“原点回帰”の一杯が味わえるのはここ「龍の眼」だけ!




取材・文=河合哲治郎/撮影=岩堀和彦
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