「まるちゃんが大好きだ」さくらももこさんと故郷・静岡の“相思相愛のカタチ”

東京ウォーカー(全国版)

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さくらさんの地元への愛は、清水だけにとどまらない。2003年に清水市は静岡市と市町村合併し、現在の静岡市の一部となった。静岡市は2007年からさくらさんのオリジナルイラストを用いたシティプロモーションをスタート。静岡市のシティプロモーションを担当する萩原さほりさんが差し出した名刺には、さくらさんによる静岡市の代表的な文化を描いたイラストが添えられ、裏面には同市の魅力をアピールするメッセージが記されている。

「当時、各地でシティプロモーションが注目されるようになっていました。静岡市の魅力を広く発信していくために、さくら先生のお力を借りたいと提案したところ、ご快諾をいただきました。この取り組みを『静岡市はいいねぇ。』キャンペーンと呼んでいますが、『静岡市はいいねぇ。』というコピーそのものもさくら先生の発案です。最初は『静岡市はいいねぇ。』のロゴと自画像のイラストを、シティプロモーション用の名刺や、県外でのプロモーションイベントなどで使用するノベルティグッズに使わせていただきました。その後も、静岡市の名所や名産品とともに、さくら先生の自画像が静岡市を旅しているような市内各所の風景を入れたイラストをご提供いただき、現在では22種類に増えています」と萩原さんは話す。

さくらももこさんの自画像が描かれた静岡市のノベルティグッズ。県外でのプロモーションイベントなどで使用されている


さくらさんが携わったシティプロモーションの企画は多岐にわたり、アイデアも積極的に提案されたという。2013年に発表されたPRソング「まるちゃんの静岡音頭」は、清水市との合併後、蒲原町・由比町を新たに編入した静岡市に一体感を生み出すため、みんなで楽しく踊れるものがあればというさくらさんの言葉がきっかけで生まれたもの。今回制作されたまるちゃんデザインのマンホールもさくらさんの発案によるものだ。

静岡市葵区役所内に展示された黄色い帽子のまるちゃんマンホール(C)SAKURA PRODUCTION


「静岡市では、これまでに市の花や『徳川家康公顕彰四百年』記念のカラーマンホールを制作しましたが、さくら先生の絵を道路に置いて踏んでしまうようなことはとてもできないと思っていました。ですが、さくら先生の方からそれを承知で、静岡市にまるちゃんのマンホールがあったらきっとかわいいからぜひ作りたいというお話を受け、設置の運びになりました。さらに、さくら先生は自分が提案したからということで、デザインだけでなくマンホール自体を市に寄贈してくださいました」と、萩原さんは制作の経緯を語る。

静岡市葵区役所内の献花台には多くの花が供えられていた


さくらさんと『ちびまる子ちゃん』に対する市民としての思いを萩原さんはこう話す。「『ちびまる子ちゃん』は世界的な人気を博す作品ですが、静岡市に暮らす人たちは、まるちゃんを身近な存在に感じていると思うんです。作品の中には清水のまちが描かれていますし、そこで暮らすまるちゃんも、まるで自分の思い出の中にいる友達の一人のように思えます。さくらさんに素晴らしい作品やプロモーションを通じて静岡市の魅力を発信していただいたことは地域の誇りです。そして、まるちゃんが大好きだという気持ちもみなさん持っていると思います。これからもそれは変わらないでしょう」

まるちゃんデザインの2枚のマンホールは、9月6日(木)と7日(金)にそれぞれ葵区と清水区に設置される。故郷を愛したさくらさんが残したものは、これからも静岡の街に欠かせない一部として受け継がれていく。

国分洋平

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